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絶望 or 絶望「FF15」エピソード:アーデン

ラスボス戦にトンチキ帽子で来てしまった

先ほど映画「KINGSGLAIVE FF15」の感想をアップロードしたばかりだが、続けて「エピソード:アーデン」の感想を書くよ!

これはもう本当に期待通りのものが詰まっていた。アーデンさんのアクション、なんて気持ちいいんだ。チート強キャラを使っていけないことしてる感がすごい。アーデンさん視点でゲーム本編を全部振り返りたい。

アーデンさん側の事情は想像通りだった部分と想像と違った部分があって、ストーリー的にもやった甲斐があった。

先にプロローグを見ていたので、アーデンさんの過去については予備知識があった。これは先に見ておいてよかったやつ。

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では以下、「エピソード:アーデン」ネタバレ感想!

FF15の初回記事はこちらから。

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タイトル画面がもうたまらん

 

王の帰還

ゲーム本編から32年前、すでにアーデンさんはインソムニアを襲撃していた!

プレイ中、最初はわかってなかったのだけど、ここでのアーデンさんはずっとマルス・サピエンティアの外見で活動してたってことね。プレイヤーにだけアーデンさんの姿が見えている。「サピエンティア Sapientia」とは「ホモ・サピエンス」の「サピエンス」と同義で、「知恵」という意味。アーデンさんは名前を気に入って成り代わったんだろうか。

この時点でアーデンさんの顔と名前で堂々とインソムニアを襲撃していたら、イグニスやグラディオがアーデンさんの顔を知らないのはさすがにおかしくない? と思ったので。いや、でもそうでなくても普通に帝国宰相の顔と名前を知らないのは、「軍師」を名乗るイグニスとしてはアカンと思うが。

「マルス・サピエンティア」が王都まで乗ってきたタクシーが、本編中で何度も故障していた例の車と同型だったので「そんなリスキーな車をタクシーにするのはやめろ」と思ったりした。

「エピソード:アーデン」のタイトルの後にバーンと出てきたこちらの文言。実際、本編のストーリーも「エピソード:アーデン」のストーリーもその文言通りの内容だった。でもわざわざこんな文言を出すのって、大抵はその先のストーリーで「しかし」を語るときじゃない? これってやっぱり本来は「さらにもうひとつのストーリー」を語る前振りだったのでは。

 

 

幻が見せる真実

アーデンさんの過去でいちばん意外だったのは、2000年間復讐心を募らせてきたわけではなかった点。人をシガイ化させたのも、このときが初めてだったのね。

混乱もあったせいか、最初はルシスに復讐しようとか考えてなかったように見えた。

彼を復讐へと誘導したのは、まずはヴァーサタイル。帝国と自分の利益のため。

それから帝国に運ばれた後の彼がみていた夢。ソムヌスがエイラを手にかけたシーンを振り返っていた。さらにその夢の影響もあってか、ルシスの刺客がみんなソムヌスに見えたこと。そのソムヌスに「兄上は2000年間何をしてた?」「兄上がエイラを殺したようなものだ」と言われたこと。この時点で、イフリートに対して「ソムヌスを ヤツの国や民を焼き尽くす力を」と求めている。

これ、バハムートあたりがアーデンさんに干渉してない?? 夢とか幻覚とかを見るように認知機能をゆがめたりしなかった? それとも2000年の間に自然とゆがんでしまったのかな。あるいは他人の記憶を一気に取り込んだせいで認知機能がおかしくなっている可能性もある。

いやでも、多少の干渉はあった気がするなあ。だって2000年間、落雷やら嵐やらで人の上陸を阻んできた神影島だったのに、ヴァーサタイルが来たときはすんなり上陸できたんでしょ。このときだけラムウやリヴァイアサンがわざとスルーしていたのでは。「真の王」の誕生に合わせて、もうひとりの生贄を目覚めさせるために。

とどめはイフリートをシガイ化した際に取り込んだ、神々の記憶。アーデンさんは、本当は自分が王になるはずだったことを知った。

このやりとりとか、エイラを刺すシーンとか、バハムートの干渉だった気がするな~~~! 全部星の病を治すためだよね~~!

