ゲームオブスローンズS7が絶賛放映中だが、hulu民のわたしは絶賛ネタバレ回避中である。
世間の流れとはまったく無関係に、友人とS6について語った内容を書きとめておくことにする。
ネタバレはS6まで。
その前に、リトルフィンガー(の中の人、エイダン・ギレン)によるS6復習動画を貼っておく。この内容をリトルフィンガーに喋らせる不穏さよ。ブライエニーとかダヴォスとか、リトルフィンガーの声で名前を聞くのは初めてのキャラもいて新鮮。そして何度見ても「すぽいらーあらーと(棒)」で笑う。
Aidan Gillen, who plays Lord Petyr Baelish, popularly called Littlefinger, recaps season six of Game of Thrones in under five minutes. pic.twitter.com/yZqAagu9dx
— VANITY FAIR (@VanityFair) 2017年7月18日
リコンは死ななければならなかったか問題
名前を入力するたびに「離婚」と変換されて微妙な感じになることで有名なリコンさんだが、彼はバトルオブバスターズで死ぬ必要があっただろうか?
あそこでリコンが死ななくても、同じような流れになったのではないだろうか? 「ラムジーひどい」ってエピソードが増えただけであまり意味はなかったのでは?(ラムジーがひどいのはもう全視聴者が十分に理解できているはずだ) リコンの死んだ意味が薄すぎて気の毒すぎでは?
トメンが死ぬ必要性はわかる。でもリコンが死ぬ必要はあった?
トメンは死ななければならなかったか問題
リコンの話の前にトメンの話に脱線しておこう。トメンは死なないといけなかったでしょ、うんうんわかる。
デナーリスを迎え撃つにあたって、ジョフリーやトメンでは役不足だった。彼女に対抗しうるのはむしろサーセイ。そういうことだと思っている。
夫を自分で手にかけ、子供を産めなくなるのと引きかえにドラゴンの母になり、愛人を捨てて出陣したデナーリス
vs
夫を罠にはめて殺し、子供をたて続けに殺され、王になるため最後の子供を見殺しにしたサーセイ
FIGHT!!
製作側はこういう構図に持ち込みたかったと思われる。こうしてみるとものすごく壮絶だ。
サーセイとトメンについてはこちらの記事も合わせてどうぞ。
ジークサーセイ!「ゲームオブスローンズ」S6感想 - なぜ面白いのか
王の壊れた横顔「ゲームオブスローンズ」S6感想 - なぜ面白いのか
トメンなー、ものすごい脇キャラっぽい名前だと思ってたのに王になっちゃうんだもんなー、そりゃ死ぬよ。
友人の「虚しい王冠である」というコメントが重い。そう、トメンにとっては虚しい王冠以外の何ものでもなかったはずだ。さて、サーセイにとって王冠と鉄の玉座はどのような意味を持つのか。S7でたっぷり見せてもらいたいところだ。
リコンが死んで誰が得をしたか
さて本題に戻ろう。
殺人事件の捜査に詰まったら、被害者が死んで誰が得をしたかを考えろというのが基本である。いや、この場合犯人はその場にいたのでこれ以上ないほどに明白なのだが、シナリオ上どんなメリットがあったかということを考えてみたいわけだ。
まずは当然ながらラムジー。
リコンに向けて矢をつがえるときの、あの素晴らしい笑顔。何度かわざとミスっているあたり、本当に楽しそうでわたしも嬉しい。
ラムジーにとってのメリットは、個人的な楽しみと同時にその後の戦いを有利にするというもの。大将首が単騎で突進という愚かな行為に出てくれたのだから、作戦大成功である。
しかしシナリオ上、本当にこのエピソードの必要はあったか? という疑問はまだある。ラムジーは戦上手という設定は、ボルトン姓を手に入れるくだりで説明できていたはず。リコンが死ぬことなくスノウ・モーモント・野人連合軍がピンチになっていても許されたのではないかとも思った。
ただしその場合、ジョンがただの戦下手に見えてしまう可能性が高い。今後も北部を引っ張っていくメインキャラとなるであろうジョンがそうなるのは歓迎できない。
今後あるかもしれないデナーリスvsジョンの構図のためにも、ジョラーさんやダーリオをあっさり捨てられるデナーリス(ジョラーさんは戻れたが)と、身内を見捨てられず自分と自軍を危険に晒すジョンという対比は見せておきたかった、という意図もありそうだ。
というわけで、ジョン本人の意思とは関係なく、シナリオの都合上はジョンにもメリットがある。
そこまで考えたところで、もう一人この件でものすごく得をした人に思い当たってしまった。我らがピーター・ベイリッシュである。
ラムジーがリコンを殺す
→ジョンが突出して連合軍大ピンチ
→そこへ現れたまさかの援軍!!
演出効果はばつぐんだ!
リコンが死んだおかげで、リトルフィンガーの援軍は連合軍、ひいてはジョン・スノウにとって一気にその重要性を高めた。
まさに 計 画 通 り である。
リトルフィンガーにとって、リコンの死はどこまで織り込み済みだったのだろうか。リコンがボルトン軍に捕われた情報は、彼なら掴んでいた可能性が高いと思われる。そしてこれから戦う相手の身内を捕えたラムジーがどんな行動に出るか、ラムジーの人となりを把握していたリトルフィンガーなら(正確には無理でも)ある程度は予想できたはず。
つまり、戦いの序盤は連合軍がピンチになることをリトルフィンガーは少なからず予想していたと思われる。あれってわざとちょっと遅れたのでは? つまり、自分たちの援軍効果を最大限見せつけるために。サンサには内緒でこっそり斥候を放っておいて、いいタイミングで駆けつけられるように休憩を切り上げたとか。
いやあもしそうだとしたら、何もかもリトルフィンガーの手の上ですなあ。
そんなわけで当面の結論。
シナリオ上、スノウ・モーモント組とベイリッシュ・スターク組の微妙な緊張関係を煽るためにもリコンは死ななくてはならなかった。リトルフィンガーがリコンの存在を意図的に利用したかどうかまでは不明。こんなところだろうか。
ああ、早くS7を見たい。
しかしこのドラマを毎週1話ずつ見なければならないというのもそれはそれでつらい。10時間分一気に見なければ、ほかのことが手につかなくなりそうだ。