前回村が燃えたところまで進めた「百英雄伝」、いよいよ戦争が始まり、新たな本拠地を得て軍を興そうという話になった。
いやーこの懐かしい感じ!! 何もかもお約束どおりのこの感じ!!!
ここまでくると正直「ここまで幻想水滸伝に寄せて大丈夫か??」という気もしてくるのだが、まあ大丈夫だから発売したんだろう、たぶん。わたしはとても懐かしく楽しい。
ではさっそく、以下ネタバレ感想!(1行目に何もかもネタバレしているが)
幻想水滸伝シリーズへの言及も含むのでそこも注意で!
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戦争にはストーリーが必要
前回マイルドな村焼きに若干拍子抜けしつつも、帝国兵に追われてエルティスワイスに帰ってきたノアくんたち。
もちろん帝国側は手際よく「国境近くの村を襲った諸国同盟の警備隊の引渡し」を求めて進軍してきた。諸国同盟が原初の魔導レンズとやらをひとり占めしようとしているという噂も出回っているようだ。なるほどね。
警備隊一同はエルティスワイスを守るために立ち上がることになるわけだが、その際のこのペリエールお嬢さんの発言が実によかった。もうめちゃくちゃ「ゲームオブスローンズ」の最終章を思い出した。
これは「ゲームオブスローンズ」最終話公開直後に書いたわたしの感想だ。
時として、「物語」の前に「現実」は無力だ。
どんなに嘘くさい「物語」でも、人々が求めればそれは受容される。実際に目にした「現実」の意味すら「物語」に都合よく書きかえられる。しかもいずれ被害者になるかもしれない立場の人たち自ら、喜んで書きかえる。
(中略)
だって「物語」は「現実」よりもずっとわかりやすいし、気持ちがいいから。「現実」を理解するにはたくさんの勉強をして、学んで、考えて、省みて、それをずっとずっとやり続けないといけないから。
いや~今の「百英雄伝」のシチュエーションに何もかもあてはまりますな~!
帝国はこれを意図してやっている。「諸国連合が利益独占のために帝国を攻撃しようとしている」という物語を流布し、その架空のストーリーにもとづいて戦争を始めた。「どんなに嘘くさい『物語』でも、人々が求めればそれは受容される」のである。「だって『物語』は『現実』よりもずっとわかりやすいし、気持ちがいいから」。
そしてそれに対抗するために、ペリエールもまたこれを意図してやろうとしている。
それがどういう意味を持つのか彼女はちゃんとわかっているし、わかっていてあえてその手段を選ぼうとしている。毒をもって毒を制す!! いいわー! 推せる~!!
このブログを以前からお読みになっている方は百も承知だとは思うが、わたしは自分の行為が「悪」だという自覚のあるキャラが好きだ。
「帝国の卑劣な襲撃によって生まれ故郷を失いながらも戦うために立ち上がった」ノアくんを英雄に祭り上げて、軍を結束させるという「物語」。
「どんなに嘘くさい『物語』でも、人々が求めればそれは受容される」のである。「だって『物語』は『現実』よりもずっとわかりやすいし、気持ちがいいから」。
テンションぶちあがって戦争に突入し、特に難なくチュートリアル戦争に勝利したのだが。
Battle of Bastards におけるリトルフィンガーみたいに、いきなり大軍を連れてきたやつが現れた。声を聞いた瞬間、お、オズバルド先生そこで何してますの……と思ったが、今ぐぐったところやはりCV中田譲治さんだった。
このオルドリック公爵という人、先鋒が我々に蹴散らされることを見越して見殺しにしたんだな。なかなか愉快なキャラじゃないの。好きになれるかもしれない。
このセリフが本気だったら面白いな、とちょっと思ったけどそんなわけなかった。
勝算を感じたのかな、この世間知らずのお人よしに。
残念ながらこの坊やは、彼女の発言の意味や重さ、そこにある欺瞞に考えをめぐらせるだけの見識はまだなさそうだぞ。
そのうち出てくる人かな、それともノアくんのお父さんとかだったり? たぶん彼女が今の彼女のような見識を持つ人格に育ったのは、その人の影響なのだろうけど。
敗戦処理
で、意外と早い段階でこうなった。
この構図は幻想水滸伝なら一騎討ちが始まるところだよな~と思っていたら、本当に始まってしまった。マジでそのまんまやな!
一度セイくん視点でノアくんに攻撃するモードになって、これはびっくりした。というかやっぱり一般的に、左側におかれたキャラが「1P」なので、こっちがプレイヤーキャラっぽいよね?
普通にノアくんはボコられて倒されてしまったわけだが、どさくさに紛れて脱獄したらしいコゲン将軍が助けてくれて逃亡できた。ノアくんもセイくんもそれでいいのか。もうどこからつっこんでいいのかわからない。
きみたち、ペリエールはオルドリック公爵と立派に一騎討ちをしていたというのに、その様は何だね?(わたしの読みがまずかったせいである)
オルドリック公爵はペリエールのこの態度が気に入ったらしく、一同は堂々と街をあとにすることができた。けどまだノアくんたちと合流はできていない。どこで何をしてるんだ。
すぐにペリエールが合流したら普通に彼女がレジスタンスのリーダーになりそうだから、ストーリー的にノアくんがある程度リーダーとしての足場を固めてからの合流になるのかも。
なになに、オルドリック公爵って簒奪系ヴィランでもあるわけ? わくわくしちゃうな。
しかし帝国側の内情はわからないし、諸国同盟の事情も全然わからない。先日の小評議会めいた会議の参加者がその「諸国」のトップなのだろうけど。あの連中をひとりずつ味方につけていくというのが当面のミッションになるのかな。
本拠地ロンディニウム誕生
そういうわけでノアくんが新レジスタンスのリーダーになり、ペリエールのもとで働いていた数人がそのまま仲間に加入した。
まったくもってガオウの言うとおりだとわたしは思うのだが。
もうちょっとノアくんがこれだけペリエールに入れ込む理由を、プレイヤーにも理解できるように演出してくれていたらなあ。全体的に「信頼関係の構築」にあたるエピソードがないせいで、ノアくんが極端な世間知らずに見えてしまう。
まあ本拠地に立派な個室ももらえたし、細かいことは気にしなくていいか!
