現在、すごろくモードと2周目2章を交互にプレイ中。
やはり2周目になると各キャラクターの発言の真意も理解できて、つらさが増す。2周目1章はそのフェアプレイぶりに改めて舌を巻く結果となったが、2周目2章はなんだかひたすらつらい。
以下はネタバレ感想。本日のメインは「超高校級の民俗学者」真宮寺是清くん。
動機ビデオと王馬くんの意図
先に2周目2章の感想メモを少々。
王馬くんが動機ビデオを共有しようと言い出した意図がまだちょっとつかめない。
自分の動機が気になったわけではなかったのは、6章で明らかになったとおり。
やはり情報を共有することでリスクを抑えようとした、というところだろうか。王馬くんは1章の終わりから「外に出ようという考えは黒幕の思う壺」「結束しようとするとモノクマが妨害する」という旨の発言をしているから、情報の共有によって仲間の結束を強めようという意図があったのか見定められない。全員で動機の共有ができていたら、結果として結束がが強まるのは必然な気がするのだが。
しかし1章も2章も、王馬くんは死体発見時、現場からかなり離れたところにいた。その状態から事態を把握し、裁判の展開に深く絡んでくる王馬くんはやはりただものではない。現場の状況をほぼリアルタイムで知っていた最原くんでさえ混乱しながらの捜査だったのに。
そういえば公式キャラグッズが大変人気で、転売先で値段が高騰しているらしい。早く地方民も買えるようになるといい。
キャラグッズを堂々と身につけるのが恥ずかしい王馬ファンに勧めたいのが、チェスモチーフのアクセサリー。王馬くんのスカーフはチェス盤モチーフだし、王馬という名前からキングとナイト(馬の形の駒)が連想される。探せば結構あるし、一見キャラグッズには見えないので普段使いしやすそう。
↑これはチェスモチーフのチャーム。公式さん、ぜひこういうさりげないキャラグッズもお願いします。
真宮寺是清と民俗学
本日の本題。赤松さんでも最原くんでも真っ先に仲良くなった真宮寺くん。前半で死にそうだし、さっさとスキルをとっておいた方がよさそうだという計算もあったものの、彼の才能の方にも興味があった。
わたしも世界の神話や民話の類が好きで、子供の頃は図書館でその手の本を片っ端から読んだものだった(並行してアルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズも読む子だったので今こうなっている)。
さて真宮寺くんが民俗学に本格的にのめりこんだのは、お姉さんの後押しのためだったという。彼が何才の頃だったのかはわからないが、他人の手によって才能を開花させたタイプはロンパではちょっと珍しいかもしれない(最原くんはそのタイプか)。
どうやら真宮寺くんは自らフィールドワークにも出かけるタイプの民俗学者なようなので、中学生くらいからもう旅に出かけていそうだ。病気がちで長旅ができなかったであろうお姉さんのためにも、各地で面白い話を集めていたのかもしれない。
お姉さんの死後も民俗学研究をやめなかったのは、民俗学そのものの魅力にはまったのと、お姉さんの遺志を忘れないためもあったりして。一か所で集中的に殺すリスクを避けたという現実的な理由もあっただろう。
しかし民俗学もやはり論文を書いてナンボの世界。真宮寺くんのことだから重要な先行研究は中学校に入る前に大体網羅しているとして、それを踏まえて学会誌に投稿しまくる真宮寺くん……想像すると面白い。
才囚学園に閉じ込められている間も、過去に集めた資料のことが気になっていただろう。さらに貴重な資料がたんまりな研究教室があっても、分析してまとめるためのPCがないのではフラストレーションがたまる一方だったはず。いや手書き派の可能性もあるな。
真宮寺姉非実在説
さて真宮寺くんを語る上ではずせないのが、お姉さんの存在。彼女についてはさまざまな説があるようだ。
まずお姉さん非実在説。ホラー。マジでホラー。
おしおきのときにお姉さんの霊が現れた描写があるので、実際には実在のつもりで作られてはいるのだろうけれども、あえて非実在説を妄想してみるのも面白い。
妄想で作り出した人格によって民俗学を志し、その妄想のために連続殺人を敢行。この場合、殺人衝動に理由を与えるために姉人格を作り出したようにも思える。この場合、たぶん好意を抱いた相手を殺してしまう性癖とかになるのだろう。
自分で制服を改造している真宮寺くん、怖いのだが普通に想像できる。
真宮寺姉被害者説
真宮寺くんがお姉さんを殺したという説。あーありそう。割とありそう。
真宮寺くんはお姉さんのことを大好きだったが、思春期を過ぎたお姉さんは次第に考え方が現実的になっていく。いつまでも弟とベタベタしてるなんておかしいわ!→私たち普通の姉弟に戻りましょう→謝って謝って謝ってry
これじゃ是清本人が謝ってちゃんになってしまうな……。
