この記事にはFF14「暁月のフィナーレ」エンディングまでと、レイド「パンデモニウム」のネタバレが含まれます。
ハッピーホリデー!!
クリスマスイブにスクエニから暁月カレンダーと漆黒サントラのLP盤が届き、ENDWALKERのジャケットと並べて飾ったところ、自室でいつでも情緒崩壊できるようになった。カレンダーの紙質とPP処理があまりに豪華で驚いた。大事に飾るよ!
クリア後の余韻が残るなか、すぐにパンデモニウムが来てしまったのでさっそくクリアしてきたわけだが、開始早々に呻くことになった。
今日は暁月を振り返ってさらなる呻き声を繰り返しつつ、パンデモニウムについてもちょっと語りたいところ。
暁月エンディングまでのネタバレと、パンデモニウムのネタバレ注意!!!
フェンダーコラボのイラストが思いきり暁月のフィナーレだった件
本題に入る前に、今年の春にFF14とフェンダーがコラボしたときのイメージイラストをもう一度見てくれ。
このイラストが暁月カレンダーの中に入っていて、めくった瞬間悲鳴をあげた。
何が言いたいかわかるな????
「星空」と「流星」と、「満月」に重なる「青い鳥」なんだよ。
メーティオンは「逆さの流星」として地上から宇宙へと飛び立った。でもこのイラストの流星は正しい向きだ。メーティオンの祝福がアーテリスに届いたことを意味するのか。
あの星々のどこかには、もしかしたら再び生命が息づき始めているかもしれない。もはや星空はからっぽの宇宙ではない。希望と可能性の夜空である。
月とはハイデリンの意思の象徴であり、人に与えられた選択肢であり、たくさんの古代人の無念が眠る場所でもあった。そこに「青い鳥」が重なっている。
「青い鳥」はもちろんメーティオン(優しさと可能性を探し求め、絶望に堕ち、しかし求めていたものを手にして最後は希望を謳った)であり、メーテルリンクに即してより象徴的に言えば「幸福」の象徴である。
なんかもう、この世界に生きるものとかつて生きたものすべてに対する祝福なんだよ、この一枚……。「終焉を謳うもの(やっぱり英語版だと Endsinger なのね……)」ではなく「希望を謳うもの」の絵なんだよ……。
ゲーム内でメーティオンが青い鳥の姿をとったときに「どこかで見たような?」と引っかかっていたのだが、そうか、ここだったか……。なんて形の予告だよ!!!!!!!
「おやすみ」と「おはよう」の物語
「漆黒のヴィランズ」は「おやすみ」と「おはよう」の物語だった。
光の戦士は水晶公からペンダント居住館の一室を与えられ、そこで寝泊まりするようになる。その部屋にはさまざまな人が訪れ、多くの言葉をかわし、そして「おやすみ」を告げる。翌日には「おはよう」から物語の続きが始まる。
光に包まれた第一世界は、夜を取り戻すことによってようやく「おやすみ Good night」と「おはよう Good morning」を本来の意味で言えるようになった。
「アジントタ」はロンカ語で「よい夜を」を意味する言葉だった。夜の民と仲良くなるためにはこの言葉が必要だった。
光属性は停滞を司り、闇属性は活性を司る。つまり「おやすみ」を告げるのが光で、「おはよう」を告げるのが闇だ。この逆転現象はちょっと面白い。漆黒はまさに「光と闇の戦い」だった。
光の戦士は、漆黒の道中で多くの人に「おやすみ」を告げた。今振り返ると、漆黒での戦いは何かのために走り続けてきた人たちに「もう終わりにしていい」と告げる戦いが多かった。
人を救おうとしていたが、それゆえに罪喰いとなったテスリーンに。
遊びたいと願いながら誰もいない城にひとりきりだったティターニアに。
「ミンフィリア」を守るため戦い続けたランジートに。
ヴァウスリーもまあ……あれ全部エメトセルクに押し付けられた運命だったわけだしな。「おやすみ」を告げたと言っていいと思う。
それから誰よりも永い間、世界を取り戻すため走り続けてきたエメトセルクに。
誰よりも世界を救いたいと願ったエリディブスに。
わたしは彼らにそれぞれ「おやすみ」を告げた。
彼らみんなが、安らかに眠れているといいと思う。まあ、暁月でそのうちの何人かの安眠を妨げてしまったが。
そして5.0の最後で水晶公に、5.3の最後でグ・ラハに、それぞれ「おはよう」を告げた。その「おはよう」は、次の冒険へとつながっていく。
ティアマットに告げたのも、ある意味「おはよう」だった。
そんな感じで、漆黒の物語は「おやすみ」と「おはよう」に象徴される部分がとても大きかった。
「いってらっしゃい」「おかえりなさい」の物語
そして暁月の物語は「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」に象徴される。
