現在、最初の期限ありダンジョンをクリアして、ボス戦を終わらせてきたところ。
ゲームとしてはかなりペルソナシリーズに近いつくりだということがわかってきた。舞台が現代日本ではないのでもちろんだいぶ印象が違うけど。
ペルソナをやりながらも思っていたのだけど、この日数制限のあるカレンダーシステムって、ゲームを面白くする方向にも働くのだけど、どうしても効率プレイが「正解」になってしまうわずらわしさがある。ダンジョン攻略はできるだけ一日で終わらせたいし、人との交流もステータス上げも効率を考えて動く必要がある。そこに戦略性が生まれて面白くもあるのだが。
ストーリーは今のところ、わたし好みのファンタジー政争な感じで楽しい。これからどうなっていくのか期待感がすごい。
そんな感じで、以下は序盤のネタバレ感想!
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絶対に成功しない暗殺計画
前回プレイではアカデメイアを訪れて、仲間たちもアーキタイプの履修ができるようになったところまで進んだ。
が、アカデメイアでももとの場所に戻っても、グライアスが一向に「支援者」一覧に現れない。グライアス由来のアーキタイプもない。もはや死亡フラグどころか確定演出である。
その上、グライアスがひとりでルイの暗殺を実行するとか言いだした。王子様を助けるためには、呪いの術者=ルイを討つしかないかららしいが、いくらなんでも無謀である。ここで暗殺に成功したらゲームが終わってしまうじゃないの。まだ10時間もプレイしてないんだぞ。
その上モアも「ルイとはいずれ戦うことになるだろう」とか、グライアスの作戦は失敗前提で話している。誰かひとりくらい成功の可能性を提示できる人はおらんのか!
まあそんな人がいるはずもなく、グライアスは順当に暗殺に失敗して死んだ。
よりによって王の魔法によって暗殺が阻まれるのは皮肉な形である。「民の意思を力で摘みとることは許さぬ」なんだな。フェアといえばフェアなのだが、それでいいのか。王子様を治せる見込みがだいぶ遠のいたぞ。
ファンタジー直接民主主義
事前情報をほとんど入れずに(買うと決めたゲームはトレイラーも見ない主義)スタートしたので、この展開はすごくびっくりした。
「民主主義」どころか「人権」「三権分立」などの概念すらない世界において、いきなり直接民主主義を強制行使とは! いや直接民主主義といえば古代ギリシャだよな。でも古代ギリシャでも奴隷や女性は選挙権がなかったから平等選挙とは程遠かった。しかも投票システムがオストラコンどころか本音を偽れない魔法とは。
いちばんの疑問は、国王はいったいどこからそんな着想を得たんだろうということ。平等選挙での民主主義なんて、そんなことがあり得るという発想自体、人類が獲得したのはごく最近、せいぜい200年前じゃないのか。それもルソーの社会契約論とか、モンテスキューの三権分立とか、フランス革命での人権宣言とか、アメリカ独立宣言とか、そういう諸々の段階を経て次第に発想されるようになってきたものだ。
社会契約論も人権意識も、その可能性すら示されていない段階の文明が簡単に発想できるとは思えない。王もモアの著作を読んでいて、「異世界」の政治のあり方を参考にしていたとかかなあ。
で、あのクソ映画ポスターみたいな茶色いブロッコリーの中に、いずれアンジェロくんが登場するってことね? 選挙権も被選挙権も平等なのだから、民が本音でアンジェロくんを支持すればそれがあのブロッコリーに反映されるってことね?
ファンタジー選挙によるゲームオブスローンズってことか。面白そう!
「王の魔法」というのはてっきり核抑止的なものだと思っていたのだが、めちゃくちゃ複雑なことをやってくるじゃないの。この直接選挙魔法が代々継承されていたというわけではなくて、あのゆとり王(名前が覚えられない)がこの魔法を編んだってことでいいのかな?
