4話、面白かったなー!!
派手な戦闘シーンもドラゴン登場もないのに、「ゲームオブスローンズ」らしさがつまっていた。
権力闘争、裏切り、密告、疑い、セックス。これだよこれ、という感じだ。
前回の記事で「こういうことの前兆かな?」と書いたことが今回すぐに実現したので、かなりサクサク進んでいる印象だし非常にわかりやすく作ってあるということもわかってきた。
そんなわけで今回も気づいたことをメモしておく。
以下、1-4ネタバレ全開。
ヴァリリアンナイフ
小指推しの当ブログ的には今回はやっぱりこの話題からでしょ。
いやいや出てきた瞬間に叫んだね。
「ゲームオブスローンズ」においてはリトルフィンガーとナイトキングを倒すために使われたナイフである。
このナイフは「ゲームオブスローンズ」中でたびたび持ち主を変えたが、以前の記事にそれがまとめてあったので引用する。
もともとジョフリーのものだった短剣をピーター・ベイリッシュが譲り受ける(賭けの賞品だったかな?)
→ピーター、暗殺者に短剣を渡してブランを襲わせる
→キャトリンが体を張って暗殺を止め、短剣を持ってキングスランディングへ
(ピーターとキャトリンの再会のきっかけに)→ピーター「この短剣はティリオン・ラニスターのものですね(大嘘)」
→ラニスター家がジョン・アリンを暗殺し、ブランの暗殺も企んでいると誤解したキャトリン(本当は主犯ピーター、実行犯ライサ)、北へ戻る(そして五王の戦いに至り、ロブもキャトリンも死ぬ)
→短剣はキングスランディングにいるネッド・スタークが預かる
→ピーターの裏切りでネッドは処刑
→短剣はピーターのもとに戻る
集結するヴァリリア鋼「ゲームオブスローンズ」S7E4まとめ - なぜ面白いのか
その後ナイフはウィンターフェルにてピーターからブランに渡され、ブランからアリアの手に渡ることになる。
あのナイフ、ヴァリリア鋼でできているということはターガリエンと関係があってもおかしくはなかったが、エイゴン征服王が所有していたもので、それ以前はエイナー(ターガリエンのご先祖?)が、さらにそれ以前は誰が所有していたかわからないという。
で、そのナイフにエイゴンによる歌(予言)が隠されていた、と。
「我が血筋から約束された王子が来たる 彼こそが氷と炎の歌」
これはもちろんジョン・スノウのことで、まあしかし彼が何をしたかっていうとターガリエンの女王を殺してその血筋を絶やすことになったわけだが、とはいえ「永い冬」という危機から人類を守るという意味では、死からの復活までとげてそれなりに大きな役割を果たした。ジョンがいなければ、S7の時点で人類が滅亡していたかもしれない。ナイトキングを直接倒したのは、ヴァリリアンナイフを持ったアリアだったけども。
で、ターガリエンにはその「約束された王子」が生まれるまで血を絶やしてはならないという「義務」があったというわけだ。いったい何を約束されたのか誰にもわかってないのだが、しかし人類滅亡クラスの危機を乗り越えるために必要な「王子」がターガリエンから生まれることになるので、そのためにこの血筋が必要だったんだな。
「たとえ国が滅び王朝がなくなろうとも、ターガリエンの血筋が残れば人類は守られる」というふうに伝えられてきたのだろう。少なくともヴィセーリスはそんな感じで親から教わり、そしてそのことを娘にも伝えている。「単に王家の存続のために子供を残せと言っているのではなく、人類全体のためにこの血筋が必要だ」というわけだ。
まあ実際に国は滅んで王朝もなくなるわけだが。
さらにいえば、父親がそんな大昔のあやしい予言にマジレスするのを見て若い娘がどんな印象を持つのかについても考慮すべきだったかもしれない。
ちなみにこの時代にウェスタロスにあるかもしれないその他のヴァリリア武器は、ロングクロウ(モーモント家)、ハーツベイン(ターリー家)、そしてアイス(スターク家)の3つかな。
レイニラとクリストン
前回の記事で、わたしはこんなことを書いていた。
レイニラとクリストンが小さな焚火を前にして、アリセントとヴィセーリスは大きな焚火を前にしていた。炎はターガリエンの象徴であり味方。今はアリセントとヴィセーリスの方が圧倒的に大きな炎のそばにいる。そして、このふたつの場面が対比的に作ってあるということは、レイニラとクリストンの関係も何か示唆されていると見るべきか。
もっと単純に処女喪失の暗示だったりするのかもしれない。
いや実際にはあの場では何もなかっただろうけども、男性と二人きりで一夜を過ごして血に濡れるというのは、ストレートに捉えればそういうことなのかも。
それが意味するところは、これから先のふたりの関係だろうか?
