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「プロジェクトブルーブック」2-6 未知との遭遇

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https://twitter.com/TaraDBennett/status/1232363273707589632

「プロジェクトブルーブック」S2に入ってから脚本のレベルが上がったなーとは思っていたが、2-6はまた格別だった。構成が上手いし面白い。査問会という動きの少ない回に上手にメリハリを作っている。そしてある意味スペシャルな回でもあった。

プロジェクトブルーブックを畳もうという動きからCIA主導で開催されたロバートソン査問会。今回はこの難局をハイネックとクインがどうやってのりきるかという話。

今週の史実予習動画。ロバートソン査問会について。リアルハイネックも顔を出している。

バンクスの人からの番宣。ダッジだ! かっこいいー!

「サプライズ」と言いながら予告でチラ見せしていくスタイル。この日の朝にこれを見てびっくりしたからね! 博士が! 老けてる! リンク先にさらに画像&公式ポッドキャストあり。

メネルさんからも番宣ツイート。

このふたり、S2のうちには再会しないのかな……。

 

www.youtube.comで、これ。

なんだこの……美……博士……1976年……? 

未知との遭遇」の撮影現場にいるハイネック博士の再現場面である。いきなり20年分老けた博士、銀色の前髪が美しい……。パイプを咥える仕草が本人そっくり。冒頭の5つの音も「未知との遭遇」からもらってきたもの。

こんなの予告で出されたら、かぶりつきで見るしかなくない!?

出演者たちにとってもサプライズだったらしくて、ギレンさんもメネルさんも最初に話を聴いたときはジョークだと思ったらしい(詳しくは公式ポッドキャストで!)。

そんなわけでS2も後半に突入するブルーブック、盛り上がりも最高潮だ!

以下ネタバレ全開記事。

 

 

オレリーPによる実況&解説

今回はいつも以上にテンション高く実況するP。そりゃこんな展開、クリエイターにとっては夢みたいじゃないかな。

これはもう周知の事実だけども。ハイネック博士は「未知との遭遇」のテクニカルアドバイザーをしていて、作中にカメオ出演もしている。

これがそのカメオ出演の場面。

ちゃんとスピルバーグ監督に許可をもらって作ってます!

冒頭の5つの音「B-C-As-As-Es」かな? 映画音楽史に残るこの音も、「未知との遭遇」から許可を得て使わせてもらったそう。

CIAはプロジェクトブルーブックの集めたUFOの証拠を検分したかったそうだが、目的はそれだけではなかった。

ハイネックによる接近遭遇の定義。ウィキペディアに詳しい日本語訳があるのでリンクを添えておく。

接近遭遇 - Wikipedia

 

デイヴィッド・ドゥブロフスキーに関する史実レポ。番組を見てから読んでね!

デイヴィッド役の人のほかの出演作。

1-6に出てきたリズートさん再登場!

ザ・ソプラノズ」はずっとわたしの見たい作品リストに入っているのだが、まだ見る機会がないのだった。

あのマークも何なのか……。S1から引っ張られているのだけどわからない。

スピルバーグ監督からあの音の使用許可がおりたとき、オレリーPたちは喜びのあまりしばらく「スティーヴンの音を使えるんだ……」とぶつぶつ言いながら徘徊したらしい。そりゃそんなことになったらクリエイターとしては平常心ではいられまい。

1953年当時の5000ドルといえば、今でいうところのおよそ48,000ドルである。

博士と大尉が見た流れ星も、スピルバーグの「ジョーズ」へのオマージュ。

博士たちはいったい誰と話してたんだ……。

科学に先入観は禁物。リアルハイネックは「プロジェクトブルーブック」後の人生をUFO研究に捧げたのも周知の事実。

 

decider.com

これはデイヴィッド役の人のインタビュー。ブルーブックの撮影についても少し触れられている。

マリアナ事件のフィルムは史実のロバートソン査問会でも紹介されたもの。S1でこの事件を扱う予定があったが、別の方向に進むことになったらしい。

そのマリアナフィルムのうち最もよく撮れていた部分(「回転するディスク」が写っていたとか)は没収されて戻ってこなかった。ええ……。

ロバートソン査問会はプロジェクトブルーブックが発見したものにはあまり興味がなく、人々がUFO現象を信じないようにさせることと「UFOヒステリー」の鎮静化が主目的だった。

そしてリアルタイムで実況ツイートを眺めていたとき、この後からの視聴者の阿鼻叫喚を見て何事かと思ったものだった。まあうん、あれは阿鼻叫喚になるよ……。わたしだって How dare you!? って叫んだよ……。

そこへ颯爽と現れたデイヴィッド!! プロジェクトブルーブックを救えるのは彼だけ。彼だけなんだ……。

デイヴィッド役の人のこういうさりげないせりふが好きなP。

空飛ぶ円盤とのポジティブな経験にフォーカスすること、宇宙人は恐れるべきものではないという考え……このへんはこの番組の中ではちょっと新しい切り口だったかも。

でもデイヴィッドにとりついてた(?)宇宙人(?)は明らかに博士と大尉のことも査問会のことも知ってる感じだったし、宇宙人にしては地球の事情に詳しすぎる気がするんだよな。

またまた思わせぶりな~~!

バンクスのしたことは、我々にはまだわからない方法でハイネックを助けるためだった可能性もある……? 彼の出番はまだあるらしいから、期待しとくよ!

