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バルダーズゲート最大の秘密を知ってしまう回「バルダーズゲート3」プレイ日記35

あまりに衝撃的なことを知ってしまい、シリーズ3作目にしてこんなことをやって大丈夫なのか? 旧作からのファンは動揺しなかったのか? と余計な心配までしつつ、普通にショックで呆然としてしまった。

いやいやいや……すごいなこのゲーム。

この秘密をもっと早く知っていればほかのあれこれのイベントの印象も変わったかなとか、最後の最後に知ったおかげでクライマックス感がすごいことになったなとか、いろいろ考えてしまう。

とにかく早く語りたい。

以下、ワームとバルダランをめぐる今作最大のネタバレ注意!

初回記事はこちらから。

ssayu.hatenablog.com

 

 

その公然わいせつ野郎とゴータシュはどういう関係なんだよ

 

バルダランの試練

前回ゴータシュと決着をつけ、残るサブクエストはワームの力を借りるものだけになった。どこからワームの巣に行けばいいかわからなかったが、竜岩砦のマップをよく見たらマーキングしてあるじゃないの。親切~!

というわけで、バルダーズ・ゲートの地下洞窟へ。下層地域の地下とは雰囲気が違って、どことなく清浄な感じ。

中ではバルダラン像(当然のようにしゃべる)が試練を出してきた。が、まあまあゴリ押しでなんとかなった。今までの試練(ベハルとかシャーとかの)もゴリ押しで無理やり通ってきたし、この世界の試練はゴリ押しする実力があるならOKという寛容なものである。

チェスを使った試練ではゲイルが「少し提案してもいいか?」と言いだしたのでお願いしたら、身も蓋もない答えが直球で提示された。

ありがとうな。お前はいつも頼りになるやつだよ。

なおウィルはこっち方面はダメっぽかった。

 

この試練で示されたのは、バルダランのキャラクターや価値観なのだと思う。

彼にとっては軍の指揮官として兵に指示を出せるような人が「英雄」であり、争いよりも平和を望む人が「英雄」であり、「正義」とは公平さや公正さ(「目には目を、歯には歯を」的な)のことであり、「勇気」とは困難な状況に耐えること、みたいな。

バルダーズ・ゲートという街はそんな人が創設したもので、この試練はバルダランの遺志によって残されたのだと思っていた。

が、しかし。

 

 

アンサーとバルダランの真実

えっ

死亡状態……?

骨になってるんですが……?

なんか前にも伝説のドラゴンに協力を求めに行ったら骨になってたゲームがあったけど、お前もか!?

ちょっとちょっと

竜の霊魂に体を乗っ取られた! おいおいおい! 「死者との会話」ならできるから、体を勝手に使わないでほしい。

バルダランの試練を突破してきた我々に、アンサーは何か言いたいことがあるようだった。が、それは全部中断された。彼が皇帝の気配を感じたことで。

は? え?

皇帝=バルダランだったの!?

皇帝はもともと一介の冒険者だったという話だったけど、一介の冒険者にしては功績がでかいな!? 「皇帝」という呼び名もあながち間違いではなかったわけか。

ステルメイン公爵はどこまで知っていたんだろう? 知っていたからこそ、イリシッドに協力していたと考えるべきかなあ。そうでもなければ、罪人を用意して脳を食わせるなんてことまではしないような気がする。

あとゴータシュはどこまで知っていたんだろう。皇帝がバルダランだと知っていてあの扱いだったのかなあ。

で、アンサーを殺したのがバルダランだったの!? この洞窟に入ってきたときに皇帝がぶつぶつ言っていたのは、竜がもういないと知っていたからだったのか。

これは試練開始時のイベント

自分で用意した詩に自分でつっこみを入れている

なんでバルダランが、友だったはずのアンサーを殺してしまったのかと思ったら、どうやらイリシッド化したバルダランをアンサーが殺そうとして、返り討ちにあったらしい。

いやこれは……どう考えていいものか難しい。

皇帝側から見た話を聞いても、やはり難しい。

お前自分で幼生を取り込んだんかい!!!!!

