ナイトシティとツシマでの生活が一段落したのでハイデリンに戻ってきたところ、ちょうどアップデートと重なってどこもかしこもにぎわっている。
第四次イシュガルド復興が始まったらしく、イシュガルドが大変な密だ。わたしもこの機にギャザラーとクラフターをレベルアップさせるか。試しにいくらか納品してみたところ、復興くじで当たりが出てエモート「りんごを食べる」ができるようになった。
さてアップデートの様子も気になるものの、復帰したわたしがまず第一にやるべきはアラミゴの解放である。帝国との決戦を目前にして1か月も待たせてすみませんでした(ジャンピング土下座のエモート)。
アラミゴ奪還
ずいぶん長い戦いだったが、ついにこの日が来た。
エオルゼア同盟軍とアラミゴ解放軍が、帝国のアラミゴ領本拠地に進軍!
わたしは黒魔道士をやっていないので詳細は不明なのだが、ウルダハの黒魔道士部隊がかっこいいな? 炎魔法連打からの氷魔法による急速冷却+大砲による衝撃で城門を破壊するという「ガレアン人には思いつけない」作戦なのがいいよね。世界観を活かしていて好き。
ドマ勢が助けにくる展開も、お約束だけど熱い。結構な距離を飛んできてるよなヒエンたち。
その後の「紅蓮決戦アラミゴ」は、予想したことではあったがわたしだけアイテムレベルが低いために、ずいぶん恐ろしい思いをした。ストーリーをクリアしなければレベル70の詩学装備は交換できないんだな。CFでご一緒したみなさんが上手だったので、ヒーラーのわたしがあたふたしている状況だったが(「ギエエエエ死ぬ!」と叫びながら範囲攻撃に合わせて自分にバリアをはるヒーラー)特にピンチにもならずクリアできた。
これで終わりかと思いきや、もう一戦あったという。なんかここから怒涛の勢いでゼノスからお花畑でプロポーズされたような気がするのだが、わたしの目が曇っているせいだろうか。
ここで「ともに生きてみる」と答えたらどうなるんだろう……と思ってそっちを選んだが、「見え見えの嘘は言わなくていい」的なお返事だった。しゅん。
これが国語の読解問題だったら0点である。キャラの独自解釈が過ぎるのではないかねゼノスくん。
勝手に解釈されて勝手に同意されるククルカくん。いやククルカくんにはもうオルシュファンという友がいるんですよ。
真龍戦CF突入後のイベント。パーティメンバーが登場するイベントっていいよね。たまに着ぐるみやバニーがいるのも一興。
このへんを見ていると、ゼノスはやはり「為政者」としての器ではないよなと改めて思う。個人的な目的を優先しすぎだという彼の父親の見立てはいたって正しい。しかしそれなら、帝国の後継者問題はどうするつもりだったんだろう。
「超える力」を人工的に植え付けるという作戦がいささか中途半端に終わったのも少し残念。データはとれただろうから、帝国内での研究は続くのかな。トップが死んでも予算が出るならば。
ヨツユといいゼノスといい、紅蓮編ではヴィランをしっかり描写しようという意気込みを感じてそこは好感が持てる。新生も蒼天もヴィラン描写は控えめだったもんな。漆黒はどんな感じなんだろ。
アラミゴは解放されたが、アラミゴ王政は崩壊しているし前の王も暴君だったみたいで民衆からの支持もないし、これから新しい国を作るのは困難をきわめるだろう。共和制にでも移行するのだろうか。
リセも政治家タイプだとは思えないので(アイメリクとはやっぱりキャラが違うんだよな)、誰かそういうのが得意な人がうまく軌道に乗せてやれるといいなあと思っている。
さてここから漆黒へどう物語が動いていくのか、楽しみだ。めちゃくちゃ期待してるからな。
暗黒騎士ジョブクエストがまたしてもよかった
さて紅蓮決戦に挑む前にせめてAFくらいは調達しておくべきだろうと思い、白と暗黒のジョブクエストをクリアしてきた。
白のクエストも世界観補足的な意味でよかったのだが、暗黒騎士が相変わらず特筆すべきシナリオのよさ。「暗黒騎士」という存在の設定自体がドラマチックだからという理由もあるのだろうが、この一連のクエストのライター石川夏子さんがつくる独特のセリフまわしがとても印象的なのだ。詩的なのだけどポエムすぎない匙加減というか。
「僕を殺して世界を護るか、世界を護って僕(キミ)を殺すか」とか、今も忘れられない。
また暗黒騎士クエストのテーマ自体が、「プレイヤーの感情」をメタ的に内包しているのも面白い。「英雄」の抱える人間的な感情の部分=プレイヤーの心だから。
