なぜ面白いのか

見たもの触れたものを保存しておく場所。映画、ドラマ、ゲーム、書籍の感想や考察。

マイケル・クイン大尉の魅力「プロジェクトブルーブック」2話感想&シーズン2情報

Embed from Getty Images

先週はサンディエゴコミコンで大騒ぎして「プロジェクトブルーブック」2話の感想がまだだった。

Flatwood's Monster のネタバレ感想、いってみよう。

これは2話のロケ中にマラーキーさんが撮ったギレンさんの写真。いったいどれだけ秘蔵画像があるんだ……。マラーキーさんのエイダン・ギレンフォルダ、もっと火を噴いてほしい。

撮影の日はとても寒くて、霧が濃かったらしい。あの幻想的な森の景色はほとんど天然ものだそうだ。

 

 

マイケル・クイン大尉の魅力

前の感想ではハイネック博士の魅力を語り倒したので、今回はクイン大尉について語ってみたい。

大尉のキャラ作りのいいところは、決して脳筋ではなく非論理的でもなく、単なる懐疑主義者なキャラにもなっていないところ。

彼が「空飛ぶ円盤など存在しない」と繰り返すのは、そう主張することが彼の仕事だから。仕事をうまくやることが出世につながるから。彼の本心はほとんど明かされないまま話が進んでいく。

序盤のクイン大尉にとって、「自分の本心」などというものはあまり意味をなさない。命令に忠実な「良い軍人」であろうとしている。

しかし大尉は、博士の言葉や考え方を少しずつ理解し始めている。

ギレンさんもインタビューで語っていたように、博士と大尉は対極にいるふたりではない。ある意味で似た者同士である。どちらもプロフェッショナルで、理性的で、自分の仕事のためにはこのパートナーが必要だと理解しており、方向性は少し違うもののどちらも野心家である。

だからこそ、今はまだどうにか意思疎通が始まったといえるレベルだが、これから同じ目標を目指して動いていくことになったときが楽しみでならない。

 

大尉は心理学をかじっており、ときどき心理学用語を使って状況を説明する。博士をプロジェクトに引き入れたときも心理学的なテクニックを使っていた。

なぜ空軍の大尉が心理学を学んでいるのかというところが、わたしは引っかかっていた。いずれDCに行くときのことを考えて人心掌握術のためにでも学んだのかと最初は考えたが、おそらくこれはむしろ大尉の過去と関係がある。第二次大戦期および朝鮮戦争を経て冷戦に至る現在まで、大尉は軍の中で「何」をしてきたのか。「エースパイロット」として知られる大尉の仕事は、本当にパイロットの仕事だけだったのか。

大尉の過去についてはごく一部、このあとの話で語られる。が、やはりほとんどは謎に包まれていて、気になってならない。S2ではもっと語られてほしい。

 

「家」や「家族」についての描写は、博士と大尉で対照的だ。

2話の終盤、自宅にいる博士に大尉が電話するシーンがある。「家はいいね」と話す博士に、大尉は「だろうね I bet」と応えた。そう言う大尉は、まだライトパターソンのブルーブックオフィスにいる。彼には帰る「家」はないのだろうか。少なくとも「家はいいね」と言えるような場所はないように見える。

Embed from Getty Images

これはそのオフィスのセット。

チェス盤とか模型飛行機とか、大尉の私物らしきものがいろいろあって面白い。だがこういう場所によくある家族写真的なものがないのが、わたしには気になる。(まだ50年代なので、職場に写真を飾る習慣がどこまで一般的だったのかはわからないが)

大尉の過去に何があったのか、私生活がどうなっているのかについても、S2でもっと詳しく語られるのを期待している。

 

2話の見どころ

・冒頭で博士がすでに「南極」に注目している

・博士の息子くんに「戦争中はいっぱい悪いやつを殺したの?」と聞かれる大尉

・いきなり銃を向けられることに慣れていない博士とめっちゃ慣れてる大尉

・目撃者の少年と視線を合わせて語る博士(表情が優しい……)

・猩紅熱にかかり、丸一年ベッドから出られずエンサイクロペディアブリタニカを2周したアレンくん(7さい)

・博士も木から落ちる(エンサイクロペディアブリタニカには木登りについて書かれていなかった模様)

・珍しくビールを飲むふたり

変な声で鳴く博士と、大尉のリアクション

・車にはねられかける博士(道路の真ん中で立ち止まったら危ないよ!!)

