新章突入して最初の町でのイベントが一通り終わった。
いやなかなか一筋縄ではいかせてもらえないなー! 当初の話から二転三転してすごいところに着地した。プレイヤーに対して世界観の説明をしつつ、新キャラのキャラづけの説明もしつつ、話もうまくまとめてきたなあ。
まだ最終的な決着はどうなるか見ていないものの、とにかくここまでのストーリーについて一度感想を書いておくことにする。
では以下、マルティラでの一連のイベントのネタバレ注意!
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ハイザメとの出会い
前回、誘拐犯の首を獲る気満々でマルティラへと出発したアンジェロくんたちご一行。
ところが子安ボイスのナレーションが、新たな仲間がどうこうとネタバレを匂わせてくる。つまり……首を獲れないってこと!?
ていうかこの子安ボイスのナレーションはモアくんってことでいいの? モアくんがずっとアンジェロくんのことを見てて実況してるってこと?
ゲームの冒頭でプレイヤーに呼びかけてきた声、ナレーション、そしてモアくんは本当に同一人物なのか? ちょっとここが謎である。
とにかく砂漠到着直後からあやしさ大爆発だった。
安全な日と言われていたのにニンゲンに襲われるし、ニンゲンに食われるし、ニンゲンの肛門から脱出することになるし。
景観最悪なニンゲンの体内を通り抜けて、どうにかハイザメの隠れ家に到着したわけだが、ここも様子がおかしい。連続誘拐犯の隠れ家とは思えない様子。
被害者は老若男女あらゆる者だし身代金の要求とかもないと聞いていたから、動機が見えなかったんだよね。考えられる可能性としてはやっぱり食糧なんかなあと思っていたのだけど、食べたにしては骨も残っていない。解体した形跡もない。ただ食糧にするなら、普通は子供や老人ではなく成人だけをターゲットにするよね、食べられるところが多いから。
ともかく出てきたハイザメと一度は戦闘になるも逃げられたので、聴覚が敏感らしい彼をおびき出すために大騒ぎし始めるアンジェロくんたち。
自暴自棄で一人暮らししてる人がおたま2つも持ってるとかなくない!?
というつっこみはおいといて、ハイザメとの再戦。最初、分身から本物を見抜けなくて苦戦した。影に注目すればよかったのね。耳の形や服装に違いがある? とだいぶ間違い探しをしたのだが、めちゃくちゃわかりやすい違いがあったことになかなか気づかなかった。人間は目ではなく脳でものを見ているのだと改めて思わされる一件である。
ちなみに友は最後まで間違い探しがわからず、しかも適当なアーキタイプから着替えることなく戦闘に突入してしまったのだが、ハイザメはこちらの生存者が主人公ひとりになり瀕死状態までいくと攻撃してこなくなるらしく、そのままオートアタックのみで勝利できたらしい。
ハイザメ、少年を手にかけることはできないんだな……。
ともかく戦闘に勝利し、ハイザメに話を聞くことができた。
そしたらやっぱりハイザメは冤罪っぽい。ユージフ族も被差別民らしいし、こんなところにひとりで住んでいるし、罪をかぶせるにはうってつけだ。安全な日と言われてきたのにニンゲンに襲われたのもあやしい。
というわけで、ハイザメの冤罪を晴らすべく彼とともに町へ戻ることに。
マルティラの闇
ハイザメにアリバイがある時間に誘拐事件が起こったことで、あっさり判明する冤罪。
ちょっとモリスくんは無能すぎんか? 念のため数日は誘拐をお休みして様子を見ればよかったのに。「安全な日」まで数日の準備期間もあったのだから、その間にいつもより多めに誘拐しておけばこの日に誘拐しなくてもよかっただろうに。
メインクエストをやる前に散々サブクエストでレベリングし、装備を揃えてからの出撃だったので、ダンジョン攻略は割とサクサクだった。このゲーム、ダンジョン攻略中に敵と戦闘をしまくっているとめちゃくちゃ時間がかかるしSPも足りなくなるので、ある程度蹴散らせるレベルまで上げてから攻略するのがいいのかなあ。それくらいまで上げても、ボスやときどき徘徊してる中ボスみたいなのは結構歯ごたえがあるし。
で、その末にモリスくんと領主を追いつめたと思ったら落とし穴に落ちるアンジェロくんたち。ずいぶん古典的な罠に引っかかったわね。つーかガリカも落ちるんかい!!
