「百英雄伝」のストーリーがいよいよ終盤めいてきた。
オルドリック公爵との決戦、占拠された町の奪還、そして勝利。
予定調和に終わりそうだった物語が、ある種の予定調和をもって一区切りついた。
さてこれ、どうしようかな……というところでの感想である。
クリア済みの方には何を言っているかわかると思うが、以下全力でメインストーリーの致命的なネタバレ感想につき、未プレイの方はお帰りください。
幻想水滸伝の内容も致命的にネタバレしているのでそのへんも注意で!
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ノアがリーダーとして立ち上がる
前回アンデッド軍にアスラバートを奪われ、撤退を余儀なくされた同盟軍。
ノアは降伏するか? それとも徹底抗戦か? で揺れていた。
が、まあ、ここで降伏したらゲームが終了してしまうので、プレイヤー的には抗戦一択である。
とはいえ、これはノアくん的にはリーダーとしての自覚や何のために戦うのかという目的意識を植えつけるためのイベントとして機能した。
ペリエールに頼まれ、その場の勢いで同盟軍のリーダーになってしまったノアくんが、ようやく自分の意思で帝国と戦うリーダーとしての覚悟を決めたのである。
ノアくんの理屈はこうである。セイからオルドリック公爵のやっていることを聞かされ、ハイシャーンでレンズ持ちの人間が強制連行されていることも知った今となっては、降伏も和平交渉も意味をなさない。同盟領に生きる人としては抗戦しかないのだった。
そういうわけで、マールリッジは勝利のための策を練り、ノアくんは再び仲間集めの旅に出る。
仲間集めの旅
バババのおかげで仲間集めは順調だった。
順調ではあったが、これ仲間集めのためにミニゲームを全部やらないといけないんだな!? めちゃくちゃ大変だな?
というわけで料理対決を進め、カードパックを買い漁り、各地を飛び回った。
このチャレンジをやってみたところ、レベルが爆上がりしてしまい、メインクエストの敵が軒並み「逃がす」扱いになった。
時計を探すのには苦労したなあ。
レンズハンターたちのお手伝いもやった。ひょっとしてイーシャの町には結局行かずに終わってしまうのだろうか? あとはバババに金を払ってサイドストーリーを確認してねってこと?
料理対決は終わりが見えない。四属性の四天王には笑ってしまった。あと毎回名前で笑わせにくるな。
戦場ですら誰も死なない(モブはたくさん死んでいるが)ゲームなのに、なんで料理対決で死者が出るんだよ!!!
この展開は!!!!! 知ってるぞ!!!! ドーピングコンソメスープ的なアレでチートしてくる料理人だ!! 幻想水滸伝2でもいたから知ってる!!!
お前も食っとるんかい!!!!!!!!!1111
このゲームの中でいちばん笑ったかもしれん。
またやべーのが出てきたな。なんでこんなのが料理人を志すことにしたんだよ。料理人とかやめて、うちのMP(マッスルポイント)の高い魔法使い()に弟子入りしろよ。
これまた重要な局面でコントラバーシャルな料理を出してきたな……。
ちなみにわたしはパイナップル酢豚もパイナップルピザもパイナップルチャーハンも大丈夫というか、むしろ好きだしメニューにあったら頼む方だ。だが誰かとシェアする場面では一応大丈夫か確認する。
パイナップル酢豚が受け入れられるかどうかは審査員のメンツ次第なところはあっただろうが、いずれにせよこいつはデザートでフカヒレスープを出してきたので勝利には至る道は閉ざされていた。
グランドブダペストホテルか!? ってなったやつ(すっごく似てたしやっぱりオマージュなんだろうか?)。
こ、このレースは解放するだけでいいんだよね?
ちょっとやってみたけど、全グレード制覇しようと思ったら戦争なんかやってる場合じゃない事態になりそうなので、ひとまず後回しである。
アンデッド無力化作戦
このほかにもいろいろなことがあったが諸々割愛して、メインの話に戻る。
どうやらミランは本当にシエラ枠の人だったらしい。
そして前回完全に「???」だったのだが、スケルトンの王マーカス(骨)と、デェイラード(顔色の悪いイケメン)はやはり別人だったらしい。というか仲間ですらなかったっていうかむしろ敵対していたらしい。な、なんだってー!!?
