お盆を経てなお勢い衰えず、このブログのワイスピ記事に感想を読みに来る方がたくさんいる。スーパーコンボ、好調なようだな!(たぶん)
さて今日は週末に開催されたホブデカオフ会の議事録……というか酔っ払ってしゃべり倒した内容をなんとか思い出しながら記録に残しておく回である。
最初から最後までネタバレ全開につき注意。
エティオン式改造人間の欠陥
まずはこの話題について。
改造されていないホブスが十分に頑丈
言うのも無粋な話だが、誰もがつっこんだであろう部分。
ブリクストンは「防弾チョッキだ、かっこいいだろう」と得意げだったが、生身のホブスがあまりに頑丈なせいで特にうらやましくない。なんといっても素肌の防塵機能が凄まじいからな! どんなベビーオイル塗ってんだよ。
スカイミッションのときは7階から車にダイブして病院送りになっていたホブスだが、今作ではあの高さから車にダイブして無傷なので、人間やめ度がまた上がったようだ。そんなんだからスーパーサモア人って言われるんだぞ! というかハッティも同じ高さから落ちて平然としていたので、今作は全体的に人間やめすぎである。改造人間以外も頑丈すぎてエティオン涙目である。
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前の感想記事でわたしはこう書いたが、まさにこれ。エティオンはホブスの肉体の炭素構造を調べるところから始めるべき。
あの世界で改造人間の頑丈さをアピールするなら、地球割りくらい披露しなければならないのではないか。
人間的な視覚に頼りすぎ
こっちはもう少し考察めいた話。
なんであのかっこいいシステムは「二人を同時に捌く」「両方避ける」というサジェストを出してくれないんだ。
同じく前の記事でわたしはこのように書いたが、このエティオンAI無能説への反論を試みた。
あのAIは、ブリクストンの視界に入る形で戦況を分析し、とるべき行動のサジェストを表示していた。しかしここには大きな欠陥がある。せっかくの改造人間なのに、人間的な視覚に頼りすぎなのである。
ブリクストンには死角が存在する。人間の目で捉えることができない部分はブリクストンにも見えない。ホブスとデッカードはその前提で作戦をたて、片方が殴られている間、もう片方が死角から殴りかかるという方法をとった。あのAIは、見えないものに対して反応できないのである。
つまりAIが無能なのではなく改造人間のデザイナーが無能。
改造にあたって人間のデザインを忠実に再現する必要はなかった。目は前だけについている必要はない。首の後ろとか肘とか手のひらとかに視覚器官があれば、死角はかなり減らせるはず。また視覚に赤外線センサーなどをつけ、人間の体温を視覚的に感知できるように改造しておけば、障害物による死角など問題にならなかったはずだ。
ブリクストンは工場でドローンを飛ばしたが、あれを小型化したやつを大量に飛ばしていれば死角問題はかなり減らせたはず。またAIも、より正確で戦略的なサジェストを出せたはず。なぜあの島でドローンを飛ばさなかったのか。飛ばしたけど最初の歓迎花火で全部撃ち落されたのかな。
「不完全な進化」の表現?