 

 

キリストのメタファー

本編においてノクトくんはキリストのメタファー(全人類の原罪を引き受けて命を捧げる)だったわけだけど、アーデンさんが完全にノクトくんに対置される存在だとわかった以上、アーデンさんもまたキリストのメタファーだと言える。

むしろアーデンさんの方がキリスト要素が強い。まず外見がそれっぽいし。

治癒の力を持っているとか、身内に裏切られて処刑されるとかもキリストの要素。

このシーンなんて背景が十字架なら思いきりキリストだし。「死からの復活」もキリスト要素だ。

「アダギウム」解放シーンを見ながらそんなことを考えていたものだから、このシーンで噴いた。

5つのパン」やないか!!!!!! ヴァーサタイルの前にはいろいろな料理が並んでいるのに、アーデンさんの前にはでかいパン5つって! えっ、本当に5つ? と思って何回も数えたが、アーデンさんがパンを1つ手に取ったこのシーンがいちばんわかりやすい。皿にまだ4つ残っているということは、アーデンさんの前には「5つのパン」があったわけだ。なおヴァーサタイルはステーキを食べていたから、「2匹の魚」はなかった。

(念のために書くと、「5つのパンと2匹の魚」は、四福音書全部に出てくるキリストのエピソード)

やっぱり作り手もキリスト的要素を意識していたのだろう。若干挑発的ではあるが。もっとしっかりやりこめば、ほかにもキリスト教的小ネタが発見できるかも。

 

 

キャラクターデザインと関係性

「エピソード:アーデン」の登場人物は、おそらく意図的に、これまでの登場人物に似せてデザインされている。

まずヴァーサタイルはプロンプトくんにそっくりだ! 生物学的には親子関係なのだから、そりゃそうか! 声優さんは違うみたいだけど、声の感じもちょっとプロンプトくんに寄せてる感じがした。

ヴァーサタイル……この頃既に倫理観がだいぶおかしいけど、それでも前途有望で興味の対象が広い研究者という感じだったのに。「エピソード:プロンプト」の彼はすっかりシガイ研究にとりつかれてしまっている。これはアーデンさんの誘導があったに違いない。アーデンさんとヴァーサタイルは互いに利用し合う関係なのだけど、最終的にはアーデンさんの方が一枚も二枚も上手である。「サピエンティア」だねえ。

それからソムヌスはノクトくんに似ている。エイラはルーナに似ている。エイラは、声の感じや話し方までルーナに寄せているようだった。

そうなると、本編の見方がまた変わってくるじゃないの。

アーデンさんにとってルーナは、エイラの面影を感じさせる人。そのルーナが、ソムヌスに似たノクトくんを大事に思っている。これはもう、ブチ切れ不可避ですわ。目の前でエイラとソムヌスのいちゃいちゃを見せつけられるようなもんでしょ。交換日記なんかしやがってふざけんな! にもなるわな。つくづく、よくノクトくんたちと一緒に泊まったよね。

エンディングのこのシーン、これがアーデンさんから見たゲーム本編だったってことでしょ……。

それでこうしちゃう。これが本編アーデンさんのやりたかったことだよね。ここでアーデンさんが持ってるナイフは、ルーナを刺したのと同じやつかな?

今までアーデンさんがルーナを刺したのは、ノクトくんの成長を促す「試練」の一環、あとは取るに足りない若い神凪に憐れむような言葉をかけられたからだと捉えていたが、それだけではなく「嫉妬」も含まれていたのでは。

なんかつらいな……。何もかもが上手にかみあって、アーデンさんを追い詰めている。しかもその「何もかもが上手にかみあった」のって、本当に偶然とは言い切れなくて、神々が干渉した可能性が常にある。

極端な話、我々が見ているソムヌスとエイラの顔は今のアーデンさんの「(神々からの干渉済みの)(または今までにアーデンさんが取り込んできた現代人の記憶から再構築した)記憶」でしかなくて、本当の顔とは限らないわけで。

 

 

復讐の炎

アーデンさんは32年前にインソムニアを本気で滅ぼそうとしているように見えた。この襲撃がうまくいかなかったのは、アーデンさんがバハムートの干渉で神影島に飛ばされてしまったからか。

帝国軍も出撃していたようだったけど、こっちは普通に魔法障壁に阻まれたということかな。それでヴァーサタイルは魔導兵やウェポンシリーズの開発に取り組むようになったという流れだろう。

ずっとレギスの顔は誰かに似ていると思っていたのだが、若き日の彼を見てやっと思い至った。ベネディクト・カンバーバッチか!