何が狙いだったんだろうなあ。ルイがクーデターを企てていた可能性はある程度予想していただろう。そうなったら問答無用でルイが国王になるか、もしくは泥沼の内戦状態になるかのどっちかだ。王としては、そのどちらも避けたくてこんなことを始めたとかかなあ。今のところとりあえず「時間稼ぎ」はできましたね、というのがわたしの評価なのだが。
でも時間稼ぎって、その後になんとかなる見込みがなければやらないよね。でないとただの先延ばしになるだけだし。それこそ「英雄」が現れるという見込みでもあったのかなあ。
モアの著作が本当に「異世界」なのかどうかもまだわからない。たとえばモアの能力が「未来視」で、それを本人も忘れているとかだったら、あの幻想小説は「予言書」ってことになる。王がそれを参考にしてこんな魔法を編んだというなら一応の納得はできる。まあまだヒントが少なすぎるし、保留にして先に進むべきだな。
グラントラドビッグサイト攻略
さてなんだかよくわからないまま、ルイの部下があの東京ビッグサイトもどきの聖堂に立てこもってしまったので、ここを攻略することになった。あの巨大なアイコンはラストダンジョンかもしれないと思っていたのだが、最初に攻略することになるとはね。
しかし1つ目のダンジョンから結構長かった。SPのやりくりが大変だ。
セーフルームやねこちゃんセーブがちょくちょくあったのはありがたかった。
でもあの感じだと、ひょっとしてひとつのダンジョンをアーキタイプを何度も切り替えながら攻略していくことが想定されてるのかな。途中、マジシャンやモンクがいたらよかったなと思うことがあった。
セーフルームから出て進んだところで少し戦ってみて、前マップから敵の弱点傾向が変わっているようなら引き返して着替えてきた方がいいのかもしれない。
ゾルバはルイにずいぶん心酔しているらしい。話を聞くとそうなるのも無理はない気もする。身分制度に不満を持つ被差別民にとっては、鎖の破壊者は無条件で敬愛の対象となりうる。
ただ、アンジェロくん視点で起こったことだけを見ていると、ルイもほかの人と同じようにゾルバを使い捨てにしていると思うけど。ゾルバが重用されたのは、最初から「死体がたくさんある場所で役に立ちそう」と見込まれていたからでしょ? 「王の魔法」によって状況が当初想定していたものとは大きく変わったはずなのに、調査もしないまま予定通りミッションに派遣されたんだよね? ろくなサポートもつけずに。だいぶ使い捨てじゃないかな。
まあ、そうだとしてもほかの人に比べればずっと人間扱いしてくれてた、ってことなんだろうな。
しかし目立たない工兵が出世してずいぶんファッション的にはっちゃけちゃった感じだったので、ヒュルケンベルクに対しては微妙に気まずかったのではないか。
結局ゾルバが起こそうとしていた「災厄」というのは、生物の一斉恐化によって人を襲わせることだったのかな? ついでにニンゲンの死体も操って人を襲わせればさらに怖がってもらえるということかな。
「この国に、本物の恐怖を教え込んでやる」と言っていたけど、つまり、めっちゃ怖い! →ルイ様助けて! →もうルイ様が国王になるしかない! という流れを期待しているわけだよね。対話や実力でルイが国王になれる見込みはないと最初から思われているわけか。まあ惺教がかなり権力を持っているようだし、正攻法で権力を握るのは難しかったのかな。
「マグラは負の感情が生み出す」という説も気になる。「魔法とは何なのか」というのもメインストーリーに絡んでくるのかも。アンジェロくんたちは不安と向き合うことでアーキタイプを目覚めさせていたから、必ずしも負の感情だけが魔法の源というわけでもない気がするが。
しかしニンゲンの催させる嫌悪感はやべーな。ニンゲンだけ色塗りの質感が違うせいで、余計に異物感がある。
こいつの殻の中は空洞で、中が食堂になってて兵がわらわらいたんだけど、いったいどういうことなんだよ。何のメタファーなんだよ。