これらはすべて、「人間は進化すべき」というエティオンの主張が不完全なものであるという表現だったのかもしれない。
あるいは「進化すべき」と言っておきながら人間的器官からの脱却を選択できないエティオンの抱える矛盾の表現とか。
率直に言って、今回のエティオンによるミッションに、人間型のボディはそこまで必要ではない。ある程度精巧なアームのついたドローンが数台あれば十分だった。というかそっちの方が成功率は高かったはず。
しかしエティオンは不完全な人間のボディを捨てない。あくまで「改造人間」を作ろうとしている。まあ、人間のボディを捨てちゃうとイドリス・エルバが出演できないし絵的に盛り上がらないからね! という現実的な問題はおいといて、エティオンの主張には矛盾があるわけだ。で、結局今回はそこを突かれて敗北した。
「俺たちは機械に頼らない!(ただし車はめっちゃ活用する)」である。
ブリクストン、エティオン利用説
これも前の記事に書いたのだが、ブリクストンはどこまでエティオンの掲げる「大義」を信じていたのだろうか。
彼はやはりデッカードと再会、対決するためにエティオンを利用していたように思われてならない。一度死んだブリクストンを生き返らせたのはエティオンの意思だったかもしれないが、そこから現在に至る「bad guy」ぶりを見ると、やはりブリクストンはエティオンの「大義」よりもデッカードの方に執着があるように見える。
麻酔しろ
そんなエティオンだが、なぜ改造手術にあたり麻酔をしないのか。
まあ一度麻酔をすると機能回復に数時間はかかるから、緊急の危機が迫っている状況でのんびり麻酔というわけにもいかなかったのかもしれないが、そうはいってもやっぱりあの痛そうな改造手術は懲罰だよなあという結論に。
ホブスの視線を意識したデッカードのバトル
ふたつの通路を分かれて進むシーンはわたしのお気に入りである。
あのシーンのデッカードのバトルは、おそらく最初から最後までホブスの視線を意識している。そう思って見なおすとさらにおいしいシーンだ。腕を後ろに回して敵の首ねっこを掴む仕草もホブスへのアピールなのか。
目が覚めるのが早いふたり
エティオン本社に殴り込みをかけたふたりは、最初に爆弾を45分後にセットした。ブリクストンたちも監視してたなら爆弾解除しとけよという話である。せめてふたりを拘束した後ならゆっくり解除できただろうに。
そしてふたりが目を覚まし、ビリビリタイムをじっくり確保し、工場カーチェイスシーンを挟んでから爆弾爆発という流れ。つまりふたりが気絶していたのはほんの数分。回復早いな! いやビルから飛び降りて無傷なんだから、あんなもんで殴られてダメージがある方がおかしいのか。
おそろいジャージの謎
エンドロールの最後に流れた問題のシーン。ホブスとデッカードがおそろいのジャージを着ていると話題になった。
あれはなぜあんなことになったのだろうか? ふたりとも進んでおそろいにするタイプには思えないのだが。
CIA粗品説
わたしは最初これだと思った。
殺人ウイルスから人類を救ってくれたお礼に、CIAがふたりにプレゼントしたものだった説。それぞれ別々のエージェントから贈られたのでふたりはおそろいだと気づいていない。
この場合、ロックもおそろいのを持っている可能性がある。
偶然説
オフ会中に言われてなるほどと思ったのがこれ。
ふたりがおそろいのジャージを着ていたのはまったくの偶然。
つまり別々の場所で同時に同じものを偶然買ってしまったということ。
冒頭のシンクロっぷりと同様に、ふたりは全然違うけど似ているところがあるんだよ! という表現の一環だという説。
ほかにどんな説が考えられるだろうか?
エティオンのボスは誰?
諸説あるエティオンのボスについても話題になった。
わたしは初見ではホブスのパパがあやしいと感じた。ホブスに因縁があり、未登場で、現在のホブス家の家業からして技術者になっている可能性もありそうだと。
ロック説もありえる。少なくとも今回のボスの声はライアン・レイノルズがあてていたらしいし。次の事件にも巻き込むために最後の電話をかけてきたとか。
ただ、ロックにはコメディ担当でいてほしいという意見もわかる。ここまで観客を笑わせてくれた彼が、次回作で黒幕でした! という展開はつらいものがある。
あの最後の電話で「ベッキー元気? 実は俺がエティオンのボスでさ~、新しい殺人ウイルスをばらまこうと思ってるんだよね~。今度のは体の外側が溶けるやつだよ。止めたかったら会いに来てよね!」とか明るく電話をかけてきて、次回作に続く! と終わっていたらそれは全然アリだったのだが。動機はアレだ、ベッキーがゲームオブスローンズのS8を一緒に見てくれなかったからとか。
今作はデッカードとブリクストンの因縁がメインになったが、次回はホブスとロックの因縁がじっくり描かれるのだろうか。楽しみなような、若干不安なような。ともかく次回作はぜひ作られてほしい。続報を待つべし。