
いよいよ大ボスのところに殴りこむという話になった。
しかしまだACT 2である。この話が2章で終わるとは思えないんだよな。3章か4章くらいまではあるんじゃないのか。だってまだPS5で表示されてる進行度も50%をようやくすぎたところだよ? まだ全然中盤じゃん。ここからさらにもうひと悶着以上はありそう。
話はたしかに核心に近づいている感じはある。ただしまだ輪郭が見えない。だいぶもやがかかっている。obscur である。どこまで clair になる話なのかもわからない。
ただ、ここまでずっと漠然と感じていたことがある。
この世界がこんなにも美しく「描かれている」こと自体に、作り手の技術やハードの性能以上の何らかの意味があるような。
あのずっと見ていたくなる光と影、というよりは clair と obscur、すなわち明瞭さと不明瞭さの対比そのものがこの世界を構成しているというか、この世界のあり方を決定づけているというか。
世界を執拗に美しく「描く」ことに、そしてその世界をわたしたちが歩いていくということそのものに、世界観的な意味がありそうな気がする。
ゲームってここまできたんだな。こんなことが可能になったんだ。
この先どんな展開が待っているかわからないけど、「私たちは進む」しかない。
そういうわけで以下、アクソン戦までのネタバレ感想。
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前回までのあらすじ
旧ルミエールでペイントレスの心臓を奪う作戦は失敗したため、アクソンを倒してペイントレスの結界を破壊する作戦に移行した。
海洋探検
旧ルミエール攻略後、エスキエがサンゴ礁を破壊できるようになった。本当にそんなことをしていいのか毎回不安になるのだが、どうやら一晩寝ると復活するサンゴであるとわかり、安心して環境破壊に勤しんでいる。
せっかくなのであちこち探索してみたのだが、まだ上陸できない島があったりする。これ、エスキエは最終的に飛行&潜水できるようになるよね? それでやっとマップのすべてに行けるようになるのでは。
それから、マップのいちばん北にペイントレスが描かれていることに気づいた。我々が目指すのはあそこか!

しかし当然まだ結界があるため、近づくことはできない。
地図をよく見ずにうっかり近づいたらイベントが始まってしまった。

へ~~~ルミエールのシールドにそっくりなんだ~~。ヴェルソとルノワールもルミエールのシールドを作るのを手伝ったって話だったよね~~。
ペイントレスのシールドも、彼らが手伝ったんだろうか? あるいは、彼女にやり方を教えたとか。だからこそ、ヴェルソはシールドを破る方法を知っている?
シールドについてはアクソンを倒すという正攻法で破るとして、ほかの島や大陸も見て回った。「危ない!」と表示されるアトリエもこわごわ覗いてみた。これはどうも隠しボスとの戦闘フロアっぽいな。

そのほかの「危ない!」エリアも覗いてみたが、どうもボス戦用のエリアっぽい。なるほどね。パリィが上手い人なら「危ない!」と表示される時点で入ってもどうにかなりそうだ。わたしは正々堂々の後回しである。
ヴィサージュ
寄り道中にぶっちぎって強い武器がいくつか手に入り、パーティ内に火力格差が生まれてしまった。しゃーない。ボス戦では最大火力が出せる編成でいこう。
アクソンが何なのかもよくわからないまま、まずはヴィサージュというところを訪れた。ヴィサージュの綴りが Visage で合っているなら、フランス語で「顔」の意味である。顔まみれのエリアだったもんな。

ここのエリアがもう、怖い怖い。壁が顔まみれだし、壁の顔の口の中に目があったりするし。ずっと流れている歌も、美しいのに不気味に聞こえる。
ここではまっすぐボス戦に向かうこともできるが、寄り道をするとボスを弱体化できるらしい。そういうの好き。やるやる。弱体化しようぜ。
というわけで、喜びと悲しみと怒りの顔を倒し、それからボス戦に向かった。
ここでの「顔」は、人間の顔面というよりは「仮面」の意味があったようだ。そしてその「仮面」こそが、「嘘で真実を守りし者」だったってことかな? 仮面とは、真実を覆い隠すためにかぶるもの?

この不明なジャーナルは誰が残したんだろう。ペイントレスのもとになった「彼女」? 自分自身の作品を批判的に鑑賞することの難しさを語ってる?
ここには「芸術は窓になり得る。鏡にもなり得る」と書かれている。窓とは内に外を取り込むものであり、同時に外から内を覗き込むものでもある。鏡とは自己を映すもの。内省の象徴。「作品は作者の鏡」とはよく言われる。
窓の方はあんまり聞かないかもしれない。作品を作るということ自体が、自己を外に開く行為だってことかな。その窓を通して外を見ることができるという意味も含めて。