それはね、それは結構大きな一線だと思うよ?

リュヒテュちゃんたちもいつイリシッドになるかわからない状態で、レイゼルなんか、もしリュヒテュちゃんがイリシッド化して人を襲い始めたら「お前を殺して私も死ぬ」と覚悟を決めてるんだよ? まさにアンサーがやろうとしたように

それに対してリュヒテュちゃんは、自分が人としての意思を失って人を襲うようになったら殺してほしいと思うのか、それとも自分がどんな状態になったとしても生き延びたいと思うのか、わたしは結構本気で考えたわけだよ。非常に重い倫理の問題を突き付けられたなって思いながら。

でもそれってリュヒテュちゃんを含めた仲間の全員が、自分の意思に反して幼生を入れられたという前提があるわけ。自分で幼生を求めてムーンライズタワーに行って、自分でマインドフレイヤーになって、人を超えた存在になったのだ! って喜んでるって、もう全然リュヒテュちゃんたちとは違うじゃん。

「お前もイリシッドになっちゃいなよ!」と勧誘してきたのも、イリシッド化したからゆえの考え方の変化なのだと思っていたけど、人間としてのバルダランがイリシッド化を自ら望んでいたなら全然話が違ってくるじゃん。

イリシッドがどういう存在か、バルダランが知らなかったわけではないよね? 人を襲って脳を食べて生きる存在だとわかっててそれを選んだんだよね?

しかもアスタリオンのように、幼生を取り込むことで血液異常(吸血鬼のスポーンとしての)の症状を抑えられるみたいな、命にかかわるメリットがあったわけでもなく、健康体の人間だったわけでしょ?

だめでしょこれ。

バルダランはイリシッド化して人の道を踏み外したんじゃなくて、人の道を踏み外したからイリシッド化したってことじゃん。

わたしはシリーズの過去作は何も知らないけど、ゲームのタイトルに冠した街の創設者がこんなことになっていたことに結構なショックを受けた。シリーズファンの人は大丈夫だったんだろうか。

アンサーはバルダランを治療しようとしたけれど、だめだったんだな。バルダラン自身が治療を拒んだというか、治療の必要を感じていなかった。アンサーは彼が自らイリシッド化したのだという「現実」をわかっていなかったのか、あるいは受け入れられなかったのかもしれない。

だって以前のバルダランの価値観は、一連の試練で示されたような「英雄」だったはずなのだ。軍の指揮官として兵に指示を出せるような人が「英雄」であり、争いよりも平和を望む人が「英雄」であり、「正義」とは公平さや公正さ(「目には目を、歯には歯を」的な)のことであり、「勇気」とは困難な状況に耐えること……みたいな。

いや、バルダランの価値観自体は変わっていないのかもしれない。

平和や正義をなすために、より大きな力を求めてこうなったのかもしれない。実際、アブソリュート教団による世界支配は止めようとしているし。大きな目的のために、小さな犠牲(脳を食われる罪人とか、オルフェウスとか)は仕方ないというスタンスなのかな。

でも彼の話を聞いていると、アブソリュート教団という脅威を倒すために力を求めたわけではなくて、「(自分の作った町の発展を見守るだけの生活に)満足できなくなった」と言ってるしなあ。

(「強大な敵を前にして忌まわしい力に手を染めてしまった」という話ならウィルと同じだと思うのだけど)

本当にどう考えたらいいんだろうな。アンサーから見れば、バルダランはいわゆる「闇堕ちした友」だったはず。わたしから見ても割と同じように見える。どんなに親しい友達でも、力を求めて異形化して人の脳みそを啜るようになったらドン引きする。

でもバルダランがリュヒテュちゃんたちを助けてくれたことも間違いない。彼の力がなければ、リュヒテュちゃんたちはゴブリン野営地に向かう前にはイリシッド化していただろうし、そもそもその前にイリシッドの船とともに墜落死していたはずだ。その後もずっと、あれこれ手を貸してくれていた。

だから「おめー闇堕ちしてんだろ! 死ね!」とは言いづらい。リュヒテュちゃんを無理やりイカにしようとしない限りは協力しようと思っていたし、今もエルダーブレインを倒すという目的が一致しているうちは協力しなければと思っている。

でも全部終わったあと、この人はどうするんだろう?

