前回「バルダーズゲート3」クリア後感想を書こうとしたところ、長すぎたので分割することにした。今回はラスボスを倒したところからエンディング、エピローグまでの話。
ラスボスを倒したあとも重要な選択肢が次々発生するので、最後まで気の抜けないゲームだった。語りたいことが多すぎる!
以下、エピローグまでの致命的なネタバレ注意!
オルフェウスをめぐる葛藤
オルフェウスの力でネザーブレインに自己破壊を命じたリュヒテュちゃんたち。
戦いは終わったが、物語はまだ終わっていない。
オルフェウスをどうするか問題も、わたしには難しかった。
苦労の末にようやく解放した彼を殺したくはなかった。でも彼は自身の死を願っている。一度は「マインドフレイヤーになっても、お前はお前だろう?」という選択肢を選んでみた。でもオルフェウスの答えはこうだった。
やっぱりイリシッド化すると「変質」していくものなんだろうか。知性や精神力を含む全パラメータが大幅アップするというのなら、人格に影響が出ないわけがないとわたしも思う。
やっぱり皇帝も「変質」していたのだろうか。オメルウムのように人と共存するイリシッドもいるけれど、彼ももとの人格とは違うものになっていたのだろうか。
オメルウムだって結局のところ、どこまで「彼」の自由意思があったのか、わたしにはもうわからないのだ。皇帝の存在がネザーブレインに認知され、彼女の意のもとで泳がされていた以上、オメルウムもまたリュヒテュちゃんたちに「自我を持ったイリシッドは皇帝以外にも存在しうる=皇帝が自分の意思でアブソリュートと対決しようとしている話は信用できる」ということを示すサンプルとしてネザーブレインに用意されていた可能性を否定できない。
まあ「変質」の可能性以前に、人の脳みそを食ってまで生きるくらいなら尊厳のある死を選ぶという感性は理解できる。
さらに言うと、オルフェウスがこの姿で生存していると、ギスヤンキのコミュニティに非常に深刻な政治的問題をもたらすであろうことは想像に難くない。おそらくこれからギスヤンキはヴラーキス派と反ヴラーキス派の内戦に突入すると思われるが、反ヴラーキスでまとまるべきグループに余計な不和が発生しかねない。
自分がレイゼルやヴォスの立場におかれていたとして、「ゲイク」の姿をした「オルフェウス王子=ギスの正当な後継者」を連れ帰った上で仲間をまとめることを考えると、あまりの無理ゲーっぷりに眩暈がする。
これについてはものすごく理不尽だし、ものすごく申し訳ないとは思うけど、たぶんレイゼルやヴォスが反ヴラーキス派の中心になった方が事態はスムーズに動くだろうし、オルフェウスは「ゲイクの親玉を滅ぼすために身を捧げた」ことにした方が何もかも丸く収まる。
だから、オルフェウスを殺すことは自分としては「倫理的にはアウト(もちろん現代社会の法的にも)、でも政治的には正しい(最終的な犠牲者数を抑えられる)」と思っている。
そして最後にはわたしではなくリュヒテュちゃんの視点で考えてみた。リュヒテュちゃんは自分の脳の中で幼生が活動するのを何度も感じてきた。自分が自分でなくなる恐怖を体験してきた。だからこそ、完全に変異を完了したオルフェウスが人を襲う前に死にたいと望むのもわかるはずだと思った。
だから最終的にこの結論に至った。レイゼルがやるべきかなとも思ったけど、オルフェウスが剣を渡したのはリュヒテュちゃんだったから、リュヒテュちゃんの手で終わらせることを彼も望んでいるのだろうと解釈した。
終わったな……と思っていたら。
不意打ちで噴いた。
そういえば人魚にもらった装備を着せてたんだった。
カーサスの冠問題
この問題にも結論を出す日が来たか。
わたしはネザリルの冠はネザーブレインとともに海中に沈めておくのがいいと答えた。ゲイルが神になっても、彼がそれで幸せになれるとは思えない。ミストラは全面的に信用できるほど親交も信仰もない。
以前ミストラと話したときは冠を破壊できたらいちばんいいと思っていたのだが、どうやらその選択肢はないようだ。
海の底に沈んだままにしていたら、数年後だか数百年後だかにまた野心のある人がどうにかして悪用しそうな気もするけど(雲海に投げ捨てたはずの竜の眼が割とあっさり拾われて悪用されるゲームがあったな)、そうなったらそのときまた考えよう。
ゲイルがこんなふうに考えられるようになったことが嬉しい。もしかしたら彼の変化には、たとえばアスタリオンの選択(アセンダント化しない)やシャドウハートの選択(シャーの試練を放り出してナイトソングを救う)が影響していたかもしれない。
「俺はこの陽気な仲間たちが気に入ったし、俺たちがどうなるのか見届けたい」とセリフは続く。俺たちがどうなるのか、「同じ人間としての立場から、対等な仲間として」見届けたいってことだよね。
わたしもそれがいいと思う。ゲイルだけ人外になってしまったらわたしも寂しい。
ミンスクは何に賭けてたんだよ。
カーラックの決断
ここにきて、カーラックの心臓が限界を迎えたらしい。ここまで酷使したもんな。
エルダーブレインにとどめを刺したのもカーラックだった。彼女の心臓がここで限界を迎えることになるなら、せめて彼女が満足と達成感を得た状態で終わってほしかったという気持ちもちょっとあったから。
自分の愛する場所で悔いなく最期を迎えたいというのが彼女の望みだった。でもそれはわたしの望みではないし、リュヒテュちゃんの望みでもない。
これはもう死亡確定演出でしょ……と泣きながら画面を見ていたら。
なんか……土壇場で一緒にアヴェルヌスに行くことになった!!