その先で聞こえてくる特に懐かしくもない声。
クリンゲル!!! 生きとったんかワレエ!!!
あっ死んだわ。
状況説明のために雑に使い捨てられる元上司。
まあお悔やみ申し上げるような関係性でもなかったし、気にせず脱出しよう。
で、その先で判明した領主ジョアンナの悲劇。
異種族との間に未婚のままで子供をつくったジョアンナ。彼女がそのことを公表しようとすると、乳母が混血の「忌み子」を殺してしまった。
うわぁ、である。
でもまあこの手のことって、現実で起こった事例を探すには100年もさかのぼる必要はないよね。人間は「共同体の秩序を守る」という物語のためなら、いくらでも残酷なことができる。差別も排除もむしろ推奨される。
たとえば障害のある人や同性愛者が内々に殺されたり、公的に処刑されたりする文化は歴史上いくらでもあったし、国によっては今でもある。そういうことの「メタファー」なんだろうな。
ジョアンナのご指摘はごもっともだし、彼女がこう感じるのも当然である。
だからターゲットが老若男女問わず、だったんだな。食糧にするなら食べるところの多い成人をターゲットにするか、捕食者の好みによっては柔らかい子供の肉を好むか、大抵はどちらかのはずだもの。
「迷信や不安に負けて噴きあがり、平気で他人も殺す」のは主に老人だったのかな。同時に、領民に子供を奪われる苦しみを味わわせるために子どもも狙った。
「共同体の抱える迷信」に対する復讐としての、共同体構成員への無差別殺人。なるほどね。いずれ町が滅んだとしても構わなかったのだろう、ジョアンナ的には。これジョアンナの親族と乳母は真っ先に餌になってんだろな。
ハイザメとはいい感じに対になる敵だったなあ。
ハイザメもジョアンナも、民衆の悪意によって子供を失った。世界に対する絶望も同じくらい抱えていたはず。でもハイザメは隠遁生活をするだけで、世界への絶望を暴力の形でぶつけることはなかった。彼の腕なら、それこそ息子を見殺しにした連中を皆殺しにするくらいはできただろうに。
彼の絶望はむしろ自分に向けられていたもんな。砂蟲とニンゲンに囲まれたあんなところで暮らしていたのも、いつ死んでもいいと思っていたからだと語っていた。
ギリギリのところで踏みとどまっていたハイザメが終わりを迎える前に、アンジェロくんたちと出会えてよかったよ。アンジェロくんマジ天使(アンジェロだけに)。
「息子に顔向けできない生き方をしていてはいけない」というハイザメの言葉はよかったな。つらい記憶をただつらいだけで終わらせずに明日も生きていこうとする人の指針になり得る言葉だ。
でもこれ、「正義」を名乗るなら、ジョアンナを断罪して終わりにしていい話ではないよね。ハイザメも言うように、生まれを理由に人が死んだりしない世界にするためにできることをしなくては。
誘拐事件が解決したと無邪気に喜んでいる連中も「同罪」だったのだと気づくだろうか。「真相」を知った彼らはどんな反応をするだろうか。これからの展開が楽しみでもあり、不安でもあり。
あと気にした方がいいのは、あのニンゲンはどこから調達したのかという話。城の地下に偶然迷い込んだの? それとも「誰か」からもらったの? 誰かがジョアンナの絶望を利用して何かを企もうとしてたりしなかった? あるとすれば、ジョアンナと関係が深そうなのは惺教なんだけど。
もともとジョアンナの子供が乳母に殺されたのも、その当時ちょうどニンゲンが出没するようになった社会不安が原因というじゃないの。ニンゲンが遠因で子供が亡くなったのに、そのニンゲンを子供のかわりに育てるようになるとか、そんなことある? 何かうまく丸め込まれたとか、あるいは洗脳的な方法でニンゲンを押し付けられたみたいな可能性まで考えてしまう。
というかそもそもニンゲンとは何なのかという話なんだけど。
ニューラスが子供の頃に聞いた童話の「冥府からの使者」はキーワードだったりするのかな。
惺教とは何なのか
この世界を知れば知るほど惺教の教えはろくでもねーなと思えてくる。差別意識の温床にもなっているが、それだけではない。
「不安の全てを委ねる」という部分がすごく気になった。
アーキタイプの覚醒のたびに「不安に向き合う者よ」的なフレーズが毎回入るよね? この世界の本来の「魔法」が不安と向き合うことで発現するものだとするならば、それを全部「神」とやらに委ねる信仰は、人々から魔法を奪う原因になっているのではないか。
で、惺教と魔道器業界が癒着しているなら完璧じゃないの。
魔道器屋の店主であるところのベルギッタ自身がこう言っている。貧富の差がそのまま持てる武力の差になるこの世界。その根幹を支えているのが惺教なのでは?