ブラッディプリンセス「ハウスオブザドラゴン」1-3感想 - なぜ面白いのか
速攻でフラグが回収されてしまった。
このふたりが結ばれる理由はよくわかる。
クリストンが王の楯という重要な役職につけたのは、ひとえにレイニラが自分を認めてくれたから。しかも家柄ではなく(基本的に家柄とコネがすべての社会で)、彼個人の経歴と言動を見て判断してくれたから。
自分のことを「お飾り」だと思っているレイニラに、クリストンは「自分はあなたのことを『お飾り』とはとても呼べない」と言ってくれた。
レイニラは「クリストンがクリストンだから」王の楯に任じ、クリストンは「レイニラがレイニラだから(その性格、感性、嗜好を含む「人格」があるから)」仕えている。
今のレイニラにとってこんな関係を築けるのは彼だけなのだろう。アリセントとの出会いがどうだったかはわからないが、おそらく彼女がレイニラと友人関係になったのもオットー・ハイタワーの差し金であって、最初はアリセント自身の意思ではなかったはず(その友情がかつては本物だったとしても、だ)。
王の楯を選べと言われたときも、彼女は最初は退屈そうだった。しかし彼女はクリストンを見出した。だが自分の結婚相手として集まった相手の中に「クリストン的」な人はいなかった。見出せる相手はいなかった。
きっと全員がレイニラを「お飾り」だと思っているし、レイニラがレイニラだからこそ価値があると思ってくれるような人はいなかった。今の彼女は、もうレイニラがレイニラだからこそ価値があると思ってくれる人を知っている。だからそれ以下の人なんて選べるわけがない。
デイモンの行動の意味
わたしはまだデイモンのことがよくわからない。
彼からレイニラに向ける感情は何なのだろう。かつては「ともに王位につくことができない相手」として同情や共感を抱いていたのだろうけど、今の彼女のことはどう思ってるんだろう。レイニラへの求婚はどれくらい本気だったのだろうか。
レイニラの方は、デイモンのことを憎からず思っているのはわかる。彼が帰還するとなれば、彼からもらったネックレスをつけて出迎えているし(クリストンと関係を持った後は別のネックレスをつけているのが面白い)。
なんといっても、彼らはふたりきりのときはヴァリリア語で会話する。これは相当重い。父親ともアリセントとも、ふたりだけの言葉なんてないのに。
ヴァリリア語は彼らにとってきっと、ターガリエンとしてのルーツや誇りの象徴なのだ。だがヴィセーリスはヴァリリア語を使わない。彼は今、ヴァリリアではなくウェスタロスの王だから。そのへんのちょっとした感性の違いの積み重ねが、彼らをヴィセーリスに反発させているのかもしれない。
「結婚して子供をもうけなければならない」という義務を負わされたレイニラにデイモンが教えたのは、「女性も快楽を求めてよい」「子供を産むという義務以外の目的でセックスしてもよい」という価値観である。おそらくこれはウェスタロスの貴族としてはなかなかに先進的な考えだろう。
この考えをインストールされたレイニラは、まっすぐ城に帰ってクリストンとセックスする。おいおい性急すぎないか、という気もするが、まあ若いしな。
自分主導で積極的に快楽を求めるレイニラと、義務感全開のセックスをするアリセントが実に対照的だ。
デナーリスが自分主導で積極的なセックスをするまでに結構な話数を要した(彼女はドスラク人侍女の手ほどきを受けた)ことを考えると、初手から積極的なレイニラと、彼女に手ほどきをしたデイモンは「ゲームオブスローンズ」より前の時代だが一歩先をいっている。
この結果、どこまでデイモンの予定通りだったのだろう。悪い遊びを教えるところまでは最初から考えていただろうけど、その結果レイニラが王の楯と関係を持つとは想像していなかったのでは。
4話の最後に王からレイニラに緊急避妊薬的な「お茶(ムーンティー)」が届けられた。レイニラはあれを飲むだろうか。ヴィセーリスとしては、娘を信じたい気持ちはもちろんあれど、信じた結果国が滅び血筋が途絶えることになっては元も子もないので、フェイルセイフを用意するしかない。それが王というものである。
しかしあの「お茶」、どうしてもライサのことを思い出してしまう。
15歳のピーター・ベイリッシュを逆レイプして妊娠した後、父親に飲まされたというお茶。彼女はそれで堕胎して、妊娠出産が難しい体になってしまった上、めちゃくちゃ年上のジョン・アリンと結婚させられることになった。