王都での戦闘も探索も楽しかったので、宝はほとんど拾ったし帽子も買ったしアビリティも全部解放した。見ろ、「王の剣」がゴミのようだ! ちゃんとアーデンさんの強キャラ感が表現されていて嬉しい。

このソムヌスに対しては、アーデンさんとシンクロして「はぁ?」って言っちゃった。ソムヌスは神々から星を守る運命とかを聞かされた上で、アーデンさんを斬る選択をしたのかもしれないけど、それ以前に野心や嫉妬があったわけでしょ。ここでの一方的な謝罪は、アーデンさんも言うとおりひとりよがりの自己満足だよ。

ただアニメの方の描写を見ると、アーデンさんが王になる選択をした時点で、すでに相当寄生虫に体を蝕まれているようだった。ひとり治療するだけできつそうだったし、ソムヌスと斬り結びながら咳きこんでいたし。となると、もしアーデンさんがあのまま王になっていたとして、為政者の仕事がどれだけできたのかには疑問がある。あの時点でもう不死だったのなら、王としての「持続可能性」だけはあっただろうけど。

ソムヌスがああいうキャラでなければ、もっと穏便にアーデンさんを説得して(それこそ「兄上は治療に専念して」的な)王位についてたんじゃないかなあという気もする。でも兄弟の分断だって神々の干渉があってのことかもしれないし。神々のこと、何も信用できない!

それにしても、バハムートのこの身も蓋もない宣告よ。アーデンさんのショックはいかばかりか。救世主のつもりで活動してたら魔王だったでござる

ともかくこれで、アーデンさんとノクトくんが正しく対になる存在だとはっきりした。生贄はふたり必要だった。光側と闇側に。

FF3では光の戦士たちの対になる存在として闇の戦士たちがいたものだ。FF3での闇の戦士たちはヴィランではなく、光の氾濫が起きた世界を救うために戦っていたはず。とにかく光も闇もどっちも必要だったのがFF3。

もしかすると、FF15世界もそれに近かったのか? 星を救うためには光と闇の両方が必要だった? 星を救うためには両方必要だったけど、一応世界設定的には寄生虫自体が闇属性っぽいから、平時には闇はない方という感じかな?

このバハムートのざっくりしたプロットよ。「お前にも一応メリットあるから」みたいな言い方! 同じ口でノクトくんにはルシス王家の使命を説いていたわけでしょ。こんなやり方が許されるのかよ。はーー腹立つ!

あとさらりと王家の血筋がすべて絶えると言われている。前にその件を心配したときは「王家なんだからいくらでも分家があるはず」と、ルシス王家断絶にはなるまいと結論づけたのに、滅びるんかい!!

これはもう共和制に移行するしかねーな。むしろこれだけ文明が発展した世界で、いまだに王政・帝政が残ってる方が不思議だよ。なんでスマホは発明されてるのに社会契約論とか三権分立とかが発明されてないんだよ。

 

 

どうしようもない二択

それでこの二択。「エピソード:イグニス」みたいに分岐があるのかと期待するじゃん。

とりあえず最初は「従う」を選んでみた。

アーデンさんは「それで王家の血筋が絶えるのなら従おう」と納得していた。このルートのアーデンさんが物申したい相手はバハムートではない。

「お前たち」=エイラとソムヌス。

たぶん生前のエイラとソムヌスは何も知らなかったんじゃないかな……。アーデンさんだってここで初めて聞かされたわけなので。「真の王」が何をするものなのかも、ここで初めて知ったようだし。