本当に? 助かるのか!!
いや待って、それならウィルのコンパニオンクエストをクリアして、ウィルが「アヴェルヌスの刃」を名乗ったときにこの決断をしてくれよ~~! あのときもカーラックが一緒に来てくれたら助かると書いたけど、その時点で決めてくれていたらこんなに気をもまなかったのに!
でもたぶん、それくらいカーラックにとって「地獄に戻る」という決断は重いものだったんだろうな。ネザーブレイン戦を通してリュヒテュちゃんたちとの絆がさらに深まって、初めて「この人たちと一緒なら地獄でもやっていける」と思えるようになったのかも。
カーラックが若干「新婚旅行についてくる友人」みたいな感じになったけど、でもこの三人ならうまくやっていけるんじゃないかな。
最初はカーラックを殺そうとしていたウィルが、結局彼女を救うことになるのが面白い。
地獄に着いて心臓が安定してひと息ついたカーラックが、おもむろに指から炎を出して葉巻に火をつけるこのシーン。喫煙者だったの!? という驚きもあったけど、わたしはこのシーン、カーラックがようやく自分の中の炎を受け入れた描写として解釈した。
今まで彼女の炎はいつ心臓を爆発させるかわからない不安材料でしかなかったし、物語の前半では彼女に触れることもできなかった。炎は彼女の体にとって枷だったし、世界と自分とを隔てる壁でもあった。
でも地獄に戻れば、たぶんめっちゃパワーアップするんだよね? 地獄仕様の心臓なのだから、ここで最も性能を発揮するようにできてるんだよね? それを受け入れて、今度はその力を仲間とともに「いいこと」のために使うのだと、覚悟を決めたってことかなと思ったりした。
カーラックはソードコーストでもめちゃくちゃ強かったんだけど、地獄でパワーアップするとしたらヤバい存在になりそうだ。
英雄の像
このシーンはよかったなあ。うなっちゃったね。
街の復興に務める燃える拳が歩いてきて、バルダラン像の前で誇らしげに敬礼するの。
ウィルのクエストを最後までやっているかどうかで、このシーンの意味が全然変わるよね。なんという皮肉。
あなたの敬愛するバルダランは、自分の意思でイカに変異して、友人であり街の守護者だったはずのワームを殺し、この街でステルメイン公爵を洗脳して人の脳みそを食って生活し、最終的にネザーブレイン側に味方してリュヒテュちゃんに討たれましたよ。
……なんてことは絶対言えないんだけど。
でもまあ、これでいいのかなという気もする。
英雄の物語は人々を勇気づけ、傷ついた街の復興に寄与するだろう。真実を明かす必要はない。
人間を他の動物と分ける最大の特徴は、目の前に存在しない過去の物語、どころか真実でもない架空の物語や神話すらも共有し、現在の自分の存在と結びつけて自己を規定できるというところだ。良くも悪くも。
「過去の英雄」バルダランを「現在の自己」の誇りのよりどころとして、今を立派に生きることができるのなら、それでいいと思う。
リュヒテュちゃんたちの記念碑も作られるらしい。なんかこのイラストだとリュヒテュちゃんたちとはだいぶ違うグループに見えるが、まあ得てして「英雄の像」なんてそんなもんだ。
一応、エルフの歌亭の二階にかなり精巧なリュヒテュちゃん像が置きっぱなしになってるはずだから、あれを参考にするといいのではないか。
同窓会
さて地獄で大暴れしているリュヒテュちゃんたち三人のところに、シナビからの招待状が届いた。
今はそれぞれの人生を生きている彼らだが、絆こそが最大の武器なのだからたまには会って旧交を温めろというシナビのはからいである。
みんなのその後を知ることができるのは嬉しいな。
シャドウハートは放浪の旅に出ているらしい。ウォーターディープにあるセルーネイ寺院にも行ったとか。シャー信徒からは付け狙われているらしいが、ノクターンからの助けもあって今のところ軽く撃退できているみたい。ノクターンもいずれシャーに背く日が来るかもしれないけど、それは彼女自身が決めることだ、と。
マジで!!!?!?!?