ともかく「理想の姉」が好きだった真宮寺くんが、理想から外れた言動をするようになった姉を殺すというストーリーは十分ありえそうだ。「あなたのせいで私には普通の友達ができいなかったのよ! 謝って謝って謝ってry」からの殺害とか。おしおきシーンでのお姉さんのキャラからしてこれはちょっと違うか。
もしくは、病気に苦しむ姉を見ていられなくなって殺したという展開もありえるかも。お姉さん自身に「殺して」と頼まれた可能性もある。
いずれにしても、最愛の姉を手にかけた罪悪感から姉人格が生まれ、贖罪のために「友達100人」を始めるという流れになりそうだ。その場合、姉人格は是清にとっての「理想の姉」で、現実の姉とは異なるものだったと見た方がいいかもしれない。
それなら弟が勝手に連続殺人鬼になってしまってもひとつも嬉しくないし、お姉さんが塩をまいて「自分のところには来るなよ!」と意思表示するのもわかる。
無関係な他人ではなくお姉さんを殺していたらさすがにその時点で捕まるだろ、というまっとうな見解はみないことにしよう。
真宮寺姉弟相思相愛説
姉は病死しているパターン。
真宮寺くんは各地の神話や民話を収集する中で、たくさんの「死」を扱った話に触れてきたはず。神話にはその土地や民族における死生観がそのまま現れるし、民話にはその土地で起こったが表ざたにできない殺人事件や誘拐事件が形を変えて残ったものも多い。
真宮寺くんはそれらを収集する中で、「死」の扱いをある程度相対化することができていただろう。死者の安寧のために生者を生贄にする、道連れにする、殉死するなどという話はどこにでもある。そういう学術的視点からの相対化が、「姉さんのための友達を100人作る」という「儀式」も「死者との向き合い方の一つとしてアリ」と思わせたものと思われる。ひょっとすると、「死者の安寧のために100人をあの世行きにする」という儀式もどこかで収集していたのかもしれない。
民俗学をやっていると、現代人の感覚からすると眉をひそめるような風習によく出会う。たとえば死体から心臓を抜き取って奉納するなどというと、現代人からみればホラーかもしれない。だがある時代のある地域においては、それは神に対する最高の敬意の示し方だった。それがわかっているから、民俗学者は風習の善悪を勝手に判断することはない。たまにこういうことを学んでいない人と話すと「うええ…」みたいな顔をされ、そうか、世間一般ではこういう話はグロいのだと気づかされたりする。
真宮寺くんにとっての死者との向き合い方も、ある意味そういう感覚だったのではないかとわたしは解釈している。現代においては世間一般にバレると逮捕されるだろうことはさすがに自覚しているものの、時代が違えばそういうことがまかり通ったことも知っている。だから普通に「友達100人」が選択肢の中に入ってきたのではないかと。
もちろん民俗学者の誰もがそんな感覚でいるわけではない(そうだったら大変だ)。しかし真宮寺くんは並の民俗学者ではない。「超高校級の民俗学者」である。そのへんの感覚も「超高校級」だったのではないかと思うのだ。
しかし姉弟が相思相愛だったなら、是清はいつどんなタイミングで「謝って謝って謝ってry」な姉イメージを獲得したのだろうか。まあ恋人同士でガチケンカに発展することだってあるか。
真宮寺片思い説
いちばん普通で現実的な解釈。お姉さんは確かに是清に優しかったが、姉としての範囲での好意であり、それを越えることはなかった説。
死因は病死。家族に看取られて亡くなったが、弟が「姉のため」と言って殺人鬼になったことについては苦々しく思っており、絶対自分と一緒のところには来てほしくなかった。
これだと是清とケンカして「謝って謝ってry」になることもあっただろうし、病弱な姉が癇癪を起せば是清が謝らざるをえない展開になるだろうし、そのエピソードが印象に残って是清の姉人格に影響したのかもしれない。
この場合、姉人格の言動のほとんどは是清の妄想。実物の姉をもとに、「理想の姉」を作っている。「真宮寺姉被害者説」を一回り穏当にしたような説だ。
しかし是清のおしおき、転子を殺したときのトリックの一つである「塩」を使って溶かされる描写はなんとも皮肉だった。プレイヤー視点ではちょっと笑えるのだが、本人にとっては絶望の極みで、過去作を含めても最高級にモノクマらしいおしおきだと言えるだろう。
強くてニューゲーム
各キャラが記憶を保持したまま2周目に突入したら……という妄想は楽しいのだが、真宮寺くんが2周目スタートしたら1章で終了しそうだ。死者も、まあ、1周目のときに比べれば半分くらいになってるんじゃないかな……(いろいろなものから目をそらしながら)
ところで現在「V3 動機」で検索するとこんなことになっているのだが、
わたしがヤバい人みたいになってるからこの並びやめて!www
↓真宮寺くんとアンジーを比較してみた。
↓真宮寺ファンにおすすめのシリーズ。