でも1976年の博士が査問会を思い出しながらあんなに悲しそうな顔してたのを見ると、バンクスとはあのまま喧嘩別れだったのかという気もしてしまう。

このドラマ立ち上げのとき、Pたちはアメリカ文化やUFO史におけるハイネックの役割と「未知との遭遇」を強調したらしい。その頃はまだ、その映画をドラマの中で再現できるとは思っていなかった……というのは、そりゃそうだろうなあ。この回がスタッフたちにとっても特別だったのが伝わってくる。

スピルバーグ監督自身がハイネックについて語った動画。

このツイートを見てちょっと目頭が熱くなってしまった。

ハイネック博士が「未知との遭遇」にカメオ出演したのと同じように、博士の息子のポール・ハイネックが今回のエピソードの最後のシーンにカメオ出演しているのである。ラストシーン、博士とミミが並んで歩いていく後ろにいるカメラマンがポールさんだ。ちなみにポールさんは番組のコンサルタントも務めている。

今回のポッドキャストのいちばん面白かったところが抜粋されてる!

ギレンさんがメネルさんに「『未知との遭遇』をやるらしいよ」と話したときのリアクションとか、メネルさんに「あのおひげ素敵だった」と言われて照れながらお礼を言うギレンさんとか、とにかく仲がよさそうで楽しそうで、聴いてるだけでニヤニヤしてしまう。

ダニエル・バンクスは再登場するよ!

2-6に関連した史実などをまとめた記事の紹介。この記事面白そうなんだけど、まだ読めてない。

美…………。

ほんとブルーブックスタッフはエイダン・ギレンを美しく撮ってくれて感謝の言葉もない。

2-6舞台裏紹介!

最後にギレンさんのインタビューもある。ポッドキャストによれば、1976年のシーンを撮ったのは撮影最終日だったそうだ。

カメオ出演のためにスタジオにいたポール・ハイネックは最後にスピーチをしたらしい。彼にとってこの撮影がどれほど大切なものだったか、この場所にいられたことがどれほど感動的だったか。そして彼の父親が、今みんながここでこんなドラマを作っていると知ったらどれほど喜ぶかと語ってくれた。その場にいたみんなが涙したそうだ。

リアルハイネック自身が「そんな人」だからこそ、ハイネック家のみんなもドラマに大して協力的なのだろうと思う。

そういえばポールさん、UFOコンか何かのイベントで「ゲームオブスローンズのスーパーヴィランが自分の父親役をやるのって悪くないよ、みんなも試すべき」とか話してたな(これも公式ポッドキャストで聴ける)。試したい人は世界中にいるはずだ!! ポールさん、もっと幸せをかみしめて!

そのポールさんがラジオにも出たらしい。

で、7話の予告! ホラーじゃねーか!!!!(ホラーは苦手)

ええ……6話が会話中心劇だったからってそんな……。だ、大丈夫かな……。

これは東欧版S2予告編っぽい。使われている音楽がアメリカ版とは違って、こっちもかっこいい。

www.youtube.com

最後に、5分でわかる2-6まとめ動画。過去最高にネタバレ全開だな公式よ。

 

感想

脚本の上手さで言えば、今回はシリーズの中でも最高レベルじゃなかった?

ロバートソン査問会はプロジェクトブルーブックとハイネックにとって最悪の出来事で、しかも「査問会」なんだから動きもあまりない。そのエピソードと「未知との遭遇」撮影というハイネックのキャリアの中でも最高の瞬間を組み合わせてひとつの話をつくるというアイデアが、がっつり成功した感じ。

打ちひしがれたハイネックを見るのはつらいけど、その彼にはこの先こんな輝かしい未来が待ってるんだよ! というのを同時に見せて、視聴者が負うダメージも最小限にしてくれた。

ただ、1976年のハイネックにとってもこのときの出来事が振り返るのもつらい思い出になっていることもよくわかった。バンクスてめえ表出ろ(大尉並感)。

しかし1976年にはもう、クインのモデルになったルッペルト大尉は亡くなっている(1960年に37歳で、心臓麻痺で亡くなっているという不審さ)。あの場に彼がいないのは、そういうことなんだろうか。クインは死なないでほしいな……。

 

さてここまで割とアクションありのサスペンス的展開が続いたが、今回は会話中心で、逆転に次ぐ逆転の法廷ドラマみたいなノリ。1時間ドラマとは思えない濃い内容だった。

「プロジェクトブルーブックを救えるのは彼だけ」という言葉がそんなふうに活きるとは。確かにきみがいてくれて助かったよ、デイヴィッド。でもその彼をあんなふうに扱うことも、ハイネック的には胸の痛む話だったんじゃないかな。

クインのスピーチは本当にかっこよかった。バンクスとの対峙も。「そっちがそういうやり方で攻撃するなら、『そういう世界』で生きてない博士を守るのは自分だ」みたいな覚悟を決めている感じ。ファンから「プロテクティブクインモード起動」と言われているのに笑ったけど、考えてみると割と毎回のようにプロテクティブクインだよな。でも今回みたいにアクションではない方法でハイネックを守ろうとするシーンは貴重。

 

そしてこれは何度言っても言い足りないわけだが、20年分年をとったエイダン・ギレンをあんなにも美しく撮ってくれて本当にありがとう……。表情とか仕草とかがリアルハイネックにそっくりだし、50年代のハイネックとも微妙に違って、時間の流れを演じ分けているのもしみじみとすごかった。背広を肩に引っ掛ける仕草がすごく好き。

この話が次回からどう動くのかは見当もつかないが、バンクスというかCIAが次の一手でどう出るかに期待したいところ。

 

ついでにギレンさん出演の新作映画 Rose Plays Julie の新トレイラーも貼っとくね!

www.youtube.com

ssayu.hatenablog.com