ここのところリュヒテュちゃんのこともバルダーズゲート世界に生きるひとりのキャラのように見てくれる読者さんがいて、すごく面白いしわたしにとっても嬉しい。
Tavはプレイヤーの数だけ存在して、その存在自体は無個性であるはずなのに、そのTavがたどってきた選択、道筋がそのTavの個性となり、「リュヒテュちゃんの冒険」として認知されていく。こういった現象は、おそらくキャラメイクをするタイプのゲームにしか見られないのではないだろうか。
特に「バルダーズゲート3」という作品はプレイヤーごとに見ているものが違いすぎて、主人公の個性が出やすいということもあるせいで、こういう現象が起こりやすいといえるかもしれない。
ともかくいつも読んでくれている方も、今日初めてこのブログにたどり着いた方も、楽しんでいってくれたら嬉しい。
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改善協会本部訪問
前回鉄の玉座と鋼の衛兵工場を爆破し、ゴータシュとの対立が決定的になった。
このままゴータシュと一気に対決するのかと思ったが、街を歩いてみたところ燃える拳の連中といきなり全面敵対することもなく、普通に散策できた。あちこちで衛兵が壊れているが、市民はそれを眺めているだけで、急に治安に影響するということはなさそうだ。
それならもう少しほかのクエストを片づけてからゴータシュと対決しようと決めて、我々はまず近くにあったクエストマーカーに向かった。そこは改善協会の本部だったらしい。前回鉄の玉座から救出したオメルウムがお礼をくれるようだ。
改善協会というのは、アンダーダークに関する研究機関らしい。あまりにも臭い名前なのでかかわらないようにしてきたのだが、一応研究活動はちゃんとやっているようだ。
ギスヤンキの卵をとってきてほしいと言っていた人からの手紙もあった。結局あのクエストはスルーしてしまったが、あの人はどうなったんだろうな。
見識ある研究者もいるみたい。「平和は豊富な資源から生まれる」は名言ではないか。ただ豊富な資源だけでは平和にならず、その先に「資源の分配方法」という別問題もあるのだが(マジレス)。
オメルウムがなぜあんなところにいたのかが不思議だったのだが、どうやらリュヒテュちゃんに原因の一端があったらしい。
たぶんリュヒテュちゃんの幼生に干渉しようとしたときに、ほかのイリシッドに感知されたんだな。で、鉄の玉座に連れていかれて、そこでゴータシュが何をしているかを知って憤慨している。リュヒテュちゃん側に協力してくれることになった。
イリシッドって問答無用で襲ってくるやつと理知的なやつの差がでかすぎない?
ミンスク救出のため会計事務所へ
本日のメインミッションはこれ。
以前レイゼルが誘拐されたとき、オーリンの居場所を探して片っ端からマンホールに入った。最初に入ったマンホールがギルドの本部で、そこで我々はギルドの連中が「石の王」を追っていること、「石の王」というのがミンスクであること、会計事務所で「石の王」を待ち伏せすることを聞き知った。
あのときはレイゼル救出が最優先だったため、それだけ聞いてさっさとギルドを出たのだが、果たしてミンスクはまだ生きているのだろうか。
噂の会計事務所とやらに行ってみると、どうやら「会計事務所」とは我々のいういわゆる「銀行」のようだった。ここに現金や貴重品を預け、必要なときに引き出せる施設。
バルダーズ・ゲートは現在ヤバい宗教団体に包囲されつつあり、ベハルの信徒やゾンビ製造屋や我々が殺人を繰り返したことで治安もとてつもなく悪化しているため、現金を引き出して逃亡しようとする人があとを絶たない。窓口はずいぶん混雑していた。
銀行員も警備員も疲弊している。
とりあえず金庫を見せてもらうよう、えらそうな人と交渉することにした。
これがハーパー式交渉術だ!!
で、我々が今から助けにいこうとしているミンスクという人って、「彼に考えはない」とか保証されちゃう人なの?? だ、大丈夫かな……。
こんな説得で説得される銀行員がいるかよと思ったが、あっさりと通行証を渡してくれた。コンプライアンスガバガバかよ。まあジャヘイラってバルダーズ・ゲートの有名人らしいし、一種の顔パスってことなのかな。
というわけでやってきた銀行の地下金庫。そのへんに置いてあった書類を見ると、ゴータシュの事業が成功しまくっているのがうかがえる。ていうかこの会計事務所もゴータシュの出資事業なんだね?