イリシッドの力をどう使うつもりなんだろう?

強い力に魅了された彼は、さらに強い力を求めたりはしないだろうか?

バルダランの名を名乗って真の皇帝としてバルダーズ・ゲートに君臨したりするつもりだろうか?(それはないような気もする)

自分は「偉大な存在になった」のだと思っている彼は、人間をどう扱うつもりだろうか。みんながイリシッドになるべきだとか思ったりしないだろうか。それだとアブソリュート教団と変わらないしなあ。

まさか最後に残していたサブクエストでこんな大ダメージを受けるとは思っておらず、ずっと悶々としている。でもエルダーブレインとの決戦前に知っておいてよかったな。

 

 

アヴェルヌスの刃

アンサーは我々のことをバルダランに洗脳されたイリシッド仲間だと思って襲ってきた。全員で囲んでボコったら割とあっさり倒せてしまったけども。もう本体は骨になってて魂だけだったもんな。

いろんなことがありすぎてウィルは気落ちしているようだった。建国の英雄はイカになってるし、子供の頃に読んだ伝説の竜は骨になってるし、その骨も自分たちの手で倒してしまったし。

そりゃこういう反応にもなるよ

しかし父親の反応は違った。彼はワーム(の骨)を倒したウィルたちこそが街を守る英雄になるはずだと言う。

彼はウィルを大公爵に任じようと言いだした。ウィルに街を守り、人々を守ってほしいということかな。

でもウィルはためらっていた。ミゾーラに魂を握られているし、角もはえているし。

ここで選択肢が出たが、今度こそウィルの意思に任せる返事があった。

結局、ウィルは父親からの申し出を断った。

彼の勇気は貴族の屋敷ではなく荒野で見つけたものなのだと。そして彼はこれから戦場を地獄に移すつもりだという。

デーモン&デヴィルハンターになるってこと!? 両方に喧嘩を売るの? やるね~!

と思っていたら、ここでウィルからのプロポーズ(?)が。

この会話って全員に発生するもの? それともパートナーとしての会話だったのだろうか? ここは迷わず一緒に戦うと答えた。

伴侶!

輝く星!

やっぱりこれってパートナーとしてのイベントだったんじゃないかなと思ったので、こんな行動に出て終わることにした。

このふたりのキスはなかなかかわいくてな……。お互いに角がぶつからないように気をつかってるんだろうな、と思ったりして。

 

パパの目の前でいちゃいちゃしてすまんな。

今作最大の秘密を知ってしまったパパはそれなりに動揺しているようだが、やはりその情報は伏せられるようだ。まあそりゃそうか。街が今以上の大混乱になるよ。

 

カーラックの反応は思いのほか穏やかだった。あれだけ地獄に戻ることを拒んだ彼女ならもっと拒絶反応が出るかと思ったのだけど、ウィルが地獄に行くのは構わないということなのか。

というかもしかして、ウィルは実際にアヴェルヌスに行くつもりではなくて、ソードコーストにちょっかいを出そうとするデヴィルやデーモンを倒すつもりなのかな?

いずれにしても簡単な道ではないだろうけど、リュヒテュちゃんとウィルがいたら大体の敵は蹴散らせるのではないか。できればそこにカーラックも加わってくれると、火力的な意味でとても助かるのだが。

 

そういうわけで最後にすごい情報が投下されて動揺しまくっているのだが、とにかくこれで順不動っぽいサブクエストは片付いた。あと残っているのはオルフェウス問題と、エルダーブレイン問題。これに取り掛かると後戻りできないっぽい。覚悟を決めて行ってくるか……!

 

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