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長いクリスマスイブが終わり年が明けた「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」プレイ日記8

わあい禍々しい主人公
さゆ禍々しい主人公大好き

怒涛の年末戦線を勝ち進み、こうして世界は救われたのだった……というところまできた。おそらくこれが無印版のラスボス戦だったと思われるものも倒した。みんなが「これが最後の戦いだ!」と言うので、本当にこれで終わりなのかと思ったが、どうやらここからもう一地獄(ひとじごく)あるようだ。ここからがロイヤル版の追加部分になるのかな。

問題は、年越し以降スクショが撮れなくなったことである。公式によるネタバレ防止策ということだろうか。それに従うのは当然として、しかしわたしはいつも感想を書くにあたって、撮りためたスクショを眺めながら「こんなセリフあったな~」「このときこのキャラこんな顔してたんだ」「実はこの時点でこのシーンにこんなヒントがあったのか」と思い出して楽しんでいるわけだが、それができなくなるのはちょっと痛い。詳細が思い出せなくなるので、ふんわり感想になるしかない。

そういうわけで今日は、クリスマスまでのおそらく無印にもあった部分までの感想と、警告を挟んだのちにロイヤル追加分と思われる部分(さっき無印プレイ済みの友に無印エンディングについて聞いた)の感想という筋立てでいこう。

では以下、ネタバレ感想!

初回記事はこちらから。

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顔がいい

 

大衆の愚かな認知で世界がヤバい

前回記事で「大衆の愚かな認知で世界がヤバいみたいな話になるのかな」と書いた直後、大衆の愚かな認知で世界がヤバい話になった。2回目のプレイ日記ですでに「進めれば進めるほど人間が嫌になるゲーム」と書いたものだが、マジで進めるほど人間が嫌になる話である。

「嫌になる」というのは正確ではないかもしれない。もともと感じていた人間の嫌な部分を丁寧に整えてお出しされるので「そういうところが嫌なんだった」と改めて感じさせられるというか。

自分がもともとそういう人間だからまあ、あの聖杯の言うことはおおむねそのとおりだと思っている。

ただ一部現実に即していないと感じるのは、「思考を放棄し」という部分。この言い方だと「思考する能力はあるがそれを自ら手放している」という怠惰な態度を責めているように読める。

でもそれって必ずしも「怠惰」とは言えないのでは、とわたしは思っている。むしろわたしの目には、自我を持ち自らの意思というものを確立する能力、それ自体がそこそこの特殊能力に見える。思考しないということは悪意もないし怠惰でもない、ただ出来る・出来ないの問題じゃないのかな。

自己とは何か。自分をかたちづくるものは何か。自分は何を望むのか。自己と世界はどう接しているか。自己と他者の境界を分けるものは何か。自分はなぜ今ここにいて、これからどこに行こうとしているのか。

それが「思考」の出発点たる「自我」なわけだけど、それを問い続けながら生きている人ってどれくらいいるんだろう。別にそれが出来ないからといって怠惰だとは思わない。誰にでも出来ることと出来ないことがある。わたしはアクションゲーム、スニーキングミッション、ホラーを楽しむ才能が致命的に欠けている。

別に自我なんてなくても生きていけるんだよね。しかも幸せに生きていけたりするんだよね。自我の芽生えは、(他者とは異なる)自分の苦悩を抱え込むこととイコールだ。自己と他者の境界なんて気づかなければ、ずっと「みんな」と一緒でいられる。

 

でもわたしにとって、自己とは何か、自分をかたちづくるものは何か、自分は何を望むのか、自己と世界はどう接しているか、自己と他者の境界を分けるものは何か、自分はなぜ今ここにいて、明日のわたしはどこへ行こうとしているのか、それを知り、考え続けることは、わたしが生きていくために、明日も息をするためにどうしても必要なことだ。

だからわざわざ(ゲーム時間を削って)こんなブログを書き、「わたしがわたしだからこそ考えられること」を残している。

(ちなみにわざわざ「他者の感想」を読みたがって、自分の意思で検索してこのブログを訪れる読者さんには、何らかの自我が備わっているのだろうと思っている。自己をある程度対象化する力がなければ、生活必需品でもない娯楽作品に触れたときに他者の視点を意識し、他者の思考を理解しようという欲求は生まれないはずなので)

