この記事にはレベル89討滅戦とその後のクエストまでのネタバレが含まれます。
ここに至るまで長い長い道のりだった。
いろんな土地を旅して、たくさんの人に出会って、多くの戦いを乗り越えてきた。
光の戦士の旅路は、人々の心を動かしてきた。味方はもちろん、敵の心も。
その結実としての「今」がある。
この旅を続けてきてよかったな。
サブクエストのひとつひとつまで楽しんできてよかった。
そういう素直な感動とともにたくさん泣いた。
心が浄化されすぎて、わたしまで生きたまま星海にたどり着きそうだ。
もうこのまま一気にクリアしてしまいたい気持ちなのだが、漆黒のことを考えるとここからまだ七転八倒がありえると思って、ここまでの感想を残しておくことにした。
この先、レベル89討滅戦とその後のクエストまでのネタバレ注意!!!
異執のアモン
いやひっぱるねきみも!
そうだね、そりゃここのボスはきみだよね!
ここまで「ゾディアーク」を倒し「ヘルメス」を倒してきたけれど、どちらも「ククルカくんの敵」ではなかった。このブログでも何回か書いてきたように、終末を望んだのは「アモン」の自我である。「敵」はずっと「アモン」だった。
5.4以降、ファダニエルは果たしてエメトセルクを超えるほどの敵になり得るのかというのがわたしの関心事だった。あれだけプレイヤーの心を掴み、共感させ、情緒をめちゃくちゃにして散っていった敵の後に控えるものになり得る「敵」ってどんなのだろう? と。
考えてみると、ファダニエル/アモンはうまくエメトセルクの対になるように造形されたキャラクターだった。
オリジナルとしての記憶や矜持を持ち、それゆえの圧倒的な強さと、転生していないからこそ記憶が欠けたままのエメトセルク。転生しているからこそオリジナルのヘルメスの記憶を備えたアモン。しかもエルピスでの記憶も持っている。
協力的な態度で現れて大事なことを「こちらにわかる言葉」で解説し、手を取り合う未来もあり得るのかと思わせてくれたエメトセルクと、最初からこの上なく敵対的な態度で終始共感を拒むアモン。
生きたいと望み、星と同胞を救いたいと願ったエメトセルクと、死を望み星の終末を願ったアモン。
「冥王ハーデス」であり「皇帝ソル」でもあるエメトセルクと、「王の補佐」なアモン。
今自分でこうやってまとめながら、なるほどな~~~と深く頷いている。共通点は、たぶんどちらもお芝居が好きなのかな? ということくらいか。
ただアモン自身も、本当に絶望し終末を願っていたのかはわかっていないのかもしれなかった。
このくだり、もしかしたら人によっては蛇足だと思うかもしれないけど、わたしはあってよかったと思うんだ。説明されなくてもわかる部分ではあるだろうけども、ちゃんと言葉で示してくれたことについては、親切だし誠実なシナリオだと思った。
ヘルメスがメーティオンを宇宙に飛ばしたのは、あの世界をもっといいものにしたかったからだよね。自分たちの価値観が絶対ではないはずだと考えて、外からの刺激によって現状を相対化し、それをもって現状を打破したいと考えていたはず。すべての命に敬意を払える世界になってほしいと願っていたはず。
アモンの宇宙開発もそれと同じだったのではないか。
以前の記事で、アラグ帝国人のメンタリティは先に滅んだ星々の人たちに近かったのではないかと書いたが、それと同時に古代人とも似た部分があった。
アジス・ラーのアラグの施設に行くと、大量のキメラのサンプルに襲われる。かつてそれらはきっちり管理され、生物の可能性が研究され、不要なものは破棄されてきたはずだ。イクサルのご先祖様もあそこで生まれた。
わたしはアジス・ラーのあり方を見てグロいと感じたりしたけれど、エルピスで行われているのはあれと同じことだ。同時代にあってそのグロさを感じとることができたのが、ヘルメスでありアモンだった。
(211221追記:考えてみると、アジス・ラーとエルピスには割と共通点がある。どちらも空中庭園であることとか、移動にワープ装置を使うこととか、水辺や樹木の配置とか)
アモンもまた、自分たちの価値観が絶対ではないはずだと考えて、外からの刺激によって現状を相対化し、それをもって現状を打破したいと考えていたはず。すべての命に敬意を払える世界になってほしいと願っていたはず。
だから「これじゃない」んだよ。
どうして「外」に刺激を求めてしまったのか、どうして自分の手で現状を打破しようとしなかったのかって、「英雄」の立場からだとちょっと思ってしまうのだが、時代の常識や価値観を変えるのって並大抵のことではないからな。ヴェーネスですら、対話や説得などではなく強制的に世界を分割することでしか人を変えることはできなかった。
なお例によって戦闘中は必死すぎてスクショが一枚もないのだが、「終幕の熱狂」の詠唱が始まったときの「氷がない!!!!」という絶望感と、そこに現れたシヴァに気づいたときの感動はちょっと言葉にできない。バトルコンテンツがドラマすぎるでしょ。そんな……そんな最高の演出……ありがとうイゼル……エスティニアンもちゃんと気づいてたよ……。
(そういえば最近アラルレでやたらとシルクスの塔ばかりがあたるのだが、みんなアモンに会いに来てるのか?)
