映画「ヴェノム」を見に行ってきた!
前評判ですでに、どうやらダークヒーローものというよりはバディものとして楽しめそうだという腹づもりでいたわけだが、思った以上にがっつりバディものだった!
ひとまず初見でのネタバレ感想メモ。一度見たきりなので覚え違いもあるかもしれないが、熱いうちでないと書けない感想もあるってことで!
名前を呼んでくれる人
「ヴェノムはラブコメ」とは公開以来散々言われており、わたしもこれは非常に的を射た指摘だと思っている。
ヴェノムがエディを呼ぶ声は、最初から本当に優しい。それに何度も何度も名前を呼んでくれる。そんなの好きになってしまうやろ……!
名前を呼ぶ行為は、親愛の意の表明であると同時に「相手を独占したい」「構ってほしい」「自分の存在を認めてほしい」「注意を引きたい」のような意図もある。そういう行為を繰り返すあたりに、ヴェノムからエディへの執着をひしひしと感じる。
おそらくエディにとって、こんなにも自分の名前を呼んでくれる存在は初めてだったのではないだろうか。アニーでさえあんなに呼んでいないと思われる。
特に序盤は、自分自身も落ちこぼれだったヴェノムが相性最高の体を見つけて人生一発逆転できるチャンスでは? とテンションが上がっていた&なんとしてもこの宿主とうまくやっていかないと! と思っていたのもあってあんなに呼んでいたのだろう。
それがだんだんと、本当にエディのことが気に入って、彼の名前を呼びたくて呼んでいるのだろうと思わせられて、これってバディものの王道じゃないのと思った次第だ。
エディのメンタリティについて
あんなヤバい地球外生命体に寄生されて前向きにやっていこうと思えるメンタリティの主人公ということで、エディも最初からかなり道を踏み外したキャラだったのもよかった。
基本的に取材対象を「叩く」報道が売りだったエディ、もともと「何が善で何が悪なのかは俺が決める」みたいなところがあったのだろうと思われる。マスコミにありがちなメンタリティ。
それが最後の「食っていい相手かどうかはフィーリングで決める」発言に繋がっていくのだろうなと。正直あの発言はかなりとんでもないのだが(他者の生殺与奪を完全に握った「神」の立場の発言である)、そういうキャラでないとあっという間に病んで死にそうだからね。
で、最初からネジのゆるゆるな、というか最初からネジが何本かないようなキャラだったからこそ、あのバイクチェイスで笑顔になってしまうわけだ。普通の人なら最初の2分でメンタルが焼き切れて死ぬところだ。あのチェイスの途中でもう完全にヴェノムとの信頼関係ができあがって、普通なら死ぬような行為を「ヴェノムがなんとかしてくれる」という前提で始めてしまうのを見て「あっこの人ヴェノムがいなくても人外だわ」と思った。
バディもののお約束展開
全体としてバディもののお約束を2時間できっちりつめこんでくれて、バディもの好きには大満足の作品だった。
出会い→反発→信頼関係の構築→共闘→一時的な離別→再会→信頼関係の再構築→共闘→片方の犠牲→生きてたよ!からのハッピーエンド
ってどう考えても王道バディものですわ。本当にありがとうございました。
ピーキーブラインダーズからのヴェノム
このブログの更新履歴を見てもらえばわかるとおり、わたしはつい先日、BBCのドラマ「ピーキーブラインダーズ」をS1からS4まで完走したばかりだ。
わたしはトム・ハーディをこのドラマで初めて認識し、アルフィー・ソロモンズの人外めいた恐ろしさにとても魅かれた。それで、彼の中の人が出ているのならということで「ヴェノム」を見に行ったわけだ。
結果的にはこれがなかなか大成功だった。
ソロモンズさんの底知れない大物感とエディのダメダメ感はまったくの別人で、役者さんの力を思い知らされたし、一方で今回の彼は人間っぽいなアアアーッやっぱ人外ー!! みたいな面白さもあった。
逆に「ヴェノム」は見たけど「ピーキー」は見ていないという方にはぜひおすすめしたい! エディと顔は同じだけど、どっしりとした大物危険人物かつ息をするように人を裏切る峰不二子みたいなキャラに出会えるよ! ネトフリで最新のS4まで配信中!
せっかくなので「ピーキーブラインダーズ」公式ツイッターがトム・ハーディの「ヴェノム」をよろしくねとツイートしたときのを貼っておこう。
Best of luck to the brilliant Tom Hardy on the release of his new film #Venom today. Have a rum on us. pic.twitter.com/46IKRpCKCs
— Peaky Blinders (@ThePeakyBlinder) October 5, 2018