 

P5無印が出てから現在までの間に、人間はさらに「選ばなくてよい」環境を整えつつある。見るもの、触れるものはより「あなた好み」になった。SNSにも動画サイトにも通販サイトにも「あなたへのおすすめ」が溢れる。もちろん検索結果にも「あなたの好み」は反映されている。

今後、AI技術が進歩すればさらに「選ばなくてよい」「考えなくてよい」社会が訪れるだろう。人類は間違いなくそっちの方向へ進んでいる。選ぶことも考えることもしたくない人が多いというのが、資本主義の結論だ。「選びたくない」「考えたくない」、あるいは「選べない」「考えられない」人向けのビジネスがどんどん誕生し、成功しているのを見てつくづくそう思う。

技術がどんどん進歩した結果、人から選択肢が奪われるなんて、皮肉のきいたSF作品みたいだ。でも現実が既にそうなっている。

 

……みたいなことを考えながらメメントス最深部を攻略し、ラストダンジョンを攻略し、聖杯と戦った。長いクリスマスイブであった。

鞘くんたちは一連の事件の中で自我を育ててきたんだな。というかペルソナ能力に目覚めることが、すなわち自己の対象化であり、自我の目覚めだもんな。

自己とは何か。自分をかたちづくるものは何か。自分は何を望むのか。自己と世界はどう接しているか。自己と他者の境界を分けるものは何か。自分はなぜ今ここにいて、これからどこに行こうとしているのか。

まさに怪盗団のそれぞれが、それぞれの事件の中で向き合ってきた問いだ。特に「自己と世界はどう接しているか」について、彼らは痛いほど問い、問い続け、それぞれに答えを出したに違いない。

大衆は怪盗団や明智くんを娯楽として消費し、マスコミの、というか獅童の用意した筋書きに従って評価を左右させた。怪盗団はそんな大衆の評価に翻弄され、自分たちを見失いかけた。その経験は、彼らの自我を育てるのに一役買ったに違いない。

そういう経験をした彼らが、メメントス最深部の様子を見て「ですよねー」という感想を抱かなかったのは、やっぱり彼らに反逆の精神があるからなんだろうな。

 

 

聖杯&ヤルダバオト

大衆の認知を力にする展開は熱い演出ではあったけど、正直これは善意の解釈がすぎる気はする。たぶんみんな「町の様子がなんだかヤバくて人が消えたりしてて自分も危ないかもしれないから、自分以外の誰かに何とかしてほしい」程度の気持ちしかないよ。苦痛を伴う悩みや選択とかしてないよ。

まあ、その程度の認知の変化でも、「現状の否定」には十分だったということかな。

SPがギリギリすぎる

鞘くんの最後の大技はかっこよかったなー!

サタナエル召喚! 神に対抗するならこっちは悪魔だよね! アルカナも悪魔なんだろうか? 悪魔アルカナの大宅さんが実はキーキャラだった???

偉大な堕天使が身に集めた七大罪を精錬して造った神をも穿つ反逆の銃弾」とかいうクソかっこいい説明文よ。

そうかー、やっぱりこれまでのパレスは七つの大罪がモチーフだったんだな。鞘くんのここまでの冒険はアルカナをめぐる旅だっただけではなく、七つの大罪をめぐって人の欲望を知る旅でもあったわけだ。突出した欲望は、「みんな」から弾かれる「神への反逆」でもあったんだもんな。

 

 

イゴールこの野郎

お前!!!! 聖杯から「イゴール」の声がしたときに「うぉい!!!」って叫んだわ!! 

前回イゴールが不穏なことを言いだしたのが気になっていたけど、不穏どころじゃなかったわ!!! おめーが元凶かよ!!!! 声優さん交代の事情を逆手にとりやがって!!!! うまいことやったなオイ!!!!(賞賛)

じゃああれか? やっぱり明智くんもここに来てたのか? ジュスティーヌたちも教えてくれよ!!!