プレイヤーはまだ蒼天で失った友のことを忘れられずにいるということを、シナリオの前提にしているのが、長い期間をかけて紡がれるMMORPGのストーリーとしてすごく強い。
これ、オルシュファンの眼とイゼルの髪ってことだよね。
クエスト名は「あと一度、君に会えたら」。フォルタン邸の前でククルカくんがそう思ってしまったとき、暗黒騎士のクリスタルが割れてミストくんが生まれた。これはほぼ蛮神召喚に近いものだと思われる。
「何かの名を戴くほどたしかな存在じゃない」と言っていたのは、ほかの蛮神のように神の名を冠するような存在ではないということかな。クリスタルを大量に使ったわけでもないし、テンパードを生むわけでもないし、かなり不完全な召喚だったはず。
このへんのセリフまわしがめっちゃ暗黒騎士クエスト節というか。好き。
蒼天のメインクエストで語られた「その目的は自分の、誰かの死を捧ぐほどの願いか」という問いの続きでもある。この剣で誰かを護れたとしても、いつかはみんな離れていく。死という別れはどこかで必ず訪れるのである。
あるいはメタ的にみれば、プレイヤーをとりまく環境のことを指しているともとれる。MMORPGをやっていれば友達もできるが、同時に別れも経験することになる。ある日突然友達がログインしなくなるという経験をした人も多いのではないか。現実世界まで含めれば「あと一度、君に会えたら」と感じるような経験をしていない人など皆無だろう。ミストの問いは、キャラクターをとびこえてプレイヤーにこそ突き刺さるものだ。
だがそんな問いに対して、ククルカくんは答える。「心につれてきたものがある」と(もうひとつの選択肢が「振り返ればきっと、孤独ではない」)。
たとえ別れを経験したとしても思い出はなくならないし、その思い出が自分の糧となり力となる……みたいなことかな。
そしてそこに聞こえてくる聞き覚えのある声。
もうね、この時点であああああこの流れは!! ってなるよね。
フレイくん久しぶり!!!!!
もうほんと、ここで感極まって画面が見えない状態に。
レベル50のクエストで、ククルカくんがフレイくんに示した答えを、今度は彼が持ってきてくれた。「彼はもう自身(=フレイ)に示した」ってそういうことだよね。
レベル50のときはフレイくんと戦ったが、今度はそのフレイくんと共闘だ!
同じ「英雄の孤独」というテーマでも、レベル50では「英雄を持ち上げる世界」や「自己犠牲」に対する疑問、レベル70では「戦いの中で失った友」「離れていった人たち」を想う気持ちがフォーカスされていた。切り口がそれぞれ面白い!!
たとえつらい別れを経験しても、いつしかまた歩み始めるのだと語るフレイくん。それは「忘れる」からなのかと問うミストくん。それに対して、リエルが答える。
異端の疑惑をかけられて実の母親に殺されかけ、一度は世界に絶望した彼女がこんなふうに語るのを、ククルカくんとシドゥルグはどんな気持ちで見つめるのか。
そして結局のところ、ミストくんがククルカくんの降ろした蛮神であるならば、この話は最初から最後までククルカくんの自問自答なのだ。止まってしまった足が再び歩き出すために必要な儀式とでもいうべきか。
ククルカくんのそばを通り過ぎ、消えていくふたり。ふたり分の気持ちが、エーテルとともにククルカくんの中に還ったのだろう。
このビジュアルの子にそんなふうに言われたら、ここまで歩んできたプレイヤーは頷くしかないよね。
結局、ククルカくんにとっていちばん会いたいであろう人、本人が現れることはなかった。この一連の事件の最初のきっかけも、示唆されるだけ。その加減がとてもいい。プレイヤーにとって「あと一度、君に会えたら」の「君」は異なるのだろうし。
ただ、クエストの最後にあの人の父親にかけられる言葉がとてもイイ。
「忘れる」ことは答えではない。
今は隣にいなくても、心に寄り添ってくれる「隣人」は常にいる。
「ありふれた奇跡」はいつでもそばにあって、ククルカくんの背を押してくれている。
そんなささやかな「答え合わせ」で、この物語は幕を閉じる。
このじんわりと残る余韻はどうだろう。
やっぱりハイデリンに生きるククルカくんを飛び越えて、プレイヤーにこそ刺さる結末だ。こういう世情なだけに、「孤独」とどう向き合うかという問いへのひとつの答えがこんなところで提示されるというのは、できすぎなほどによくできている。
さあアラミゴの話も一段落したし、彼の愛したイシュガルド復興にも注力するか……。