7-5は嵐の前の爆弾投下回だった。S7はどいつもこいつも瞬間移動しまくり、情報量が多すぎて処理が追い付かない。
次回、あのマグニフィセントセブン(先日やっと見たばかり)が大暴れするのだろうか。ラスト2回が巨大打ち上げ花火になることに定評のあるゲームオブスローンズ、次回が楽しみやら不安やら。
以下はネタバレ感想。
見せたの? 見られたの?
先週はブランに一発食らわされたリトルフィンガー、今週はアリアと騙し騙される関係に! 謀略の場がキングスランディングからウィンターフェルへと移りつつある。
リトルフィンガーの私室という特大燃料投下に大興奮して重要なシーンを見落としそうになったが、あれはサンサがサーセイに強制されて書いたロブへの手紙のようだ。
あの手紙はリトルフィンガーがメイスター・ルーウィンの記録を調べてもらったもの。現職メイスターに「レディ・スタークがお喜びになります」と話していたが、何をどう言って調べさせたのか。「あんなものが見つかっては、北部諸侯のまとまりに支障をきたしかねませんから」的なことを言ったのだろうか。
で、それを部屋に隠したところでアリア登場。アリアはリトルフィンガーのことを疑っているようだが(命の恩人でもあるのにな……)、同時にサンサのやり方にも疑問を持っている。あの手紙はせっかく再会した姉妹を仲違いさせるフラグになるのか?
そもそもリトルフィンガーは何のためにあの手紙を取り寄せたのか。諸侯とスターク家との不和を誘うため? サンサとジョンを仲違いさせるため? それとも最初からサンサとアリアを仲違いさせるため、アリアに見せるために取り寄せた手紙だった?
ここは現時点でわたしは結論を出せないが、来週にでも答えがわかるかもしれない。とはいえ、単にアリアに「見られた」のか「見せた」のかで言えば、やはり「見せた」のではないかと思っている。
キングスランディングという魑魅魍魎の蠢く都で「情報」のみを使ってあそこまで上り詰めるには、他人からの視線にも敏感でなければならない。顔のない暗殺者のスキルを持つ者といえども、リトルフィンガーの察知スキルにはかなわないのか。
アリアとサンサ
顔のない暗殺者の修行をしたアリア、武芸に関しては卓越した腕前になったが、同時に行っていたはずの「誰でもない存在になる」がゆえに「誰にでもなれる」スキルはどの程度身についているのだろうか。S7冒頭ではウォルダー・フレイに変装して彼の言いそうなことをぺらぺらしゃべった。少なくともそこそこ身についているようである。
ではアリアは、サンサについてはどの程度理解しているのだろうか。サンサのたどってきた道について、アリアは知らない。無理に聞こうともしなかったし、ブランのようにすべてお見通しというわけにもいかない。たとえばサンサに変装するようなことになった場合(それはサンサが死んでいるときのみ成り立つ想像だが)、アリアはどの程度彼女を再現できるだろうか?
7-5までを見る限りでは、アリアはまだサンサがこれまでに身につけてきた能力、つまり政治力を正しく理解しているとは言いがたい。もともとアリアは政治力軽視、戦闘力重視の「北部の男」的価値観が誰よりも強かった。
それに加えて、アリアとサンサの間にはもともと微妙な確執があった。「両親の部屋」でそれを意識してしまったことで、アリアはいっそうそれを思い出してしまったに違いない。
アリアが完全に「no one」になれていたのなら、サンサのこともフラットに評価できたかもしれない。しかし彼女は「アリア・スターク」として修業を終えた。今も彼女は「アリア・スターク」としてウィンターフェルに立っている。だからこそサンサを公平に評価できない。もし修行をしたはずのアリアがあっさりリトルフィンガーに騙されるとしたら、おそらくそういうことだと思う。
さらに集結するヴァリリア鋼
集結するヴァリリア鋼「ゲームオブスローンズ」S7E4まとめ - なぜ面白いのか
先日↑のような記事を書いたが、今週はさらにもう一本、ヴァリリア武器が北部に集まるフラグが立った。タリー家のハーツベインである。
S6ではサムに対して散々な態度をとったサムの父と弟、「こいつらドラカリスされねーかな」とか思っていたらまさかの実現。
あのシーンは、王位簒奪クソ女王>>>>>>>>ウェスタロスの外から来たよそ者 というウェスタロス人の価値観を端的に示してくれており、いろいろと思うところもあるのだが、それはそれとしてこれでハーツベインがサムのものになるじゃん! とテンションが上がった。
そうなった直後にサムもシタデルを脱走するし。サムはまだ父と弟の死を知らない。メイスターズが教える前に出奔してしまったから。シタデルからカースルブラックに直行してしまう可能性もあるが、どこかで寄り道して世間の情報を得てほしい。
サムはあのヴァリリア鋼の武器がホワイトウォーカーに致命傷を与えられることを知っている。あの剣の相続権(というかタリー家の相続権)が自分にあるとわかったら、取りに行くと思われる。
これで北部に4本目のヴァリリア武器が集まることになる。しかし、ハーツベインは誰が装備することになるだろうか。サムが持ってて戦える? 確かに最初にホワイトウォーカーを倒したのはサムだったが……。
----(170817訂正)-----------
そういえばS6でサムがハーツベイン持ち逃げしてたじゃん!!!