そもそも物語とは「往還」を描くものだ。行きて帰りし物語。日常を離れ、非日常に触れ、そして日常へと帰る。旅立ちと旅の終わりで主人公がどう変わったかを描くのが物語というもの。
そういう意味で暁月は、基本に則った美しい物語構造だ。
作中で、光の戦士は何度も「いってらっしゃい」を告げられる。タタルのこの言葉がどれほどの励みになったか。彼女の存在は「帰りを待っていてくれるもの」の象徴である。
最初は船旅だった。
雪道の行軍もあった。いずれもタタルに見送られた。
考えてみると、このときのシチュエーションは「おかえりなさい」だったんだな。
月に行くときもみんなに見送られた。
エリディブスには「いってらっしゃい」と同時に「いってきます」も告げられた。
古代ではエメトセルクとヒュトロダエウス、ヴェーネスからの「いってらっしゃい」をたしかに受け取った。
宇宙へ飛び出すときも、みんなに「いってらっしゃい」をもらった。
まさか蛮神一同からも見送られるとは思っていなくて、あの演出にもものすごく泣かされた。ガルーダとスサノオのやりとり、よかったな……。
ここでまず「おかえりなさい」(というよりは「心配したんだからね!!!」だったが)をもらい、それからアーテリスの皆からももらう。帰ってきた「ラグナロク」を見て階段を駆け下りるタタルとクルルのなんと愛らしいことか。
タタルからの万感の「おかえりなさい!」でこの物語は終わる。
この場面でこれを言うために、タタルは新生からずっと一緒に戦ってきたのだ。だからこそのお出迎えで、だからこそのエンディングなのだ。
そしてもうひとつの「いってらっしゃい」はこれだ。
優しい答えを求めて飛び立ったメーティオン。
「いつかこの旅をやり遂げた君に心から花を贈ろう」と言ったヘルメスの言葉を、彼女は覚えていた。だからあのときエメトセルクとヒュトロダエウスと光の戦士で創りだしたエルピスの花は、「おかえりなさい」の意味だった。この「おかえりなさい」が彼女の足を止める。
そしてメーティオンにとってもうひとつの「おかえりなさい」となったのは、光の戦士がこれまで歩んできた旅の記憶、それにともなう感情だった。
「素敵な終点」か。そしてその「終点」は「始点」とイコールで結ばれる。だからこその「おかえりなさい」である。行きて帰りし物語、だ。
ENDSINGER に「おかえりなさい」を告げて終わりをもたらす ENDWALKER、暁月のフィナーレはそういう物語だった。
エメトセルクの記憶
光の戦士にとっては5.0でのハーデス戦からエルピスに行くまで結構な時間がたっているが、エメトセルクにとっては「覚えていろ」と言った次の瞬間に自分が何を忘れていたのか思い出したようなものである。布団をかぶって悶えるしかない。あんな感じでナレーションできるようになるだけの心の余裕(?)ができるまでに5.1から5.55までかかったと思うとかわいいね。
記憶を取り戻した後にまず考えたのは、過去にエルピスで会ったあいつはいつの時代から来たのかという問題だろう。自分の最期を予言していたことから、今より後だということはすぐわかったとして、 じゃあどのくらい後なのかについては、ヒカセンはどこまで話したんだろう。
5.3討滅戦の詳細まであのとき話したんだろうか。
エリディブスがどうなったかまでは話さないと、その後ファダニエルが終末を起こした話ができないから、やはりある程度は話しているはず。
もし5.3討滅戦で喚ばれるタイミングまでわかってたとしたら、それはそれで熱い。
でも光の戦士の時系列ではエルピスに行くよりも5.3討滅戦の方が先だってわかっていたら、歴史を変えないためにも「何も言わずに手を振って去る」ことしかできないよね。
あれはそういうシーンだったってこと…!?
だれかーーー!!! Nウォーリア・オブ・ライト討滅戦行きませんか!!!!!!
しかもこの間ヒュトロダエウスなし!!! 記憶を取り戻してもひとりで悶えるしかなかった!
ヒュトロダエウスとエメトセルクが再会できたのは、光の戦士が星海から帰ってきた後、あの夢の時点のはず。
ゾディアークが消えて終末が再来したのはエメトセルク的に絶望案件だったと思うけど、ヒュトロダエウスとの再会だけは救いだったと思う。記憶をすべて洗われて生まれ変わる前に、もう一度彼と会えたことはエメトセルクにとって救済だったんじゃないかな……。
ヒュトロダエウス的には「ふと」思い立ったかららしいけども、会いに来てくれてよかった。 彼の眼があったからこそ、星海での再会がかなったのかな。
あとエメトセルク、「ハイデリンがなぜ自分をここまで生かしておいたかについて、好意的に解釈すればこういうオチがつくのを期待したからかも」と言っていたけど、ということはつまり「自分がここまでハイデリンに生かされていた」という意識があったってことよね?