本拠地運営のためのインフラ担当キャラもいろいろ仲間になった。
こういう、およそRPGで仲間になりそうにはないキャラもガンガン加入していくのが幻想水滸伝の面白いところだったよなあ。
でもこの人は何を担当しているのかまだよくわからない。思う存分儲けてほしいが、もうちょっと人が集まらないと商売にならないのかな。
このセリフもなんて懐かしいことか。
もう一瞬で「オレンジ城!」ってセリフが頭に浮かんで、あーでもさすがにないよね、と思って選択肢を送っていったら、膨大な(膨大すぎん?)選択肢の末に「オレンジ城」が出てきてちょっと泣いた。いや泣くでしょそんなの。ありがとう、本当に……。
でもよく考えたら、わたしは今までの幻水シリーズで一度も「オレンジ城」とは名付けてないんだった。
となれば今回も自分の気に入る名前にするか! ということで、城の名前はロンディニウムに。ロンドンは思い入れのある街だし、わたしはキング・アーサー(2017)の民なので。「のんべえ横丁」とかにめちゃくちゃ魅かれたが、一周目でそれはないじゃろ、ということで。
うきうきでできたての本拠地を歩いてまわっていたのだが、井戸を調べたらあの廃坑に出た(廃坑の先の廃城を再利用したって話だったな)ので、もしかして前回来たときにいた道具屋さんをスカウトできるのでは? と思って進んでみることにした。
結果的に廃坑だけで3人の仲間を見つけられたわけだが、ひょっとしてこれ、城に戻るにはもう一度この廃坑を全部通る必要がある? 拠点に戻る手鏡はないの? というかファストトラベルはないの? ビッキーまだ???
ビッキーならこの世界に現れても問題なさそうな気がするが、考えてみるとビッキーが仲間になるのも割と中盤だったもんなあ。
まだ全然本拠地の探索ができていないが、せっかくなのでエルティスワイス周辺のマップをもう一度歩き回っている。結構仲間になりそうなキャラがいるな。どの街にも帝国兵が駐屯するようになってしまったが、ノアくんが話しかけても「異常なし!」とか言って完全にスルーである。指名手配とかされてないのか。
ノアくんの故郷にも戻ってみた。
マイルドな村焼きだなとは思っていたが、どの家も外側が少し焦げたくらいで、内装はひとつも損なわれていない。さすがにマイルドすぎるだろう。家財を失った人もいないんじゃないか。
ノアくんの妹さんは相変らず留守である。もはや実在が疑われるレベル。
ノアくんの保護者的な女性も仲間になるのではないかと思っていたのだが、こちらも不在。もしかしたらストーリーが進まないと仲間にならないのか?
突然の別ゲー
エルティスワイスを堂々と歩いていたら、いきなりイベントが始まった。イベントというかもはや別ゲーのノリである。
ベーゴマ云々の話は各地で聞いていたから、今作のミニゲームなのだろうとは思っていたのだけど、だいぶ力入ってんな。
寄せるのは幻想水滸伝だけにしとけよwwwww
思わず草を生やしてしまったぜ。
これ途中で別の開発チームが合流したん???
もうつっこみが追いつかんわ!!!
対戦画面を見て、あーこれはちんちろりん枠なのかな? と思い至った。ガスパー銀行からだいぶノリが変わったなあ。
ちんちろりんの胴元のくせにろくにサイコロを投げられずしょんべん連発だったガスパーからは無限にポッチを巻き上げたものだが、このミニゲームはチュートリアル戦以降、全然勝てない。もっと弱いベーゴマを持つ対戦相手はいないのか! 俺はもっと弱いやつを求めて旅に出るぞ!
もしかしてベーゴマは、ちんちろりん枠にして料理対決枠だったりもするんだろうか。何かドラマがありそうな感じがする。
本拠地の探索が終わらないまま仲間集めの旅に出てしまったわけだが、戻ろうにもまたあの長い廃坑を通らないといけないので、とりあえずこのマップで仲間にできそうな人は一通り仲間にしてから戻ることにする。
「百英雄伝」をプレイしていると、幻想水滸伝の思い出が次々と蘇ってくるのが面白くも不思議な体験だ。
思い返せば、わたしが「自分の行為が『悪』だという自覚のあるキャラが好き」になった原点はナッシュ・ラトキエだったよなあ。以降、あの手の胡散臭二枚目(半)みたいなキャラが視界に入るたびに、口を開く前から「わたしこのキャラ好きだろうな」と思うようになったのだった。
以前、久しぶりに会った妹たちと幻想水滸伝の好きなキャラの話をしていたときに、わたしが「ナッシュ」と言うとふたりとも声を揃えて「でしょうね」と言われたのが忘れられない。
ちなみに上の妹のお気に入りはジャックで、下の妹のお気に入りはフッチである。ふたりの現在の好みを知るわたしとしては「でしょうね」と言わざるを得ない。
幻想水滸伝、若者の嗜好に影響を与えすぎである。
なお「百英雄伝」関連の記事のコメント欄は、記事本文とは何の関係もなく好きな幻想水滸伝キャラを語るコーナーとしてご自由にお使いください。