地獄に行って半年、もうそんな成果が!?
でもカーラック本人は自分の心臓がどこで開発されたか知っているだろうし、今の彼らは鋼の衛兵の心臓がカーラックの心臓を数段階アップデートさせた地獄製のものだと知っているし、何か方法があるはずだと思ってた!
今はミゾーラの指令でデヴィルを狩ろうとしているようだが、三人一緒ならなんとかなるだろうと楽観的。
レイヴンガード大公爵は議会を立て直し、街の復興に尽力しているらしい。たまに連絡をとっているということかな。
最終決戦に装甲アウルベアが現れたときは驚いた。お前、いつのまにそんなに大きく……!?
スクラッチも元気そうでよかった。
遺物を咥えてきたものだから腰を抜かしたけど。今はあの遺物の中、どうなってるんだろう。無人?
おいふざけんなw
印税はあきらめた方がよさそう。
ハルシンは影に呪われた地の復興に取り組んでいるみたい。
子供たちの世話をしていて、彼らに「英雄」の物語をせがまれているとか。一日の半分は熊の姿で子供たちを背に乗せたりしているとか。微笑ましい。そういえばハルシンって性に奔放な人だけど、自分の子供はいないのかな。
最後に、木彫りのカモをくれた。カモは旅をする鳥だけど、必ず自分の居場所に帰ってくるものだから、リュヒテュちゃんへの贈り物にふさわしいと思ったみたい。
ハルシンが趣味で木彫りをする話をしてくれたのはもうだいぶ前のことだったのに、覚えていてくれたんだなあ。子供たちに囲まれながら作っているところを想像すると本当に微笑ましい。
ゲイルは教授になっていた。
カーサスの冠をめぐる我々の選択はミストラの望むものではなかったが、ミストラはそこまで怒っていないみたい。オーブはまだ彼の中にあるみたいだけど、それが彼に害なすことは今後ないと言われたらしい。
ミストラは神なのだから海底に沈んだ冠を引き上げるくらいできそうな気がしないでもない。でもひとまずその予定はないってことでいいのかな。これでゲイルもようやく彼女ときちんと「お別れ」できた。
たぶんゲイルの本音では、大きな力にもミストラにも未練がまったくないわけではないのだろうけれど、それ以上に「価値あるもの」のために生きることに決めたのだろう。
ゲイルのウィーヴレッスンのことを話題に出したら、あのときのリュヒテュちゃんは今抱えている生徒とは大違いで、全然苦労しなかったと言われた。
ゲイルも生徒たちに「英雄」の話をせがまれるとかで、リュヒテュちゃんの近況を知りたがった。客員講師として呼ぶ話まで出ている。ゲイルの教授っぷりも見たいし、ぜひ行ってみたいところ。
レイゼルだけ現地に来られず、3D映像での参加になった。
どうやら現在、ヴラーキスを倒すためにギスゼライとの同盟を結ぶ役についているらしい。同盟を結ぶ??? レイゼルが??? 交渉係???? 双方破滅するのでは??? と不安になったが、彼女もまたかつての彼女ではなかった。
マジで!!?!?!!!!?!!?
そうか、レイゼルもリュヒテュちゃんと旅して、得るものがあったんだな……。オルフェウスの決断とその結末も、何か影響しているかもしれない。
メンヤー・アグ・ギス(ギスゼライの長かな?)は善意からギスヤンキに手を差し伸べたのだから、自分もその姿勢で会うとのこと。
カーラックの心臓も一晩くらいは平気らしいということで、久しぶりの地上を楽しんでいた。
彼女も心臓を改良する計画について話してくれた。もう目星はついてるんだな。ザリエルは妨害してくるだろうけど、ザリエルの護衛に旧友がいるとか。協力を頼めるかもしれないとのこと。
うまくいくといいなあ。死ななくてよかったよね!