実際、ヴェーネスはあのときヒカセンからエメトセルクの最期も含めた星の未来を聞いていた。
だから「その未来」からはずれないよう、エメトセルクには手出ししなかったのかも。
あるいは積極的に守ることすらあったかも。
本人的には不可解だっただろうな……。
アシエン一派から「あいつあやしくね?」って疑われたりすることもあったかも。
いよいよヒカセンが過去に飛ぶのが見えたときは、これで未来がつながるってほっとしただろうな。
それと同時にとてつもない黒歴史を見られるみたいな羞恥心もあっただろうな…。
わたしなんか10年前の自分の言動ですら恥ずかしいのに、12000年前の若気の至りを見られるとか…。
またしても布団かぶってじたばた案件だったでしょこれ。
まああれだ、諸々ふまえて、ウルティマ・トゥルーレで再会できたエメトセルクがああいう感じでよかったとわたしは思う。
あそこでハイデリンがアゼムのクリスタルに残した力で再受肉させる手もなくはなかったんだろうけど、正直その展開は非常に見たいけど、「私の人生はそれほど軽くなかった」のだろうからね……。
ヒュトロダエウスとふたりで結末まで見届けて、最後の殴り合いについては「あいつここまで来ていったい何を……しかもうちの曾孫……?」みたいな反応をしつつ、力尽きかけたヒカセンのために指を鳴らして転送装置を送ってあげるくらいのことはしてくれてたんじゃないかな。
終末におけるアゼムの行動の選択
わたしは暁月でもう少し終末当時のアゼムの行動が明らかになると思っていたのだが、結局明言されることはなかった。ただ少し想像できるようになった部分もある。
今までわたしは、アゼムは終末を回避するために単独で動いてきたが何か避けられない理由があって死を迎えて魂が14分割されたのだろうと思っていた。
が、もしかしてそうではなかったのかもしれない。
ヴェーネスに「将来アゼムの魂を分割したと思われる人がエルピスに来る」ことまで聞かされて、その未来のために死を受け入れた可能性もあるのではないだろうか。これは……これはつらい……!
もしそうなら、そりゃ「ヴェーネス派」にも参加できない。
ハイデリン召喚のために魂を捧げたら、 光の戦士もアルバートも生まれないことになってしまうから。
十四人委員会の決定にも従えない。その理由をエメトセルクやヒュトロダエウスに言うこともできない。黙って決別するしかなかった。
でも彼らも含めた未来のために希望を持って魂の分割を受け入れる。
ここまでに開示された情報を矛盾なくつなぐとそういうことになる……のか!?
アゼム……!!!!!
星海でエメトセルクがそのことに思い至ってしまったときのことを考えると、もう……。
せめてもうしばらく、ヒュトロダエウスとゆっくり星海セラピーしてから生まれ変わるといいと思うよ……。
いつか、たとえば9.0くらいで冒険した先で、やたら目のいい子供たちの話とかが聞けたらいいよね。
万魔殿パンデモニウム
なんかもはやパンデモニウムについて語る体力は残っていないのだが、ちょっとだけ。
まず暁月のエピローグ後のアレ。エンディングでめためたに泣きエピローグでもめためたに泣いたあとに剛速球が直撃し、何がどうなっているのかよくわからないままよろよろとログアウトした(相当な深夜だったので……)。
エリディブスはエルピスで光の戦士に会った記憶があると言っていたのに、最後まで会わなかったよ?? サブクエストまで全部やったけどそれらしいのいなかったよ?? と思っていたのだが、最後の最後にお前……。
アゼムとエリディブスも友達だったんだね……。
石田ボイス好きとしては、レイドにボイスがついていないのが残念でならない。しかしボイスがついていたらいたで平常心でプレイできないのでこれでよかったのかもしれない。
今気になっているのは彼、エリクトニオス。
もしかして彼、我々の知ってる「あのラハブレア」だったりしない?
このあといろいろあって前ラハブレアが引退して、エリクトニオスくんがラハブレアの座を引き継いだりしない?
いや現時点ではこの話がどこに向かうのか全然わからないのだが、どこに向かったらいちばんわたしがダメージを受けるかを考えると、これかな……と。
うーん、家系的には申し分ない感じなのだが、魔法が苦手らしいし違うのかな。これから開花したりしないかな。努力家で勉強熱心ではあるようだし。
とはいえエリクトニオスくんが12000年後に乱心して目的を見失い、ガイウス閣下に「無様だな」とか言っちゃうのはずいぶんな変わりような気もする。どうなのかな~。
しかしパンデモニウムを見ていると、古代にはヘルメス以外にもちゃんと悩んだり苦しんだりする人はいたし、もめごとだってあったようだ。理想郷……理想郷、だったんだろうか。本当に? エリクトニオスくん、エルピスの花を染められるのでは?