ねんがんの「メタファー:リファンタジオ」を始めるぞ!
これ情報公開当初からずっと楽しみにしてて、ほしいものリストに入れてたのに、今になってやった「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」が思いのほか長引いて(まあペルソナシリーズだし初見なら100時間こえるよね……)、体験版はおろか発売日にも余裕で間に合わず、ついにセールになったところでようやく買うという始末。わたしの計画性はゼロよ!
先日ようやくP5Rをクリアし、喪失感に呆然とすること数日、ようやく新しいゲームをする気力がわいてきたのでメタファーを立ち上げることとなった。
完全新規のファンタジーということで世界観理解にしばらくかかりそう。
だが完全新規とはいえ、JRPGに慣れている人なら大体ああいう感じね、と他ゲームとの共通項から理解していける範囲で作られている。いろいろと入っていきやすいように意図したデザインだと思われる。アウラとエレゼンが権力を持っていて、ミコッテは被差別民ってことか。
そんなわけで今日は、冒頭数時間を見た感想とか、わいてきた疑問とか、世界観理解の整理とかのファーストインプレッション記録。冒頭数時間だけどネタバレは全開につき注意!
主人公はアンジェロくん
主人公の名前だけは、購入前から決めてたんだよ!
雰囲気を見るに西洋風の名前が大丈夫そうだったので、アンジェロくん! イタリア系の名前である。
もし主人公が灰色の悪魔と呼ばれていることが判明したり、悪魔属性だったり、死神属性だったり、あるいはプレイヤーの操作によって主人公の倫理観が壊滅的になるタイプのゲームだった場合致命的な名前だが(天使なので)、まあそれはそれでおいしいと思うことにしよう。でもこれアトラスゲーだから主人公が悪魔ってまあまあありえなくないんだよな……。
ここ1年くらいで急に主人公のデフォルト名がないゲームを立て続けにやったわけだが、世界観に沿って名前を考えるのは結構楽しいな。キャラメイクするタイプのゲームでなくても、自分の考えた名前をつけると愛着がわく。
ちなみに「主人公ではなくあなたの名前を教えてください」と言われたときは素直に Sayu と答えた。いったいどこでこの名前を使うことがあるんだろうと思っていたら、全然予想もしていなかったところから名前が出てきて変な声が出た。
わたしは愚者だったのか。で、核抑止的な王の魔法と何か関係があるのか。
わたしはこの世界にどんな干渉をしてる存在なんだよ!?
たぶんこのアーキタイプっていうのが「ペルソナ」に相当するもので、ある程度アルカナに対応していそうな感じだ。シーカーっていうのが愚者なんだろうな、たぶん。
しかしこの世界の命名法則がいまだにわからない。種族ごとに名づけの傾向があるようにも(今のところは)見えない。
ルイ(Louis?)はフランス語風だし、クリンゲル(Klingel? ベルのこと)はドイツ語風だし、ストロール(Stroll?)は英語風の音だ。同じ種族なのに。まあ、同じ種族でもいろいろな文化圏があるのかもしれない。FF14だと種族ごとに命名法則があるが、この世界ではそういうのはないのかも。
王子様は何者なのか
アンジェロくんの護るべき王子様。この子、名前なんていうの?
王子様としか表示されないし、完全に名前を言ってはいけないあの人状態である。
てっきりこの王子様が Sayu なのかと思ったが、そうではなさそうだし。
でも意味なく名前が伏せられているとは思えないので、何らかの叙述トリックがありそう。
あと王子様って何の種族なんだろ? 角があるように見えないし、耳もとがってないし、アンジェロくんと同じエルダ族にしか見えない。暗殺された前王には角があったけど、本当に親子か?
王子様というよりも完全に眠り姫なのだが、しかしなぜ王子様がまだ生きているのかもよくわからない。なんで殺されなかったんだろ? 王様はあっさり殺されたのに、王子様は呪いをかけられただけというのがなんだか不思議。
よほど強力が防御でもあったのか、それとも最初から暗殺ではなく呪いをかけるのが目的だったとか? でもそれなら「王子様はお亡くなりになりました」と嘘を広めた意味もないことになるしなあ。
ルイは何者なのか
登場した瞬間「ラインハルト・フォン・ローエングラムさん!?」と叫んでしまったが、言動をよくよく聞くとそこまでラインハルトではなかった。
まだいまいちこの人の立ち位置がわからないのだけど、王子と国王の暗殺に絡んでいるのは周囲にバレバレで、しかしめちゃくちゃ強くて実績もあるので支持者も多いという感じ?