しかもマーカスが仲間として加入することになった。マジか。ロンディニウムの衛生状況が悪化するんじゃないか。風呂に腐乱死体を入れたくないんだが。
一方、前回アスラバートからひとりで逃げ出したサラスはきっちり帝国軍に捕まっていた。
この後ロンディニウムの場所がバレてしまったみたい。まあ普通に交易所とか開いていたし、周辺各地から買い物客も移住者も増えていたし、それなりに大規模な経済拠点になっていたから、発見できない方がどうかしてるんだけどね。
マーカスと一緒に死者の城を奪還することになった。
やっぱりネクロード城では???(ステンドグラスのある部屋でパイプオルガンを弾いてなかった?)
でもあの結末を見ると、ネクロードというよりはクライブ、エルザ、ケリィの関係に近かったのかなと思ったりもした。マーカスの過去も視てもらわないといけないな……。
メリサの一騎討ちは熱かったなあ。ドット絵でよく動く。戦闘は結構シビアで、2回死んでしまった。一騎討ちはもともと死に覚えゲーだもんな。
決戦前夜
さて、これでアンデッド問題は解決した。あとは帝国と正面からぶつかるべし。
決戦前夜はお決まりの夜イベントである。
ノアくんが「こんな感じ」に育ったのは、父親の影響だったようだ。
ノアの父親は、村が賊に襲われたときに村を守るために戦って、亡くなったらしい。村が賊に焼き討ちされたときすら死者は出なかったのに、よほどガチの賊だったんだな。
今の彼は、父親も今の自分と同じ気持ちだったのだろうと考えられるようになったという。結局はそれが、ノアくんの成長の行きつく先ということかな。この父親という人がここまでもう少し話に絡んできていたら、もうちょっときれいに決着がつきそうに思うのだけど。
マールリッジはこう言うが、そうは言っても、どれだけその心が強くても、1万対1とかの戦力差では勝負にならない。「心」でひっくり返せる程度の戦力差にまで持ち込むのが軍師の仕事だ。そして彼はその意味で、よくやってくれている。
このシーンは一瞬「えっ!?」と思ったね。もちろん何かの策だろうなとは思ったけど、だいぶマジなトーンだったので。
そしてこの後のシーンを見るに、この時点でヴォルディスはペリエールの意図をある程度察していたわけだな。
だからこそのこのセリフだったわけか。
「グリュム伯ともあろう人が、そんな卑怯なだまし討ちのために命をかけるなんて」と思われたのかな。
そして、ヴォルディスの発言の意図を汲んだ上でこう返事していたわけか。うーんスクショを見返すと二度おいしい!
これは目の前にいるヴァールモーリス(毎回ヴァラー・モルグリスに空目する)を欺くセリフであると同時に、ヴォルディスを揺さぶり、勧誘するセリフでもあった。
「名とか名誉とかよりも大切なもの」がお前にもあるはずではないのか、とペリエールはヴォルディスに問うたんだな。誓いのためにこのクソ感じの悪い上司に命を捧げる人生で本当にいいのか、と。
これは思わず「あらあら~~!」と言っちゃったやつ。
セイの父親はなんだかんだ言って、自分の子を守るために、あとやっぱり帝国をあるべき姿に戻すために尽力していたらしい。しかし現皇帝からの勅令が出るとはね。
前皇帝と現皇帝の姿が全然出ないのは、完全に人格を削ぎ落した舞台装置として機能させるためか。
ゴルドウィン将軍は降将枠のキャラだったりするのかなと思っていたが、そういう流れでこちらにつくわけね。
ロンディニウム防衛戦
決戦当日、城に集まる一同。
まだ最終決戦ではないと思っていたのだが、なんか盛り上がり方が最終決戦っぽいことに嫌な予感を覚える。幻想水滸伝を周回しているので。
ゴクトーさんが武器を揃えてくれてたんだ!? その最高の武器とやら、パーティメンバーにも支給してくれないかな。
開戦直後、いきなりターガリエン一族みたいなことを言いだすオルドリック公爵。
前線でドラゴンが大暴れしてたら互角にも持ち込めなくね? と思ったが、その点はこちらも対策をとっていた。まあ、あんなのがいるという話はセイから聞いていただろうからな。
ツリーフォークの古老が緊急参戦である。
こんな有機物、ドラゴンの炎で簡単に炭化しちゃうんじゃないかと思ったけど、そこはレンズパワーでなんとかなるらしい。ドラゴンもレンズパワーで造られたものだし、この二体は対等の力があるってことでいいのかな。
怪獣大戦争は戦場の盤外でやってもらうことにして、人間対人間の形に持ち込んだ。
このタイミングでキーナーン勢に合図を出し、逃亡の手筈を整えてもらうペリエール。ドラゴンによる快進撃の予定が怪獣大戦争になってしまったとはいえ、まだ戦力では帝国軍が圧倒的優位。逃げたくなるのは当然だと納得しているヴァールモーリス。向かってくる敵軍に攻撃をしないよう通達がまわった。
ここでデェイラードから取り返したレンズの力を使い、アンデッド軍を消滅させる。これのために、メリサは今回の戦争は不参加だったんだな。
敵の戦力を落としたところで、エルフ勢とアスラバート勢が参戦!