パパリモやオルシュファンやミンフィリアの魂が助けに来てくれる演出にも当然のように泣かされた。特にパパリモは、直前に彼の父親が登場するクエストがあったから余計に。これ、連れてくるメンバーごとにセリフがあるんだろうな。また来ないと。
イルベルドやリットアティンやリウィアの再登場はちょっと面白かった。ククルカくんに強い怨念を持ったまま死んだ敵となると意外と限られるのか? ヨツユも出るだろうかとちらっと思ったが、彼女はやることをやって散っていったからなあ。トールダンとニーズヘッグはどうなんだろう。あともしゼノスが死んだままだったら、喜々として出てくるだろうなとは思った。
ヨツユで思い出したが、最後に登場したアサヒには驚いた。なんかもうあの顔と声を完全にファダニエルと認識していたので、アルフィノに言われるまで本当にアサヒのことを忘れていた(ごめんね!!!)。
お前ほんとぶれねーな! そうだ、たしかに月でファダニエルがゼノスを出し抜いてゾディアークとして死んだとき、アサヒ激怒不可避だと思ったのだった。
アサヒの言うとおり、アモンの魂が次に生まれることがあったとしても、そのときはもうヘルメスの記憶もアモンの記憶もなく、かつての記憶を蘇らせられることもなく、再び苦しんで一から生きる意味を探すのだろう。それでいいと思うし、それが正しいと思う。
別にツンデレとかじゃないんだからね宣言、斬新だな。でもまあ、本当にツンデレとかじゃないんだろうなという信頼感。
ハイデリン討滅戦
これね……発売前に特に何の根拠もなく、ハイデリン討滅戦はあるかもしれないなーと思っていた。まだハイデリンが完全に味方なのかもわかっていなかったし、味方だったとしても「神殺し」はFF史上経験のあることなので。
でもここでこういう形でくるかー、と納得。
エルピスでヴェーネスと戦った経験が、ここで活きてくるんだな。
ハイデリンにとっては遠い記憶だろうが、ククルカくんにとってはつい先日のことである。
この突入画面を見て泣いてしまい、しばらく先に進めなかった。
ああ、暁はいつのまにかフルパーティが組めるほどになっていた。
最後はみんなで突入できるのだ。
ハーデス戦のときはこれができなかったもんなあ。いや稀なる強者たちを召喚する演出でもめちゃくちゃ泣いたんだが……(今もルーレットでハーデス戦があたって初見さんがいると「どうも、稀なる強者です」とあいさつしているし、見知らぬパーティメンバーもちょいちょいのってきてくれるのが楽しい)。
迷いなくMTを引き受けるサンクレッドとか、さらっと「ヒーラー過多なんでジョブチェンジします」と言い出すウリエンジェとか、空いたところにおさまってくれるグ・ラハとか、なんかもうみんなが愛おしくてたまらない。
また例によってわたしは涙で前が見えないデバフがスタックされており5回くらい死んだわけだが(つまり1回リスタートした)、暁のみなさんは大体ギミック予習済みなので、彼らについて行くことでどうにかクリアできた。
ただ今回、DPSがちょいちょいギミックミスするので、ここまでピクミンで乗り切ってきたわたしとしては誰を信じてついていくべきかなかなか判断に迷った。戦闘中にときどき吹き出しが出てヒントを言ってくれたりしているので、その言葉を信じてついていった。もしかしてあれ、ギミック来てるのにジャンプしてるエスティニアンをヒーラーが「救出」せよみたいなギミックなのか???