最大手マスメディアと最大手銀行と最大手工場と最大手物流業者を一手におさえられてるって、この街の財界はどうなってんだよ。ステルメイン公爵ももうちょっとなんとかできなかったのか。
とはいえ、この事業のうち工場はこの前日に吹き飛ばしたし、フリム運輸の倉庫もめちゃくちゃに荒らしてきたし、今からこの銀行も好き放題荒らすので、本日中にこの「黒字」の部分の大半は訂正されることになるだろうけどな。株価大暴落待ったなしでしょ。
さて地下の奥に進んでいくと、鍵つきの大きな扉がある。いつものようにアスタリオンに開錠してもらおうとすると、難易度99とかいう初めて見る数字である。これはフルバフのアスタリオンでも無理そう。開錠魔法も試してみたが、この扉には効かないらしい。
となると、正規の手順をふんで開けるしかない。暗唱番号は責任者が知っているらしい。不可視化して事務所に忍び込めばどこかにメモしてあるのかもしれないが、せっかく地下におりてきたのにまた戻るのは面倒だ。
床の模様がギミックになっているようだし、適当に踏んだら開かない? と試したところ、最初の2つの数字はサクっと正解した。
1つ正解するごとに青ランプが点灯し、はずれると赤ランプが点灯してやりなおし。
えっ、何このガバガバセキュリティ。暗証番号の桁数が最初から明示されているし、1桁ごとに正解か不正解かがわかるなら、総当たりもすぐ終わるじゃん。しかも候補の数字の中に0が存在していない。
どう考えても難易度99のセキュリティではないが、サクっと突破させてもらえるのはありがたい。利用者には申し訳ないが、ゴータシュを信用して金を預けるのがそもそもの間違いだ。
というわけでたどり着いた金庫最奥部。
なんかえらそうな人がえらそうに語っている。イベントのこの時点では「これ」が何を指すのかわからなかったが、背後に置かれた宝箱のことである。九本指が特注した宝箱でミンスクを迎え討とうという作戦だったようだ。
まあ、当然のように失敗する。
このミミックに飲まれていたミンスクは、自力で箱をこじあけて飛び出てきた。
あの、物理法則……空間的な問題……いや、何でもない。たぶんミンスクというキャラはそういうものを超越した存在なのだ。初対面だけどきっとそうなのだ……。
ミンスク(バイク)だからカブ(原動機付き二輪車)は嫌いとかそういう……いやきっと違うな。原文は英語だし。
とてつもないパワーと意味不明な言動で我々を圧倒したミンスクだが、さらに事態はややこしくなる。ベハルのシェイプシフターが現れ、ジャヘイラに変身したのである。ミンスクは偽者を本物だと判断し、本物のジャヘイラを偽者とみなしてきた。
おいーーベハルの事件は先月のうちに片づけただろ! きみたちのボスはもうお陀仏したんだからちゃっちゃと撤収してくれよ!
わたしがクエストをやる順番がこうなったせいで、めちゃくちゃ盛り上がらない戦闘になってしまった。例によってベハルの戦闘員は聖域だの無敵だの不可視化だのを使ってくるので面倒だ。「そうそう、あいつらってこうだったよね~」とすっかり終わった人扱いしながら片づける。
しかし結局ミンスクは偽ジャヘイラとともに逃げてしまった。追いかけるしかないようだ。
ミンスクはこんな手口で箱に入れられたのかよ。逆によく今まで生きてたな! 一連のテキストのすべてが全力で「ミンスクの頭の悪さ」をアピールしていてすごい。
ここまでの展開にあっけにとられていたわたしだが、その後さらに開いた口がふさがらなくなる。
ちょっと! ここに目の前で預金全額を盗まれた銀行員がいます!!!!!