なお身分の低いピーターくんは「タリー家のプリンセスを傷物にした」かどで追放される。そうでなくてもブランドン・スタークとの決闘に敗れて瀕死だし、キャトリンにはひどい形でふられるし、踏んだり蹴ったりすぎる。タリー家とスターク家と身分制度への恨みが梯子になってもおかしくない。
とにかくそのライサという「前例(実際に起こったのは後だが)」があるので、あのお茶がレイニラにどういう影響を及ぼすのかについては心配だ。「そういう事件」があった後、父親が娘の結婚相手を強引に決めるところは、ホスター・タリーもヴィセーリスも同じだな。
「民は女性の王が統治することを望んでいない」ことを彼女に端的に突きつけるのは、ある程度最初から意図していたかもしれない。
しかし偶然とはいえ、エリザベス女王が崩御した直後にコレを放映することになったHBOよ。このタイミングで、我々現代人がウェスタロスの民を見て学ぶべきことは何だろうか。
ハイタワー失脚
「ゲームオブスローンズ」時代にハイタワーという家は(わたしの覚えている限りでは)主要キャラになっていなかったので、「ハウスオブザドラゴン」時代のどこかで失脚するのかなーと思っていたのだが、まさかヴィセーリスが生きている間にこうなるとはね。
ヴィセーリスがターガリエンらしからぬ割とまともな王になったのは、どうやらハイタワーさんの教育の賜物だったらしい。なるほどね。
で、ハイタワーさんはリトルフィンガーやヴァリスのように、キングスランディング内(あるいはウェスタロス全土?)にスパイを放っていて、今回のようにいろいろと「王家のための」情報を収集していた、と。
デイモンの妻になった娼婦はデイモンとの関係がこじれてハイタワーさん側についたのかと思ったが、もしかして1話の時点ですでにハイタワーさんのスパイだった可能性もある? 娼館での出来事が小評議会に筒抜けだったよね。
今回のレイニラの件を王に報告すべきかどうか、彼も迷っただろうな。
しかし目撃者がいる以上、いずれ王の耳に入るのは間違いないわけで、実質的には選択肢はなかった。
しかしな、まずお前が未婚のレディである娘を夜中に男性のところに送り込んでるわけだよ。そしてヴィセーリスも未婚のレディを未婚のレディと知りつつやることやってるわけだよ。何なんだよこのダブスタ野郎どもは。いやまあ相手が王かどうかは結構重要な部分だから彼らの中ではダブスタでもなんでもないのだろうけども。あとやっぱりこの時代においては「男に生まれたか女に生まれたか」が最重要なのだろうけども。
で、ハイタワーさんはすんなり退散するだろうか。アリセントがかばったりするだろうか。いやどうかな……。なんか父親が退散したらアリセントは今よりいきいきしそうだし。家のために王と結婚したわけだけど、その家が失脚したら王妃としては後ろ盾を失うことになるが、義務感からは解放されるわけで。
オットー本人も「じゃあさようなら」という感じの人とも思えず。いやそう思わせておいて、来週にはまた数カ月がすぎていて影も形もなくなってるかもしれない。
王の小指
今週の王の小指のコーナー。
今週は特に進展なし。相変わらず薬指までなくなっていて、中指が大きく悪化している様子は見られず。まだジェイミーにはなっていない。しかし王の背中はだいぶまずい感じになっていた。どうなるのかな~。
で、
さて前回の記事で、約束の象徴である小指が死にかけているということは、王が何かの約束を違える前兆かもしれないと書いた。
その「約束」とはもしかして、レイニラを王にするという宣言だろうか。「結婚相手は自分で選んでいい」という言葉だろうか。いずれにしてもおそらくレイニラへの「約束」が裏切られることになるのだろうなと思って見ている。
これが先週の記事。
いやさっそく「約束」がぶん投げられた。レイニラを王にするという宣言もナシにしていい発言。そして結婚相手もヴィセーリスが自分で強制的に決める。王の約束が軽すぎる。レイニラ側にも割と否があるとはいえ。
ともあれ、このサクサク感は悪くない。
待望のウェディング(棒)
待ってました、結婚イベント!!!
で、式では何人がお亡くなりになるんですかね???
えっと、ノルマは3人でしたっけ???(それはドスラク式結婚式)
以前の「王の結婚式」とかいう画面的に盛りあがりそうな場面がカットされたのは、誰も死ななくてシリーズのお約束を裏切ってしまうからだと思ってるよ!
いや、あまりにも視聴者に期待されすぎて逆に平和にみんなから祝福される結婚式になる可能性が……うーん、ないかな……。