・博士にフォローの電話を入れる大尉

このへんかな……。

例の彼女がなぜ死んだのか、なぜ死ななければならなかったのか、帽子の人が彼女の死にどうかかわっているのか、わたしはいまいちわかっていない。10話まで見たあと2話に戻ってくるとさらに混乱する。

帽子の人はなぜ博士にあんな形であの写真を託したのか。あの図形は何を意味するのか。謎は増えるばかりである。

 

2話のトリビア

サラ役のブルック・スミスは「羊たちの沈黙」で連続殺人犯に誘拐されたキャサリン役の女優さん。舞台裏のギレンさんの素敵な写真をあげてくれた。

バーのシーンは、S1撮影最終日に追加で撮られたらしい。終わったあとの記念写真がとてもかわいらしい。そして相変わらずいちばんはしゃいでいるエグゼクティブプロデューサー氏

目撃者の一家が住んでいた家は、2008年に撮影された X-Files でモルダーが住んでいた家らしい。

作中にたびたび出てくる三角形と円を組み合わせた図形(博士が目撃してメモをとったアレ)は、Back to the Future に出てくるタイムマシンの装置とそっくりな形。あちらもロバート・ゼメキス監督だった。

 

シーズン2情報

コミコン絡みで出てきたシーズン2情報と、現在撮影中の様子についても添えておく。

https://www.denofgeek.com/us/tv/project-blue-book/282430/project-blue-book-season-2-the-cast-reveals-what-lies-ahead

ブルーブックパネルの文字起こし!

マクドノーさん的には「ハーディングは大尉のことを疑ってなくて、博士に対しては危機感を抱いている」らしい。大尉のことは「若いバージョンの自分自身」だとみなしているとも。大尉は少しずつ国に対して疑念を持ち始めているが、ハーディングはまだそのことには気づいていないということか。一方で博士については怪しんでいるみたい。

また博士とハーディングの対立シーンをもう撮ったと話している。これについてはギレンさんもインタビューで話していた。かなりいいシーンになったらしいのでとても楽しみだ。

https://www.denofgeek.com/us/tv/project-blue-book/282433/does-the-project-blue-book-cast-believe-in-ufos

これもパネル絡みの記事。UFOについてのキャストやスタッフの考えについてまとめられている。

 

コミコン後、キャストのみなさんはすぐにバンクーバーに戻って撮影の続き。

電話ボックスの中にギレンさんが! サスペンダーつけてる!!

ふたりとも夏服である。S1は冬のバンクーバーで撮影したからとにかく寒かったようだが、今回は夏のバンクーバーで過ごしやすそう。

 

www.instagram.com

このギレンさんは博士が滲み出ている。

 

deadline.com

シーズン2の新キャラキャスト紹介記事。

www.youtube.com

このインタビューでも話題に出てきた「民間のUFOグループで出会うミミの新しい友達」役はキーア・オドネルさんに決まったらしい。記事を読む限り、この新キャラは博士と若干キャラがかぶる気がするのだが、夫婦関係は大丈夫だろうか。

S1の撮影時期に比べると注目度も高く、目撃情報がたくさんあって嬉しい。もっと漏れてきてほしい!

 

 

2話放送当時の記事はこちら。撮影裏話や史実解説コーナーがまとめてある。

ssayu.hatenablog.com

ssayu.hatenablog.com