でもこのクリスタル内世界が「あの世」と繋がっている、というかイコールの存在だとすれば、ここにいるはずのエイラとソムヌスは知ってるはずなのよね。まあ同じ空間にいたとしても非常に離れていて聞こえていないとか、バハムートが彼らから遠いところでこの会話をしているとかの可能性もあるのだけど。

とにかく、エイラからもソムヌスからも答えはない。気づいたらアーデンさんは神影島にいた。クリスタル内世界からの出口はあの島につながっているみたい。

そして物語はFF15本編に接続する。ひどいエンディングだよ

エンディング後のロード画面。そうか、やっぱりアーデンさんには「眠り(=Somnus)」を求めてるところがあったんだな。「もう目覚めない」ことが彼の望みだったなら、それでよかったのかもしれない。一応王家への復讐はかなったわけだし。

このルートのアーデンさんは、「そうするしかないならもうそれでいいし、なるべくサクサク終わらせたいから積極的にルシスとノクトに干渉するわ」って感じかな。だから二度目の王都襲撃も敢行したし、一方でノクトくんたちの手助けもしたし、試練とか言って干渉もした。

 

一方、運命に抗う選択をしたアーデンさん。でもこの選択にほとんど意味がなかったことがわかる残酷さよ。結局同じルートをたどるしかないんかい!

タイトル直後のこのフレーズは、文字通り「選択肢に意味はありません」という意味だったの!? あんまりだ。

エイラの姿でアーデンさんを刺しまくるのもひどいし、エイラの姿でこんなことを言うのもひどい。エイラ本人とは口調が全然違うから、これはバハムートのお人形遊びでしょ。

ここまで言われて結局従うしかないの、アーデンさん的には本当にムカついていたはず。「真の王を目覚めさせた上で殺す」というのが、運命に従うことしかできないアーデンさんにできたせめてもの抵抗目標だったのかな。自分が「真の王」には勝てないと、ある程度わかってはいただろうというのがまたつらい。

アーデンさんの目的のうち「ルシス王家を断絶させる」「やすらかな眠りにつく」の2つは達成されたわけだけど、彼にとってそれがどこまで満足できる結果だったのかももうわからない。

というかこれ、半分バハムートの自白だと思うんだよなー。「人がそうと気づかぬだけ」で、「すべては導かれている」のなら、ここまでのアーデンさんの思考や選択もバハムートに導かれてきたんじゃないの。バハムートがあの幻を見せてたんじゃないの。さらにヴァーサタイルやイドラの選択も導かれてきたんじゃないの。

なんでこれだけいろいろできるのに、寄生虫駆除はできないんだよ~。ルシスも帝国も、なんでスマホがあるのに寄生虫駆除はできないんだよ~。やっぱりこの世界、みんながみんな「真の王」がなんとかしてくれるから! って、思考停止しすぎ。

だからほかのルートにいくためにはその思考停止をやめないといけなくて、思考停止をやめるにはイグニスが帝国でネタバレをくらうしかないんだよな。アーデンさんの選択は分岐を生むことができない。つらい。

すべてを絶望という闇で塗りつぶされてしまったのはアーデンさんの方でしょ。つらい。

クリア後はタイトル画面が更新されて、かつてのアーデンさんとエイラに。本編がノクトくんとルーナの眠る場面で終わったのと対になる形だ。

しかし、こんな絶望感で打ち切りに直面するプレイヤーはどうしたらいいの。そりゃもう小説を読むしかないでしょ。このあとどうなる予定だったんだよ。

アーデンさんの選択に意味はあったの? それとも本当にアーデンさんには何も変えることはできなかったの?

読む読む読むよ。

でも図書館で借りてきた本を来週中に返さないといけないからそっちが先ね。

たぶんこれでゲーム版のFF15感想シリーズはいったんおしまい。小説版を読んで何か書けそうなら、続きを書くよ!

ひとまず、ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございました!

実はFF15プレイ中にセールになってたゲームを買ったので、それをやるのも楽しみだったり(微妙な予告)。

 

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