記念すべき最初の題材はアメリカのドラマ「ブレイキング・バッド Breaking Bad」。まずはネタバレなしの感想から。
「ブレイキングバッド」記事目次
まるで海外で初めて味わう食べ物のよう「ブレイキングバッド」・2
「ブレイキングバッド」印象に残ったシーンランキング - なぜ面白いのか
【こんな人におすすめ】
- しっかりしたシナリオ、見応えのある演技のドラマが好きな人
- 人生にやり残したことがあると感じる人
- 若いうちにはじけきることができなかった人
- 中年男性の白ブリーフに興奮する人
- ハゲキャラおよび新規のハゲが次々と投入されることに喜びを感じる人
【こういうのが苦手な人は注意】
- 殺人シーン(殺害方法は非常にヴァリエーションに富んでいる)
- グロ(人体をドロドロに溶かすなど)
- ドラッグ(作品のメイン題材がこれ)
- 品のない英語(もちろんそういうキャラ作りなのだが、発音も品がないし発言内容も品がない)
【概要・あらすじ】
wikipediaでの記事はこちら。「登場人物」の項目以降はネタバレがあるので注意。
【わたしが見ようとしたきっかけ】
非常に評価の高いドラマだということは知っていたがこれまで手を出していなかった。
huluで配信終了が近いと知り、せっかくなので見ておくことにした。
【なぜ面白いのか】
「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇」と言ったのはチャップリンだが、ブレイキングバッドはまさにこの手法で作られている。
登場人物に寄り添って見ると重すぎる悲劇なのだが、少し距離をおいて見ると、状況の転落ぶりや細かい芝居が逆に笑えるようにできている。
わたしは最初、このドラマを「悲劇」として見るべきか「喜劇」として見るべきなのかわからず、態度を決めかねて居心地悪い思いをしていた。大体S2の後半まで。
しかしS2を見終えると、あとはどんな態度で見るかなど関係ないくらい怒涛の展開にわたし自身も呑みこまれ、寝る時間を惜しんでまで見ることになった。
終わってから振り返ると、このドラマは「悲劇」でもあり「喜劇」でもある。
これに限らず名作と言われる作品はしばしばこう言われるものだが、このドラマほどにその両者が「重なった」状態で成立しているものは珍しいのではないだろうか。
悪くなりすぎた状況に対して登場人物に寄り添って悲しむもよし、「もはや笑うしかない」と引いた視点で楽しむもよし、本当にどちらの楽しみ方も可能だ。
脚本レベルにおける奇跡のバランス感覚と、役者それぞれの「悲しくもあり可笑しくもある」演技に称賛を送りたい。
20160612追記:
元「Top Gear」司会者ジェームズ・メイの過去のツイートを見ていたらこんな画像が。
I've been sent a 'cook' book from a TV series. A mate has a camper van. Looking good. pic.twitter.com/1fBAXrS9eM
— James May (@MrJamesMay) 2014年12月1日
ジェームズもドラマを見ていたようだ。