ここで仮面の守護者がこんなことを言ったということは、この守護者とさっきのジャーナルの執筆者の間には精神的なリンクがあるとみてよさそう。
で、実際にはこのガイドさんみたいな顔して出てきた仮面の守護者こそがアクソン本体だった。騙しやがって! やはりここでの仮面というのは、「真実を覆い隠すための嘘」だったっぽい。
ジャーナルでは「自分と鑑賞者の間に常に仮面があると、真の芸術家にはなれないだろう」と書いておきながら、こんなにも大量の仮面を用意して、仮面の守護者まで用意して、「真実」を守ろうとしている。お前、真の芸術家になる気があるんか!(説教)
でもね、作品は作品でひとつの「仮面」なのではないかとも思う。自分を本当の意味で「そのまま」さらけ出すなんてほとんど不可能で、自己表現もまた、新しいペルソナを創り出すことにほかならないのではないか。
わたしだって今ここでこうして自分の考えたことを書きとめているけど、それは「わたしのすべて」ではありえない。わたしの中の物語を味わうことが好きなペルソナと、文章を書くことが好きなペルソナと、自己を外に開け放つことが好きなペルソナの重なった部分の(ベン図を描こう!)、そのまたごく一部だけがここに文となって現れる。
ここに書かれた文はたしかにわたしにとって「窓」であり「鏡」でもあるが、同時に「仮面」でもある。それが普通だと思うんだけど、しかし「真の芸術家」を目指すならそれではダメだと言いたいのかな。少なくともそれが、このジャーナルを残した人の芸術観なのだろう。
気になるのは、アリシアもまた仮面キャラだということだ。彼女はあの仮面で、何を隠しているのか。単に火傷の痕を隠す以上の意味があるのかと思わせる一件である。
で、どうしてこの仮面攻撃はシエルには効かなかったんだろうね?

彼女は仮面をかぶる必要はない、嘘で真実を守る必要がないからってこと?

直後のキャンプで、シエルはこんなふうに語っていた。彼女は死や抹消に対する、恐怖や抵抗が薄いということなのか。そういうものは過去に克服して、受け入れた状態で遠征隊に加わったということなのかも。
だからパーティのみんなに対して、何よりも自分自身に対して、仮面をかぶる必要がない。嘘をつく必要がない。そういうキャラクターなのかもね。

しかしこの展開には驚いた。いいのか本当に。こんな少人数のパーティ内で関係を持つのには不安があるぞ!! サークルクラッシャーになる可能性があるから!!! 本当に大丈夫?
このあとの親密度イベントで、シエルは夫と死別していたことが判明した。ふたりとも大人だし、互いにシングルなら、まあ大丈夫か……。頼むからサークルクラッシャーにはなるなよ。パーティ内でもめ事は勘弁だ。
ヴェルソとマエルとピアノ

そのヴェルソだが、崩壊前はピアノがご専門だったことが判明した。

これは2体目のアクソンを倒したあとのキャンプでの台詞。いや待て、両親はどちらも芸術家だった? ルノワールも?? いやルノワールという名前は当然、印象派の画家を連想させるものではあるが(でもルノワールって苗字だよね?)。でもこの作品中のルノワールは軍人っぽいイメージで、画家っぽくは……それはあの制服のせいか?
あと母親が未登場なんだよな。母親はどういうポジションだったんだろう。ここまで未登場ということは、作中には出てこない可能性もあるが。
ヴェルソの両親が芸術家だったなら、さっきの窓とか鏡とか書かれたジャーナルを残したのも両親のどちらかという可能性もあるな。でもあれを書いた芸術家がペイントレスにせよルノワールにせよ、永遠の命を手に入れたなら、こんな人外まみれの治安最悪大陸に引きこもるのではなくて、文明のあるところで作品を作り続けるのではないか。
社会と、すなわち鑑賞者との関わりが絶たれた時点で、芸術は芸術たり得ないというのがわたしの考えだ。しかし一方で、芸術はそれ単独で成立するものであり、鑑賞者の有無は関係ないという考えもある。後者の場合、引きこもって作品を作りまくるのもあり得るか。わからんな……そもそも現時点までの描写を見ただけだと、ルノワールが芸術家と言われてもぴんとこないし。

ヴェルソが空中からいきなりピアノを出したのには本当にびっくりした。何その能力。うらやましすぎる。ティンパニやハープもトラックをレンタルせずに運搬できるってことでしょ?? 今までに見たファンタジー描写の中でいちばんほしい能力かもしれない。彼らはいつも戦闘開始時に空中から武器を出していたし、この世界ではこれが普通なんだろうな。かさねがさねうらやましい。でも出すたびにチューニングがめちゃくちゃになりそう。
で、ヴェルソは「妹によく聞かせていた」曲をマエルに聞かせ、マエルはその曲を聞いて「懐かしい」と思うわけでしょ? あらゆる文脈からマエルとアリシアの関係性を示唆されているわけだが、まだそれが何なのかわからない。
生まれ変わりとか? あるいは、もしかしたらマエルもまた、ネヴロンのように「彼女」に描かれて生み出された存在だとか? ネヴロンがアリなら人間を描くのもアリなんじゃないのか。