アスタリオンは冒険者として暗殺稼業に励んでいるらしい。
それを喜ぶべきかはわからないけど、得意分野で金を稼いでみんなに感謝されていて、本人もそれに満足しているなら幸せな人生なのかもしれない。
アスタリオンはアセンダント化しなかったため、幼生がいなくなった今、太陽のもとを歩くことはできない。そのことを嘆いた日々もあったという。でも彼はそれを受け入れた。
ある意味で、アスタリオンとゲイルの物語はとても似ている。
大きな力よりも価値あるものを得て、「これが俺だ」と言える人生を送ることができるようになった。何もかもを手に入れることはできなかったけど、まあ、概ね、ハッピーエンドといえる形に収まったのではないかと思う。
ミンスクの説明では何が起こったかよくわからなかったが、どうやら彼らはゼンタリムに喧嘩を売り、投獄されているらしい。処刑を待つ身のようだが、まあ彼らならなんとかなるんじゃないかな(雑)。
ジャヘイラは、ハーパーとともにバルダーズ・ゲートの復興を支援し、一段落したらまた旅をしようと思っているみたい。でも帰るべき「家」はバルダーズ・ゲートにあるってことかな。あまり娘さんたちに心配かけないように。
「バルダーズ・マウス」やこれまで出会った人たちからの手紙もたくさん貼られていた。シナビが配送など手配して全部掲示してくれていたと思うとかわいいな。
この新聞はどこからつっこんだらいいかわからないやつ。
「ラマジスの塔にウィザードの姿はなし」の「ウィザード」はロローカンのことで、「ラマジスの塔の新しい主人へインタビュー」の「新しい主人」はローランのことだろうか。姿を消した「ウィザード」について「新しい主人」は何もコメントしてないのかな。
まあ「前の主人はセルーネイの天使を我が物にして永遠の命を得ようとして、天使本人に背骨を粉々にされて死にました」とか正直に話したら商売に影響が出かねないもんな。黙っておいてやろう。
「石の王が愛すべきレンジャーに倒される」も気になる。もしかしてミンスクが「石の王は俺が倒した」とか吹聴したのだろうか。まあたしかに「石の王はもういない」というのは正しいが。
送られてきた手紙もどれもよかったが、影に呪われた地で意識不明になっていたアート・カラーからの、死を目前にした安らかで満ち足りた手紙は心を打つものだった。
ハルシンはアートのことを何も言わなかったけど、たぶんハルシンもアートのことを気にかけているだろう。看取ることができるかもしれないし、もしかしたらリュヒテュちゃんと一緒に墓参りに行くことになるかもしれない。
彼は結局、あの地の「自然」の嘆きに引っ張られて、闇の中で死にかけていたってことなのかなあ。呪いが解けて、復興が始まりつつあるのを自分の目で確かめることができたのが、せめて少しは救いになっているといい。
アスタリオンはこの手紙を読んだだろうか。
この手紙がアスタリオンのところに来たということは、今のアスタリオンの冒険者稼業はアンダーダークではないということかな? スポーンの彼らも定住先が見つかり、ひとまずの安寧を得たようでほっとした。
「お前は檻の中を見て、怪物ではなく人間を見た」は、アスタリオンのクエストを象徴する言葉かもしれない。
アスタリオンが檻の中に見たものは、きっと彼自身の姿だ。アスタリオンはあのスポーンたちのことを、自分と同様、カザドールの被害者で生きるべき人間なのだと感じたのだと思う。
彼らのこの先の人生(おそらく相当長い)を想うとなかなかにきついが、うーん、せっかく数千人規模の労働力がいるのだから、アンダーダークに新しい産業を築いて生活基盤を整えられるといいよね。とりあえず貴茸の量産とかはどうかな。大儲けできそうだ。
詩歌の神ミリル
さて最後に、櫓の上で歌っている見知らぬ男に声をかけてみたところ、ここにきてとんでもないことを言いだした。
「宗教」のダイスチェックに成功してわかったのだが、この人は詩歌の神ミリルで、シアリックという神を怒らせて忘却の次元界へ飛ばされて以降、彼への信仰は薄れつつあったらしい。
で、シナビに助けてもらうための対価として、これまでリュヒテュちゃんたちのためにずっとBGMを流してきたってこと!? あの歌もこの歌も彼が歌ってきたってこと!? 神だから女声パートも歌えるってこと? マジで!?