ハーツベインがターリー家にあったことと、サムの父&弟はドラカリスされろと思ったところで記憶の更新が途絶えていたようだ。
ということはもう何の障壁もなくハーツベインは北部に来るわけで、よかったよかった。でもサムには一度実家に寄って、ターリー家を自分が継ぐことになったと知ってほしい。
----(訂正ここまで)---------
ヴァリリアの短剣がリトルフィンガー→ブラン→アリアと渡ったように、ハーツベインもサムより戦闘力の高そうな誰かに渡るとしたら、誰が装備するのか想像してみるのも楽しい。
あのマグニフィセントセブンの生き残り(もう来週何人か死ぬの前提)が本命だろうか。ハウンドさんとかどうですかね。あるいはモーモントつながりでジョラーさんにロングクロウを渡して、ジョンがハーツベインをもらうとか。いややっぱりジョンはもう長年ロングクロウを使って慣れているはずだから、簡単には渡さないか。
しかし短剣以外のヴァリリア武器はどれも凝った名前がついているのに、ハーツベインは絶対ぶっ殺しますよ的なネーミングで好感が持てる。
もしサーセイが本当に対ホワイトウォーカー同盟に同意するのなら、ウィドウズウェイル(オレナさんも言ってたけど、ホントあのC〇NTがつけた名前はクソ)も北部に来る可能性があるだろうか?
婚姻無効
ジリにさらっと言われたこのキーワード、おいおいおいおい待てなんだそれ、そんな超重要事項が今頃出てくるのかよ!!!
プリンス・ラガー=プリンス・レイガー・ターガリエンだとすれば(Rhaegar は確かに初見でどう発音していいかわからない。ゲームオブスローンズキャラは発音に困る名前が多い。キリスト教の聖人由来の名前から微妙にはずすためだと思われるが)、レイガーがエリア・マーテルと婚姻無効の手続きをとり(しかもよりによってドーンで!)、リアナ・スタークと正式に結婚していた可能性が出てきて……
それってつまり、王位継承権がひっくり返る事態にならない?
ジョンがバスタードではなく正式な嫡男だということになれば、ターガリエンの王位継承権第一位はデナーリスではなくジョンということにならない?
あの世界は基本的に男系社会だというのは、ジョフリーの死後ミアセラではなくトメンが王位を継いだ時点で明白。エイリス・ターガリエンの血に近いのは、娘のデナーリスの方だが、エイリスの息子レイガーに直系の男子がいる場合はそっちに王位がいくのでは?
もしそれが判明した場合、デナーリスは納得……しないだろうなあ。デナーリスは「ターガリエン一族」で「鉄の玉座の正当な継承者」だと名乗ってはいるが、それと並んで「ドラゴンの母」であり「ドスラクのカリーシ」であり「燃えぬ者」であり「鎖の破壊者」でもあり、それらの名を背負ってウェスタロスに乗り込んだ。今さら王位継承権がどうこうと理屈を並べたところで引っ込まない気がする。自分に王位につく正当性がないということ自体にはショックを受けるかもしれないが。
そして本当に婚姻無効の儀を執り行っていたのなら、レイガーはあの世でオベリンに100万回刺されろ。エリアが気の毒すぎるだろ!!!
おまけ
ここまで読んでくれた方に見せたいものがある。
#ゲームオブスローンズ で今後見てみたいシーン
— 逆根左右 (@6thsym) 2016年10月30日
1. アイアンバンクがサーセイのところに取り立て
2. サムの実家がドラカリス
3. 鉄諸島緑化運動
ないな
2016年10月30日、つまりhuluでS6を見た直後のツイートなのだが、この的中率をどう思う??? 当時はただのネタツイートのつもりだったのに、こんなに当たるならきちんと記事にしておくべきだった。これは鉄諸島緑化運動もありえますわ(ない)。