この世界の仕組みをアンジェロくんたちが打ち破ることになるのか。
ちなみにルイはこの件についてどう思っているのかな。自分で魔法を設計できるような才能の人でも魔道器を必要としているのだろうか。
他候補者たちとの絡み
メインクエストの合間に、他候補者たちともいろいろ絡みがあった。情報を忘れないように整理しておく。
惺教陣営代表のギド。彼は玉座を狙っているわけではなく、フォーデンを支えるために出馬したらしい。どういうこと? 出馬の必要なくない?
ギドがいくらフォーデンへの忠誠心を語ったとしても、ギド自身が目立って争奪戦で活躍したら、民はギドを支持してしまうのでは。ギド本人が「私ではなくフォーデン猊下への支持をお願いします!」と主張したとしても、王の魔法では本心は偽れないのでしょ。まだ彼の意図がよくわからない。
とりあえずルイサイドに対しては積極的に喧嘩を売っていく姿勢だということはわかった。
ルイ陣営代表のグローデル。ギドの鎧戦車にボコられてたのでアンジェロくんたちが加勢した。ジュナに「使えない運転手」呼ばわりされている。この人もなぜ出馬したのかよくわからない。グローデル的には「地位とは奪うもの」らしいので、あわよくばルイを出し抜いて自分が玉座をとろうとしてる?
ジュナはルイサイドの人だったのか。それでも惺教公認アイドルやってるの? それでいいのか。
ヒュルケンベルクはジュナに憧れているらしい。素直に握手してもらえ。
グローデルの鎧戦車はカイデン工房製。カイデンというのは争奪戦に出馬していたユージフ族のことだな。ニューラスはカイデン工房を高く評価しているようだ。
ルイの鎧戦車は空を飛ぶ。いったいどこ製なんだ。
なりゆき上、アンジェロくんたちは早々にルイに顔を売ることができた。
賞金稼ぎのキャゼリナも出馬していたらしい。いきなり鎧戦車を襲ってきたので応戦することになった。でもこの人、その「親切なクレマールの人」に騙されてない? 大丈夫?
ローグ族代表ゴダード。めっちゃわかりやすい。言葉の選び方が下手すぎる。ある意味でポピュリズムの対極にいる人。政策を実現したいなら、ローグ族以外からも支持されるように体裁を整えなさいよ。
今のところ出会ったのはこのへんかな。
ファストトラベル解禁
あと目ぼしいできごととしては、テレポが使えるようになったこと。ファストトラベル解禁だ。テレポのない世界でひとりだけテレポ使えるって、それだけで当選してもおかしくないくらい猛烈なアドバンテージだ。
商業的にも情報戦的にも軍事的な意味でも、ひとりだけ移動にかかる時間が桁違いに短いというのは、ゲームのルールを変えてしまうくらいのバランスブレイクではないのか。よし、これを活かして国に混乱を起こしていこうぜ(グラントラドの民が突然出現した鎧戦車に驚く描写を楽しむプレイヤー)。
あのパーツは王子専用機に取り付けるように指示されたけど誰からの指示だかわからない、とかずいぶんあやしいじゃないの。どういう代物でどんな意思が働いてるんだろう。
あと鎧戦車の動力の音がどう聞いても心音なのは何か意図があってのことなのか。心臓ってアーキタイプに目覚めるためのキーアイテムでもあるし、この鎧戦車の機関もアーキタイプ関連、というか本来の「魔法」の力がかかわっていたりするのか。
誘拐ニンゲンとの対決から数日、街道の土砂が取り除かれるということで、そろそろ次の町に出発することになる。品評会でのジョアンナへのリアクションを楽しみにしつつ、本日はここまで。