リュヒテュちゃんがこう言うと、ミリルは大感激していろいろ歌ってくれた。
そうなってくるといよいよシナビの正体が気になってくるのだが、今のわたしはもうあれこれ調べて知っている。シナビって元ゴッドオブゴッド、本来死せる三者の権限全部を持っていた神(ジャーガル)らしい。それが死せる三者に権限を奪われるような形で引退したとか。道理で、あんなに死者の復活が困難でタブーっぽい世界なのに安価で蘇生をしてくれるわけだよ!!
シナビの勝利宣言
宴の夜は更け、最後にシナビのエピローグが。
お前=死せる三者のことっぽい。英語の二人称は単複同型なのだから、その you は「お前たち」と訳すべきではないのか。
どうもシナビの話を聞いていると、ネザーブレインが死せる三者に選ばれし者たちに支配されながらも逆に彼らを操っていたのと対になる形で、シナビもこの事態全体を把握しながら世界の均衡を保つべくリュヒテュちゃんたちにネザーブレインを倒させる方向で動いていたみたい。どいつもこいつもマニピュレイターだらけの世界だ。
で、最後の最後にとんでもないことを言いおった。
ちょっと待って、死せる三者って肝心なその部分を確認せずにこの計画を始めたの? どんだけ無計画??? これ仮に全部死せる三者の思い通りになっていたとしても、彼らはひとつも得をしないってことでしょ?
普通プロジェクト立ち上げのときって、最初は小規模に「このやり方で本当に望む結果が得られるのかな?」「このやり方に問題点・改善点はないかな?」みたいな部分を確認して、うまくいきそうなやり方がわかってからようやく大規模に予算やら人員やらを確保してとりかかるものじゃないの!?
なんで最初に数人をマインドフレイヤーにして魂を奪ってみて、パワーアップした実感を得てから計画を立てなかったの? 神にとって数人分の魂なんて誤差だから? こんなにも大規模に事を起こしてほかの神々にまで知られることになって、プロジェクトの前提になる部分が未確認だったとか……「知りませんでした」じゃすまないでしょ!
以前にもこのプロジェクトについて、そもそも死せる三者を信仰するような人がチームワークを必要とする事業に向いているとは思えない、死せる三者はもっと客観的な自己分析に基づいた事業計画を立てるべきだとめちゃくちゃダメ出しをしたことがあったが、それ以前の部分で全然ダメすぎる。三者とも猛省しろ。
シナビは最後にこう言ったけど、これってただの罵倒? それともジャーガルの権能で死せる三者を本当に消し去ったということ? D&Dの世界観的にこれは大丈夫だったんだろうか。
この世界における「魂」の定義がまだいまいちわかってないのだけど、ほぼ「意思」に近いものだと考えていいのかな。で、ソードコーストのような地上だとそれは目に見えたりしないものだけど、特定の環境下(地獄とかアストラル界とか?)では実体を持ち、会話もできるし、それを食ったらパワーアップできるという感じ?
ヴラーキスもカザドールも、魂を食らってパワーアップをもくろんでいたよね。
マインドフレイヤーが魂を持たないのは、彼らに自我や意思と呼べるものがなく、基本的にエルダーブレインと一体化したものだから?
皇帝やオルフェウスには意思があるように見えたけど、彼らも魂は失われているのだろうか。皇帝もオルフェウスも、マインドフレイヤーになったら魂が失われると知っていて変異したのだろうか。オルフェウスは知っていたかもしれない。魂が失われた状態で生き続けることになるのだとオルフェウスが知っていたなら、自分の意識が残っている間に殺してほしいと感じるのは、ますますわかる。
最後の最後にとんでもない情報をぶっこまれて混乱したが、まあとにかくすごい物語だった。
ラスボス戦後の選択肢だけでもどれくらい分岐があったんだろう。しかもコンパニオンキャラと対立するルートだってあっただろうし、よくこれだけの分岐を作りながら、物語として成立させて話を畳むことができたなあと、そこだけでももう舌を巻くしかない。ゲームの物量がとんでもない。
ぜひまた別の主人公でやってみたいと思わせるゲームであった。ダークアージのストーリーも見たいし、オリジンキャラ視点での物語も見たい。何周やればいいのかはもはやわからない。
このプレイ日記もまさかここまで長くなるとは思っていなかったが、ひとまずこれで完結である。最初から最後まで読んでくれた方がどれだけいるかわからないけれど、長い間お付き合いいただき、ありがとうございました!
次は、もうとっくに発売してしまった(うっかりネタバレを見ないように注意している)「百英雄伝」をやるぞ!