明智くんと鞘くんは最初から対になる存在として神に選ばれてたわけか。明智くんが圧倒的に有利なゲームだったわけか。明智くん、どこまで知ってたんだろ。いやたぶん、明智くんの方がペルソナ能力に目覚めるのがちょっと早かっただけで、聖杯については知らずにあくまで「明智くんの意思」で廃人化事件を起こしてたんだろうな。

でも明智くんは、ペルソナ能力に目覚めたら獅童に近づいて大衆の歪みを煽るのに貢献するような人だと聖杯から思われてたってことだよな。まあ「大衆の望み」から生まれたのが聖杯だから、各個人が何を望んでいるのかも知ってるってことか。明智くんが何よりも復讐を望んでいることもわかってたんだな。

 

しかし、最後はちょっと小物感が出てしまったな。そもそも大衆の怠惰から生まれた神なんだからそんなに強いわけあるかとも思ったけど。

 

この瞬間はちょっと泣いた。

声優さんってすごいね。たった一言で、懐かしく頼もしい人が「帰ってきた」って気持ちになる。声優さんが亡くなったと知っているから、余計に。「死後にも残る仕事」の最高のあり方じゃないかな。

 

 

真ちゃんとのデート

ラスボスを倒してなんとか生還し、諸々のシーンを経て解散したのちに、唐突に真ちゃんから連絡が入った。

ふおお

ついさっきまで死闘を繰り広げていたというのに、きみたち元気だな!! なんなんだ、体力が無数(メキメキ)なのか!? 十代の体力ってだけで説明できることか!?

しかし12/24(土)の渋谷の町で、予約なしに店を探すなど無謀というほかない。今時の東京の繁華街なんて、普通の週末にちょっとお茶するだけでも行列必至だろうが。

しかし偶然にもケーキ屋(あれはコンビニか?)でキャンセルされたクリスマスケーキを手に入れることができ、鞘くんの部屋でふたりで食べることになった。

真ちゃんは腕時計をプレゼントしてくれたが、そういえば鞘くんから真ちゃんには何もプレゼントしたことがない(ほかの人には何回か渡しているのだが)。もらうだけなんて、申し訳ないな。

真ちゃん、いつの間にプレゼントなんて用意してくれてたんだろ。獅童パレスの攻略に余裕があったから、選挙までの間に買いに行ったりしたのかな。

あらあら

まあまあ

これは……惣治郎さんは早々に店じまいして、冴さんはイブの夜も仕事ってことかな????(まあこの直前に実際に仕事してたし)電車が止まってるなら仕方ないな!!!

 

そして、スクショのアルバムはここで終了している。

ここから先はおそらくロイヤル要素である。

以下はロイヤルのネタバレになるので、未プレイの方はここで引き返してください!!!

 

 

これはワンクッションのための祐介くん。

きみとは本当に気が合うな。わたしもブログがいろんな人に読まれたり、コメントをもらったりするのはとても嬉しいが、それが「目的」にならないようにとはいつも思っている。わたしが文章を書くのは何よりもまず「わたしのため」だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突な明智吾郎でお茶噴いた(5・7・5)

いやもうほんと、よく生きてたな明智くん!!

友に聞いたところ、無印では本当に獅童パレスで別れたきり出番がなかったそうじゃないか! つまりあのパレスの中で本当にお亡くなりになってたってことか!