もはやゴータシュに消されるのとバルダーズ・ゲート市民に血祭にあげられるのとどちらが早いかという話である。金を返してくれたら金よりもいい宝をやると言われて、とりあえず引き受けることにした。
手がかりを得るために部屋は好きに調べていいと言われたので、言われるままにすべての鍵を開けて中身を全部いただいていった。レイヴンガード大公爵の金庫だとかゴータシュの個人的な記録だとか、どう考えても奪われてはまずい(銀行の立場的に)ものまであったが、お前らのものは我々のものである。
このへんの記録とか世に出たら、ゴータシュ卿の評判は地に落ちるどころじゃないわけだけど、本当に何もかもガバガバなんだよな。自分が出資した銀行なんだからもっとセキュリティをちゃんとしておけばよかったのに。
しかし全巻読みたい記録だな。ケセリック視点の記録も面白かったし。オーリン視点の記録は……基本的に殺しの悦びについてしか書かない人だから、記録としての面白さには欠けるかもしれない。
ミンスクを追って再び地下へ
空になった金庫にもはや用はないので、我々は金庫を出てミンスクを追うことにした。下水道の先にいるという話だったから、そそくさと地下へ。
奥に到着すると、見覚えのあるゼンタリムの人と偽ジャヘイラたちが争っていた。リュヒテュちゃんは気配を隠そうとしたものの、どうもしっぽで何かを派手にひっくり返したか何かしたらしい。
前から薄々思っていたけど、リュヒテュちゃんってドルイドとしては割とダメなのでは……。いや魔法のセンスは相当なものだし努力もしているのだろうけど、自然に溶け込もうとすると大体失敗するし、動物とのコミュニケーションは基本的に喧嘩を売られて泣いて帰ることになるし。ドルイド的な意味でうまくいったのはカガの使ったダークドルイド魔法を見破ったことくらいでは。
いや、そういうダメなところもかわいいんだけどね(デレデレ)。
というわけで順当に全員と戦闘になり、偽ジャヘイラは真っ先に倒した。
うん、そうなるよな。
状況的に非致死攻撃を使わなければならないということはわかった。しかしアスタリオンがサーイの死霊術で活きのいいゾンビを4匹連れ歩いており、こっちの指示を聞かないゾンビたちはミンスクに群がっている。ゾンビたちがよってたかってミンスクのHPを2まで減らしたときはもう終わりかと思ったぜ。
結局リュヒテュちゃんが棍棒でぶん殴って気絶させ、黙らせることになった。
皇帝に頼み込んでミンスクの幼生を抑えてもらうことになったのだが、皇帝の拒否がガチだった。まあね、ここまでの流れを見ていたら「こんな馬鹿を自軍に加えたらプラスよりもマイナスが上回る」と判断するのも仕方ないというか、むしろ妥当だと思うよ。
でもほら、我々は効率や損得のみでパーティを組んでるわけじゃないから。ジャヘイラの友達だから助けたいんだよ!! いいからやってくれ! と頼みこんだら渋々対処してくれた。よかったよかった。
今度こそ彼もわかってくれた。
しかしこの典韋みたいなキャラデザイン、アメリカでさぞ人気なんだろうな。ロック様が超人気セクシー俳優な国だし。いやロック様はたしかにセクシーだが。アメリカでは無双でいちばん人気なのも典韋だと聞いた。
なんでミンスクのことを語らせると、どいつもこいつも表現力豊かな罵詈雑言になるん??
あ、こちらがブーさんね。
「ミンスクとブー」の名前だけはプレイ前に知って覚えていたのだ。たぶんリュヒテュちゃんもバルダーズ・ゲートで暮らしていたのだから噂は知っているだろう。カーラックも彼のことは知っているようだった。
ジャヘイラは我々に感謝してくれた。こっちはまともでよかったぜ。
今回のオチ
ラカスに頼まれた盗まれた金の件。
盗んだ金を持ったやつがミンスクたちと一緒に襲ってきたので、逃げられないよう集中攻撃して仕留めた。死体から荷物を漁ると、たしかに大金を持っている。
少し迷ったものの、バルダーズ・ゲートの治安維持のためにもこの現金は銀行に返すことにした。ゴータシュの評判が地に落ちるのはむしろ望むところだが、さすがに銀行に預けた現金がすべて消えたということになると、暴動など収拾のつかない事態になりかねない。それはわたしの望むところではない。
というわけでラカスに現金を返すと、「つまらない奴」と理不尽なことを言われつつも、大変感謝された。
が、そこでお礼に渡された「金より価値のあるもの」は鍵だった。嫌な予感がしつつその鍵で開けられる扉を探すと、それは最初に手がかりを調べるにあたってさっさと開けた金庫のひとつだった。もはや何が入っていたかも覚えていない。何かいい装備だったような気はするが。
「銀行強盗が盗んだ金を返したお礼は、銀行強盗事件を解決した我々がとっくに盗んでいた」とかいうカオスなオチである。