普通に考えれば卵は生命や多産の象徴だし、キリスト教だと復活のイメージと結びついてイースターに使われたりする。このニンゲンが死から復活して暴れだしたことと関連づけられたデザインなのかもしれない。
あとボス戦のギミックを見ていると「殻によって守られているもの」のメタファーもあるのかも。でも中に守られてるのが食堂だからな。わがんね。
ボス戦前に全快してくれていたおかげで、そこまで苦戦せずにニンゲンを倒すことはできた。アンジェロくんたちが来る前にもうだいぶ犠牲者が出ていたみたいだが。
周囲に目撃者のいるところでニンゲンを倒したおかげで、だいぶ感謝されている。もしかしてこれでアンジェロくんを支持する人が増えるのか? と思ったけど、そう簡単ではないらしい。今のところ支持率が上がった表示があったのは、屋台で大食いしたときだけである。玉座への道は遠い。
しかしここまでの描写を見ていると「王の魔法」はある程度支持を集めた人が暴力的に排除されることは許さないが、選挙権を持つ人が暴力的に排除されることは問題視していない。
つまりあれか? 自分を支持しない人を全員殺せば確実に当選できるのでは? システムの穴が結構でかいのでは? そしてルイはそのシステムの穴に気づいたら、積極的にその穴をついてきそうなんだが? 大丈夫か?
惺教とは何なのか
惺教についてはまだよくわかっていない。王権神授説にもとづいて、王家にもマウントをとっていたことはなんとなくわかった。
いったい何を信仰する宗教なのかがわからない。一神教なのか多神教なのかもわからない。ビッグサイトの中にも外にも、神を表す、あるいは信仰のよりどころとなるようなシンボルはなかったように見えた。偶像崇拝禁止の宗教なのかもしれない。
こんな感じで目を覆うポーズが信仰の表明になるということだけわかっている。キリスト教でいうところの十字を切るポーズみたいな。
けどそれって「世界を自分の目で見ようとするな」というメッセージが教義に含まれてるってことだよね。そりゃ民には無知でいてもらった方が統治しやすいのだろうけど、そんな露骨な教義で大丈夫か? と心配になる。ご本尊は何なんだろうな。
現時点では惺教トップのフォーデンが支持率トップ。しかし惺教ではニンゲンの脅威に対抗するのは力不足っぽい。
ルイは有権者の危機感を煽って支持率を高めようとしているようだが、危機感を煽るためにかなり積極的に危機を作っている。有権者がそこのところをどこまで認識しているかはまだよくわからない。「お前マッチポンプやんけ!」と突っ込める人が出てきたら流れが変わるかもしれない。
ここにアンジェロくんがどう食い込んでくるかっていう話だな!
でもアンジェロくんが王になる場合、王子様はどうなっちゃうんだろ? アンジェロくんは別に王になりたいわけじゃなくて、王子様を助けたいんだよね。でも王子様に王になってもらいたいと思っているのかどうかはまだわからない。王子様が復活して人前に出てきたら、民からの支持は得られそうだけど。
いや待て、王子様を助けるためにはルイを殺さないといけなくて、ルイを殺せるようになるためには選挙を終わらせないといけないのよね? もしくは決闘で倒すか。
でも王子様が復活したときに王が死んでてアンジェロくんが王になってたら、ちょっと気持ちの整理が難しくない?? 友情クラッシュしない?
どうなんだろうなー、王子様を助けられるのかどうかも含めて、まだ何もわからない。
そして最初に貼ったようにアンジェロくんの王の資質はダメダメなので、どういう展開になるにせよこれから成長していく必要がある。今作では勉強やハンバーガーの早食い、銭湯などではなく、有権者との対話をメインにして成長していくようだ。
すでに何人か支援者らしきキャラとも出会っているので、新アーキタイプ獲得も期待している。
近々惺教からのお触れが出るらしいので、そっちも気になりつつ有権者との対話をしていくとしよう。