このシーンがちょっと気になってる。ヴィサージュから接続した「屋敷」の一部屋。
ジェストラルとエスキエの人形に見えない? これってジェストラルやエスキエを知る人がそれを模して作った人形なのか。それとも彼らもまたネヴロンのように描かれて生まれたものだったり? いや待てよ、彼らは世界崩壊前からいたんだっけ。だったら今の無し。でもここにこんな人形がある理由は、何かしらありそうなんだけどな~。
この話、最終的にはマエルもしくはアリシア視点の章になりそうな気がしている。そうしないと終われないでしょ。でも視点交代はヴェルソ死亡とセットな気がして怖い。この戦いが終わったらルネと一緒に演奏する云々が死亡フラグになるのはやめてくれ。
キュレーターくんがマエルからしかアクソンの遺物を受け付けないのも気になる。それにキュレーターくんからルノワールが見えたわけでしょ? キュレーターくんもまた、顔のない存在だ。仮面のアリシアと同じく。
もし本当にキュレーターくんがルノワールと関係のある存在だとしたら、彼がペイントレスの結界を破るアイテムを作れるのもわかる。だってルノワールの作ったルミエールの結界と、ペイントレスの結界は似てるわけだから。
シレーヌ
もうここはサクサクいこうということで、キャンプ後はまっすぐシレーヌへ向かった。シレーヌはどういう意味だろうな。Sirène だったらサイレンのことだが、サイレン??? 警報機??? あ、もしかしてセイレーンか?? セイレーンは英語のサイレンの語源で、フランス語だとサイレンもセイレーンも Sirène と綴るようだ。
セイレーンなら納得だ。歌声で魅了して船を沈めるやつ! シレーヌもめっちゃ歌って魅了攻撃してきた。
わたしは抗・魅了のピクトスを拾っていたにもかかわらずそれに気づかず、ノーガードでシレーヌと戦って全員魅了されて全滅を3回くらい繰り返した。さすがにノーガード戦法は無理があると思い、状態異常解除スキルもしくは抵抗のバフを探してメニューを開いたところ、思いきり抗・魅了のピクトスが手つかずのまま発見された。慌てて装備して引き返し、ザコと4回戦って、全員に抗・魅了を装備させて出直しである。
パリィが壊滅的でもなんとかなる措置があって助かった。あれ全部を回避パリィしないと勝てないバランスだったら詰むところだった。

シレーヌは「驚異をもてあそぶ者」らしい。「嘘で真実を隠す者」よりもさらにわかりづらい。要は感情を操って魅了するということだとは思うが。

マエルはシレーヌの踊りに覚えがあるらしい。また思わせぶりなことを!
でも結局アクソンって何なんだろうな。ペイントレスの外部装置みたいなもの? ペイントレスから切り離した一部なのか、それとも防衛機構的なものなのか。「消えゆく男」によれば、アクソンもまた「あの子の一部」だそうだけど。
あるいはちょくちょく意味深に現れる「消えゆく男」本人がアクソンやこのフィールドを作っているという可能性もある? 「消えゆく男」は「彼女」に共感しているみたいだけど、まだ誰なのかわからない。あれもまたルノワールだったりして。


「消えゆく男」によれば、「あの子」の人生は突然断たれたらしい。さらに「あの子」は離れていったらしい。口ぶりからして「あの子」の保護者か、教育者か、あるいはパトロン? 「私が見なかったもの」って何よ~!
それにしてもここで「消えゆく男」が語ったことって、むしろ「仮面」っぽい話題なんだよな。
シレーヌの魅了攻撃は、戦闘中はピクトスで防げたものの、イベント上の演出では彼らに有効であった。ルネは両親を、シエルは父親を、マエルはギュスターヴを、モノコはノコを幻視する。ヴェルソの前には何も現れていなかったが、それは何を意味するのか。
ただ戦闘後のイベントでは、ヴェルソもしっかり魅了されていた。魅了を振り払えたのはルネ。シレーヌの手のひらに乗ってとどめをさす、あの演出はとてもかっこよかった。けどどうしてルネは自力で魅了解除できたんだろう。一度は両親を見ていたのに。というか、このマップに来たときは真っ先に魅了されていたようだったのに。
このイベントの後のキャンプでは、ルネは4歳の頃から書き続けていたジャーナルの話をする。「強迫的な研究者」である両親の話もしてくれた。この話が、彼女が魅了を振り払えた理由の示唆になってるのかな。「あの両親は幻だ」と思えるだけの何かがあったってことなのかも。
さて予定通りアクソンを二体倒し、キュレーターに結界を破る槍を作ってもらうことができた。ヴィサージュは仮面、シレーヌはタオル(?)を落としていったわけだが、その素材からどうやって槍を作ったのか。もはや普通のつっこみは意味をなすまい。キュレーターくんが不思議パワーでなんとかしてくれたんだ。
じゃあ嫌な予感しかしないけど、ペイントレスのところに行ってみる?