あと核抑止的な王の魔法を継げるのも現状ではこの人だけっぽい?
平和な時代ならあやしすぎて誰からも支持されそうにないのだけど、今はニンゲンとかいうやべーのがうろついてるせいで治安が悪すぎるからなあ。こういう時代に強い指導者が求められるのは人の常である。ニンゲンだけではなく国境線付近も諍いがありそうだったし。
ラインハルトというよりはソル・ゾス・ガルヴァスが近いのかなあ。
あとこの出オチ王とルイって顔のつくりが似てるような……。いや殺されたせいでめっちゃ人相変わってるだろうからよくわからんな……。
最近権力者たる父親に対して隠し子が復讐する話を見たばかりだから、そのせいで余計な想像をしてしまうのかも。
モアは何者なのか
若干瞳孔が開き気味で顔色も悪いので、実は死んでるんじゃないかと出てくるたびに思ってしまう。
アンジェロくんの持っている幻想小説の作者らしい。
この人については何もかもわからない。
幽閉は前王の指示によるもの? あるいはもっと前だったりする? 何がまずくて幽閉されたの? 幻想小説の内容? この世界では幻想小説自体が珍しそうだけど、この本は発禁処分とかにされたんだろうか? その割に王子様がこの本を持ってたのはなぜ? 王子様がアンジェロくんにこの本をくれたのには何か理由があったの?
この人はわたしからの視線を感知できるらしい。もし「異世界」を見ることができる力があるのなら、幻想小説は実際に「異世界」を見て書いたものだったりするんだろうか?
アンジェロくんたちの世界の「英雄」のこととか、だいぶ古い話も知っていそうだし、いつから生きてるんだろう。
彼は要するにベルベットルームの主ってことよねと理解しているのだが、そして当面はその理解でいいと思うのだが、本当にそれだけとは思えない。
「メタファー」とは何なのか
「メタファー」という言葉の意味は「比喩」だが、いったい何が何に対する比喩なんだろう。作品の情報が公開されたときからずっとそれが気になっている。
直接的にはこういうこと、なのだと思う。
つまりわたしたちにとってはアンジェロくんの世界こそが「異世界」だが、その世界で起こる「幻想」は我々の世界の比喩であり、作り手のメッセージがこめられている。この作品はわたしたちの生きる現実世界に何らかの良い変化を期待して作られているというわけだ。
ただまあ、そんなのはあまりにも当たり前の話で、ストーリー性のあるゲームなら何だって、何らかの形で現代社会のメタファーになっているはずだし、クリエイターは作品を通して世界にささやかな変化を期待する。そんなの誰だってやっていることなので、それをわざわざタイトルにする必要はない。
じゃあ何だろう? それ以上のどんな意味があるんだろう? というのがわたしのわくわく感の根本だ。
何が何の比喩なんだろう? と思っていたら、まるで現実世界を思わせるような「幻想小説」は出てくるわ、「ニンゲン」がとんでもねー怪物だわ、いろいろと現実とは「裏返し」になった世界なことが少しずつわかってきて、これは最終的に何重の意味での「メタファー」になるんだろう? とわくわくが止まらない。
ニンゲンといえば、いきなりザクロにリンゴとは、メタファーの大盛もいいところじゃないか。
ザクロは豊穣多産の象徴であり、不死や復活の意味もある。リンゴについてはつい先日散々書いたばかりだ。
何なんだろうな、ニンゲンって。
観測者が観測者になりきれない世界
最初の数時間をプレイしてわたしが最も強く感じたのは、このゲームはプレイヤーが「観測者」に徹することを許さない作品だということだ。
主人公とは別に、「わたし」が何らかの形でこの作品に関わらざるを得ない構成になっている。愚者たる Sayu の存在もそうだし、「ニンゲン」と呼ばれるモンスターもそうだし、「理想郷」を描いた「幻想小説」がわたしたちの現実世界と一致していそうなのもそうだ。何よりも、「わたし」はモアくんに観測される対象でもある。
「わたし」は単なるゲームのプレイヤーのつもりで、この世界を観測するという娯楽を享受しようとしていた。だが、どうもそういう姿勢で臨むことはできない雰囲気を感じている。この緊張感は何だろう? 「わたし」はこの作品の中でどんな役割を与えられるんだろう?
見る者が同時に見られる者でもあるという対称性、それが緊張感を生むのかな。
とにかく物語の導入としては満点で、わからないことだらけだけどめちゃくちゃわくわくしている。これからどうなっていくのかな……!