アスラバートが落ちてから今まで結構長い時間がたっているが(仲間集めに奔走したせいで)、今までどうやって野営してたんだろ。物資とか、アスラバートから持ち出せたんだろうか。それともマールリッジとゴクトーさんたちが密かに支援してた?
そしてここでキーナーン勢が離反!!
ヴォルディスだけではなくヴィースキンやその他モブ兵たちも大量離反したところを見ると、ヴァールモーリスはだいぶ人望に欠けていたようだ。
開戦早々に、せっかくの戦力差が埋まりつつあるのを見たオルドリック公爵はさすがに焦ったらしい。
あの布陣からして、左翼に陣取っていたゴルドウィン将軍を先陣として突出させるのは良策とは言えない気がするが、やっぱり焦っていたということだろう。
しかしゴルドウィン将軍のところには「父の敵を討て」という現皇帝からのお手紙が届いていたわけで、「皇帝陛下からの命だと思うがよい」とかいう地雷を踏んだオルドリックは完全に敵認定された。
キーナーン軍もゴルドウィン隊も、うまくオルドリック隊を挟むように配置されていたわけだけど、これはオルドリックの指示での配置だったのかな。それとも最初から機を見て離反するべくこの場所を希望したのかな。
マールリッジの作戦がリスキーすぎたという暴露。これが「人の心を動かす策」ってやつか……。
こっちもだいぶこき使われてんな。でもその工作が実って、現皇帝のお手紙をゴルドウィン公爵に届けられたわけだ。味方にも遊んでるやつだと思われていたのが気の毒だが。
そういうわけで戦力はほぼ均衡どころかこちらが優位に。しかも相手は度重なる離反でテンションだだ下がり。自分も寝返った方がいいのでは? と考える兵もいただろう。
あとはもう、ほとんど一方的にボコるだけだった。1マスに4部隊以上は入れないせいで一部渋滞してしまい、交代制で殴ったくらいだ。
戦局はほぼ決着がついたところで、ノアくんたちがオルドリックを討ちに敵陣へ切り込む。ここ、敵モンスターは倒すと消えるのに、敵兵は死体が残るんだよね。人が死んでるんだな感を味わわせてくれる。
が、ここでオルドリックはアインリッヒをおいて逃亡。アインリッヒはオルドリックを守るべく立ちふさがった。
アインリッヒは自らレンズの力を暴走させてきた。
セリフから察するに、アインリッヒはヤエルのように生まれつきレンズの力を持っていたのかな。その力を制御しきれずに、家族や恋人の命を奪うことになった。そのアインリッヒを救い、制御リングとやらを渡して力を制御できるようにさせたのがオルドリックだった感じか。で、たぶんレンズ研究の被験者兼親衛隊としてそばにおいたんだな。
デェイラードといいアインリッヒといい、何があったのか詳しく描かずに察してもらう加減は面白いのだけど、ここはもうちょっとつっこんだ深堀描写も見てみたかったかも。
祝勝会、そして……
オルドリックは逃したものの、ロンディニウムは防衛しきった。同盟軍の勝利である。ここは祝勝会である。
祝勝会の合間に残念なおしらせが。アスラバートからひとり逃亡して帝国軍に捕まっていたサラスが獄死したという。この言い方だと、ぼかしているけどたぶん拷問されて口を割らないまま死んだのだろうな。
ただプレイヤー的にはサラスに対して何の思い入れもないので「ふーん」程度の感想にしかならないのが惜しい。
サラスが口を割らなかったためにオルドリックがロンディニウムの場所を突きとめるのが1週間は遅れ、そのおかげでこちらがゆっくり戦争の準備をすることができたとか、平時のサラスは良い為政者だったとかあれこれフォローが入ったものの、プレイヤーの前ではあたふたした挙句市民を見捨ててひとり逃亡したクソ野郎の姿しか見せていないので、やっぱりあんまり感情が動かないんだよな。
その晩、ノアくんの部屋を訪れるペリエール。ここまでのお礼を言いに来た。貴族の子女が、殿方の部屋で誤解させるようなムーブはよくないですぞ。でも結局、ペリエールの好きな人って誰だったんだろ。