サンクレッドがガンブレイカーなのに羽をはやしていたように見えたが(211220追記:クリアしてから気づいた! 羽をはやしていたのはグ・ラハか!!)、いつのまにそんなスキルを習得したんだ。世界を割る力のある神の渾身の一撃を受け止める羽、すごい。あと、普段はLB即撃ちのアリゼーが今回はエスティニアンにLBを譲っていたのは微笑ましかった。
ハイデリンが暁のみんなに、今まで乗り越えてきたもののことを語りかけてくれるのが嬉しかった。あっこの前の記事で書いたやつや! とも思ったりした。彼女もずっと見てきてくれたんだな。ある意味で彼女もプレイヤー視点に近い存在ということか。分岐した歴史のこととかどれくらい把握してるんだろ。
こういう語られ方を見ると、やっぱりかつてのアルフィノは古代人的なところがあったよなと改めて思うんだ。
これはたしかにそのとおりだと思う。短期的(12000年単位)に見れば、やってることは大魔王だよ。
あのままゾディアークが世界の理を支える世界が続いていたら、いずれはほかの星々と同じように破綻し、滅んでいたのは間違いないだろう。
でもやっぱり、ハイデリンが相手の同意もなく世界を作り替えた結果、どれほどの悲劇が生まれ、どれほどの命が失われたか。
彼女は生命に「試練」を与え、生きられないものは淘汰される世界を創った。死せる魂は星に還ってまた生まれてくるかもしれないけれど、そのたびに「かけがえのないはずの個」は失われてしまう。惑星ハイデリンと13の鏡像世界は彼女にとってのエルピスだ。彼女が命を愛していたとしても、この手段はやはりヘルメスに否定されるものだったのではないかな。ただ彼女は自分の行いを自覚している点において、ほかの古代人とは一線を画してはいる。
アゼムはこれを望んだのだろうか。終末が起こってから世界が割られるまで、彼が何をしていたのかを誰も語ってくれない。わたしはそこを聞きたかったんだが!?
このセリフはよかったな……。
因果とは……という感じだが、この世界を愛して旅した者の言葉が、この世界を支える力になっていたんだな。
おいやめろ、ここにきて最終メンタルブレイク宣言か。いややめないでください。
アゼムのクリスタルをこっそり創っていたことがハイデリンにバレバレのエメトセルクさん、ご感想をどうぞ。
喚ばないもの……?
自分でも想定外のものが切り札になる的な?
な、なんだろ?
星海の泡
宿に帰って休むことになり、今度は誰が部屋を訪れるんだろうと思っていたらこれ。
もうこっちは塵となり燃え殻となってるんだよ!!!!!!!!!! どんだけ畳みかけるんだ!!!!!!!!
泡……泡だよヒュトロダエウス……。
また「キミ」はククルカくんのことかと思ったのだが、違うねこれは。ヒュトロダエウスはククルカくんに話しかけているわけではない。
これ、ナレーションをしているハーデスと同じところにいるでしょ???
「こんなところ」って星海でしょ? 「あちら」ってククルカくんたちのことでしょ?
アゼムのクリスタルをこっそり創っていたことがハイデリンにバレバレで頭を抱えてるところにタイミング悪くヒュトロダエウスが来たんでしょ?(違う)
そうか、そのセリフを言うのは彼だったか……。
その直後にウリエンジェ大先生がこういうこと言ってくるしさあ!
あー……ちりとりが大量に必要になるな……。
最後の平穏
最終決戦前の最後の平和な一日。
みんなと話せる展開、すごくよかったな……。
わたしにとっては推しがちゃんと推しらしく活躍してくれたことが感無量だった。
ハンコックさん!!!!!
うわーーー!!! 会えてうれしい!!! 来てくれてよかった~~~!!!
特別客室……いったい何があるんだ……暁の目をかいくぐらないと来られないようなものが待っているのか。わたしとしてはクガネの居酒屋でエスティニアンと宴会ができれば十分なんだが。
しかし暁月のAFがタタルのお手製とはなあ。腕を上げたな、タタルよ……。彼女の裁縫の技術も、ここで身を結ぶことになったんだな。暁月は何から何まで集大成だ。タタルの召喚したカーバンクルっぽいのと再会したのは笑ってしまったが。
ハイデリンの贈り物以上にびっくりしたかもしれないこのセリフ。
長い間砂の家にとどまっていたウリエンジェだけど、彼も旅することを気に入っていたんだな。サンクレッドとの珍道中は見てみたい。
戦いの後のことを語るのは死亡フラグだという伝統芸能があるが、これは違うよね……? 戦いの後の世界に持つ希望がデュナミス的ぱわーになるんだよね……?
決戦前夜にそんなに飲みすぎるのはやめた方が……。
ここで「おはよう」をぶっこんでくるんじゃない!!!!!!(壁に頭を打ちつける絵文字)
おい!!!!!!!!!!!
もうだめだ。本当に塵だ。
しかもなんでこんなところで私服バリエーションが増えるわけ???????
何度目だろうな……「『蒼天のイシュガルド』の真のエンディングはここか」と思わされたのは……。
ネロさン!!!!!!!!!!
絶対どこかにいるはずだと思って探し回った甲斐があった!!!!!!
方舟をカワイコチャンにするのはあきらめてくれ、かわりにククルカくんが紅白のおめでたい格好になっておいたから。
シャーレアンをもう一周して記念撮影もした。
優しくて温かい世界は名残惜しく、離れがたい。
もう思い残すことはないなんて言えない。
でもそろそろ行かなきゃな。
じゃあ、ちょっと最果ての地に行ってくる。
(※FF14を始めたばかりの頃、グリダニアで会った妹に「ちょっと次元の狭間行ってくる」と言われたのがなかなかの衝撃だったので、最終決戦のここで使ってみた)