でも無印では最後にコープランクが10になる演出もなかったみたい? コープランク10になった直後に永遠のお別れじゃあんまりだもんな。

でもこの明智くんも鞘くんの認知や希望が生んだものだったりしない? 鞘くんが「もう一度会いたい」と望んだから再登場したとかじゃない? 本当に生きてる?? どうやって生き延びたか聞いたらはぐらかされたんだけど大丈夫???(疑心暗鬼)

冴さんから「獅童を有罪にするには鞘くんの証言が必要だが、鞘くんが出頭したら確実に逮捕される」とかいうクソみたいなお願いをされて、えっここ選択肢とか出るの? と戸惑っていたら、明智くんから声をかけてくれたんだよね。

明智くん、このときまで何してたんだろ。

渋谷にいて、町がおかしくなっていくのを黙って見てたのかな。明智くんも消えかかってたりしたのかな。それとも「大衆の歪みを煽る」という明智くんの役割が達成されそうな状況だったから、むしろ強化されてたりしたのかな。鞘くんたちが戦ってるのが渋谷で中継されてたけど(あれ誰がどうやって中継してたんだろ)、あれを見てたならどう思ってたんだろ。

やっぱり鞘くんの願いから生まれた明智くんなのでは……(疑いの眼差し)。

いや、この後の展開がそんな感じだったから!

若葉さんは生きてるし、モルガナはイケメンになってるし、明治神宮はガラガラだし!

あれってそれぞれの「願い」が現実化するみたいなことになってるわけでしょ? それで死者まで復活するのはやりすぎじゃねーかという気もするが。

どのへんまでさかのぼって復活できるんだろ。たとえば30年前に亡くなった同世代の恋人が復活したとして、復活を願った人と30歳差になってるはずだけど、そのへんの認知はどういうふうになってるんだろ。あんまり厳密なことは考えない方がいい?

ちなみに鞘くん!! クリスマスに真ちゃんとあんなデートをしておきながら、かすみちゃんとふたりきりで初詣とかしてていいのか? しかも真ちゃんと鉢合わせちゃったけど大丈夫なのか? 仲をあやしまれても仕方ない気がするぞ!

 

とにかく明智くんとかすみちゃんと三人で、現実に出現したパレスに行くことになった。これって誰のパレスだろ? かすみちゃんのパレスかと思っていたけど、そうではなかったってこと?(「ペルソナ使いにパレスはない」とのことだったけど、双葉ちゃんのように自分のパレスの中でペルソナ能力に目覚めるケースもあったから何とも言えないと思っていた)

そしてここから先、怪盗団の仲間たちとはパレス攻略できないの? それはそれで寂しい。というか仲間たちの認知がヤバいのか何なのか、とにかく仲間たちに異常事態が発生しているのが心配だ。

パレスの入口のところで「アカン!!!」と叫んでゲーム終了し、ひととおり寝込んだ末にこれを書いているわけだが、進むのが怖い。これ絶対、丸喜先生絡みの事件でしょ。なんか鞘くんが夢の中で保健室にいたし。

丸喜先生って集合的無意識から人々の苦痛の根源を取り除く、みたいな研究をしてたよね。聖杯の存在もある意味でその研究の答えになり得たと思うけど、それとはまた違う答えにたどり着いたってこと? 死者の復活まで成し遂げるとか、神話級の能力を手に入れちゃったってこと?

今過去のスクショを見直していたのだが、あの競技場のパレスってかすみちゃんが特待を取り消されるかもしれないという話の直後に出現したんだったよね。その上でかすみちゃんが入り込んでペルソナが目覚めたものだからかすみちゃんのパレスかと思っていたのだが、あの話の場に丸喜先生もいたんだよ。「こんなやり方は逆効果だ」ってめっちゃ主張してたんだよ。

わたしのスクショアルバムだとこの直後がイセカイナビのスクショだった

かすみちゃんそんなこと考えてるの? という違和感で撮ったスクショだった

そしてこの「心が壊れてしまう前に検査を」という垂れ幕。競技場というよりは病院みたいな内装。

これ、かすみちゃんと見せかけて本当は丸喜先生のパレスなのでは??

ギエーー進みたくない……。「丸喜先生のペルソナが見たい」と過去記事で書いた覚えはあるけど、丸喜先生のパレスが見たいとは言ってない。

わからん……実は大衆のパレスの別形態という可能性もありえると思ってたけど、この垂れ幕を見てそれはないと思ってしまった。過去の自分、いいところでスクショ撮ってたな。

 

そんな感じでこの先を進めるのが恐ろしいわけだが、明智くんのことも気になるし、進めてこよう……。

 

 

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