翌日、勝利宣言をする彼らを狙うあの野郎が。
あ……と思っていたら、ヒュースバインの放った矢はノアくんをかばったペリエールに刺さった。なんてこった。
いやもうね、ここまで幻想水滸伝2をなぞってくるなら、ナナミ枠のキャラもいるんだろうなと思ってたよ。でもリャン先輩は露骨にナナミに似せた外見、言動の割にあまり思い入れもないから、彼女が死んでもそこまで盛り上がるかと言われると微妙だと思っていた。でも彼女のナナミに似せたキャラクターはミスリードだったんだな。
そんな毒どこから手に入れてきたんだよ。
試練の遺跡で捕えて投獄されたのだからこのへんに装備を隠しておくことはできなかっただろうし、持ち物は全部奪っていただろうに。
ペリエールが守ったのはノアくんではなく「希望」なのだという。
このへんはグレミオやナナミとは違う描写で面白かったなあ。グレミオにとってはぼっちゃんが、ナナミにとっては2主人公が、「個人的に」何よりも大切な守るべき人だった。そのことを繰り返し言葉でもアピールしていた。だから彼らは自分をかえりみず主人公を守った。
一方ペリエールはノアに対してどの程度「個人的な」思い入れがあるのか、はっきり語られていない。ノアは大切な人材であることは間違いないが、それはあくまで「同盟軍のリーダー」として適切な能力を持つ稀有な人物であるというだけだ。極端な話、「同盟軍のリーダー」を務められる能力があれば、ノアでなくてもよかったはず。
でも彼女は、「同盟軍のリーダー」として適切な能力を持つ稀有な人物=「希望」だとみなしていて、その希望を守った。ある意味で、それは個人的な感情から「大切な個人」を守る行為よりも崇高と言えるかもしれない。
ただこの前夜、彼女は「私の好きだった人に似てる気がしてたんだけど全然違った」と言っている。「私の好きだった人」が誰であったにせよ、「その人とは別の存在として」ノア個人のことを見るようになった宣言ととれなくもない。ここから始まるフラグだったのかもしれない、とか。
わたしとしては、ペリエールにもやはりそこまでの思い入れはない。だが彼女のキャラクターは面白いと思っていたし、彼女が好きだった人って結局誰だったんだろうとか(もしかしてこれもバババに金を払う案件か?)、あとはまあ単純に、ここまでの絵を描いたのは彼女なのだから、その結末を一緒に見届けたいとは思っていた。
で、悩んだ。
さてこれからどうするか。
幻想水滸伝シリーズのお約束に立ち帰ると、この時点で仲間キャラクターを全員そろえていれば彼女は生存するはず。たぶん。
セーブデータを確認すると、デェイラードの城に向かう前のものが残っていた。
バババのところに確認に行くと、ベーゴマバトルのリードくんと、料理対決の最後に仲間になるっぽいキャラと、あとはリーンが残っている。リーンはどうすれば仲間になるんだろ? メインシナリオで仲間になるものだと思っていたのだが。
これはもう、あれだな。
「……という夢をみたんだ」と呟いて、時間を巻き戻すか。今回のプレイ日記の半分以上が夢になってしまうが、プレイ時間的には仲間キャラを集めるパートの方がよほどかかっているので、そこが生かせるなら二回目のダンジョン攻略にはそこまで時間はかからないだろう。
ペリエール死亡のまま一度はエンディングをみておくべきかとも思ったのだが、何しろ来週には「黄金のレガシー」が発売してしまう。
そういうわけで、今のデータはとりあえず残しておいて、先に以前のデータでやりなおすことにした。
よし、料理対決とベーゴマバトルをがんばるか! ベーゴマは、ダイクストラを仲間にするときに行った大岩亀でだいぶ強いのを拾えたのでなんとかなりそう。
よし、首を洗って待っていろよデェイラードおよびアインリッヒ!!(再)